ルームサービス 8 - 10


(8)
しかしふいに顎にかかっていた負荷がなくなった。
ずるずるとボウリングのピンのようなプラグの主部が一気に姿を現した
一番太いとこを抜けたらしい。生き物自身の収縮により、プラグが押し
出されていく。だが、生き物は何故かおびえた声を発した。
「やだっ。・・・・やだ、ふさいで!」

だがぬけかけたプラグの勢いはとまらない、俺は何故かそのプラグの先が
白く汚れていることに気がついた。
と、同時に緊張から開放された生き物の下の唇が、だらだらとよだれ
をこぼしはじめた。
それは白い色をしていて、覚えのある匂いがあった。
俺にはわかった。さっきルームサービスで持って来たクラムチャウダー。
生き物の下のお口は無理やりにそんなものを飲みこまされてしまっていたらしい。
「や・・・だ。もうやだよっ!見るな・・・あうっ」
見をよじって恥らう生き物。
脳天がやけつくようだった。背筋から腰にかっと熱い欲望の閃光がかけぬ
ける。
オカッパに命令されるまでもなかった。
俺は、勢いよくプラグを引き抜くと、よだれをたらしつづける生き物の舌の
お口にむしゃぶりついた。じゅぷうっとといやらしい音がして。生き物が高
い悲鳴をあげる。


(9)
極太のプラグから解放されたばかりのの生き物の下のお口はすぐには閉
じない。俺を誘うかのように、緩んでひらいている。俺は鼻先までそこ
にうずめ、クラムチャウダーの匂いに混じって確かに感じる、生き物自
身の香りに至福を感じながら、無我夢中で汁をすすった。
「やめろ・や・・・・あ・・・っあうん・・・あ・・あぅん!」
生き物の喘ぎが艶を帯びてきて、俺はますます張り切った。全部すすって
しまってもまだ物足りない。舌を伸ばして奥の奥までなめ取ろうとするが
届かない。必死になって舌をつかっているとふいに、髪の毛をつかまれ
そこからひきはなされた。
おかっぱがあきれた顔で俺を見ている。
「予想以上の犬ぶりだな」
そんなことを言われても屈辱だともなんとも思わなかった。ただもっと
舐めたい。舌を出してはあはあとあえぐ、本当に俺は犬のようだ。
「心配するな、お前にもまた役にたってもらうから」
オカッパはみせつけるように、生き物の涙で飾られた頬に自分の頬をこす
りつけていとおしげに金髪を愛撫しながらキスをする。
そのキスに生き物が幸せそうに目を閉じる。
俺はたまらなくうらやましかったが、犬だから仕方ねえなと思うしかなか
った。


(10)
「あ・・・ぁああ・・・・・ぁああん!・・・あああああん」
とんでもない声を発しながら首を左右に振っている。
のぞきこんでいる塔矢が時折、なだめるように口づけを繰り返す。
「・・・ひぃっ」
乳首からわき腹へと、蠢く舌の刺激で喉がなった。
体の上にぶちまけられたソースを犬(だってこいつ俺のケツの
穴に入ってたスープすすりやがったんだぜ)が舐めとっている。

・・俺・・・なにやってんだろう。

こんなとこで、こんなふうに体をひらかれて、内臓の奥までヒトの
目に晒して・・・・。

あれだ・・・。
今日の昼からだ・・。日付かわったような気もするけど・・。
だからあれだよ。
塔矢だよ。
取材があってさ。二人揃っての。棋院でさ。いつもどおりに塔矢
を見つけてさ、よおって声かけたらさ。
塔矢があからさまに不審な態度でさ、なんか後ろに隠して、し、進藤
ってあせってるんだよ。なんか面白そうじゃん。塔矢があせってんの
めったに見ないぜ。だからオレは必死で隠そうとする塔矢の後ろか
らそのブツをうばいとって、あけてみたんだよ。
そしたらさ。
なんつーんだろうなあ。
いわゆる、大人のオモチャってヤツだ。ヴァイヴとベルトが一緒になった
カタチのさ。そんなもんが入ってたんだよ。
・・・。



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