検討編 8
(8)
ヒカルの動きに、アキラはヒカルを見つめたまま小さく頭を振る。
ヒカルの手がアキラのズボンのベルトを外し、ジッパーを引き下げ、そしてアキラの下着の中に潜り込む。
「!」
直接、触れられた刺激に、反射的に目をつぶった。
目を瞑ってしまった分、自分に触れる彼の手の動きをよりリアルに感じてしまう。
恥ずかしい。恥ずかしくて死んでしまいそうだ。
自分の身体がこんなふうに反応してしまうなんて。
それだけでも恥ずかしいのに、それを知られて、触られて、触られた事で余計に反応してしまい、それが
相手には隠しようも無い。
「塔矢…イヤ…?」
イヤ……じゃない。違うんだ、ただ、
「だ…って、」
だって、どうしたらいいかわからない。こんな、こんな事って。
もう、頭は朦朧として、何かを言葉を探す事もできない。
身体の芯を柔らかく弄るものとは別に、胸元に何かが触れるのを感じる。
愛おしむようにそっと触れる唇の、その感触に眩暈がする。
ここがどこで、いま自分が何をしているのか、現実感が全く無い。
何かを思う間もなく、押し寄せる圧倒的な感覚が思考をどこかへ追いやってしまう。
「あ、」
何か、今までとは違う感触のものが敏感な場所に触れて、アキラは小さく声をあげた。
「ああぁっ!」
その次に熱く湿ったものに自分自身を包まれれ、更に鋭い悲鳴を漏らしてしまった。
「や、あ、あ、あ、」
絡みつき、舐りあげる未知の感覚に飲み込まれ、流される。
全身が大きな脈動に包まれて、弾けそうに熱く膨れ上がるのを感じる。
押し寄せる快感の波に抗えずに、あっという間にアキラはその熱を勢い良く放出して果てた。
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