戻り花火 8
(8)
アキラが息を呑み、体をよじってヒカルを押しのけようとする。
その抵抗を封じるように、服の上から股間をきつく握り込む。
「や、進藤っ・・・!放せ」
「イヤなの?・・・オレがイヤ?」
「そういうわけじゃないが・・・こんな、い、痛いよ、アァッ、」
痛いと言われてさすがに力を緩め、代わりにゆるゆると捏ね回すような動きでその部分を揉む。
瞬時に、アキラの喉の奥から押さえ切れない甘い呻きが洩れた。
掌全体でそこを包み込んでぶるぶると強めの振動を加えてやりながらヒカルは言った。
「こんな風に強引にされんの、オマエ大好きなくせに」
「そ、そんなこと・・・ぁ、・・・はぁ・・・ん、・・・あぁっ・・・!」
「社の時だって・・・」
自分の下でそのまま快楽に落ちていくかに見えたアキラが、目を見開いた。
ヒカルは唇を噛み締め、アキラの足の間に潜り込ませていた手を一旦引き抜いた。
アキラに聞かせるようにはっきりと呟きながら、手を彷徨わせる。
「・・・あの時は、どうやったんだったかな?確か・・・」
「や・・・嫌だ・・・嫌だ、進藤・・・」
アキラの声に怯えが滲むのを無視して、ヒカルは自分の両手でアキラの両手首を掴み
束ね合わせるようにしてアキラの頭上の布団の上に押さえつけた。
「確か俺がこうして、それから社が・・・」
「進藤!」
アキラが悲鳴を上げた。
それに構わずヒカルは片手でアキラの両手首を押さえつけたままもう片方の手でアキラの衣服を
剥ぎ、早鐘を打つ胸から蒼白な腿までを露わにした。その中央には、既に熱く昂り立ったものがある。
「――それでもオマエ一言も、やめろとは言わなかったんだ」
自分の影に覆われたアキラの、大きく見開かれた濡れた瞳に一瞬視線を合わせると、
ヒカルはきゅっと目を瞑りアキラの首筋に顔を埋めた。
そこはアキラの肌の控えめな甘い匂いと、火薬と煙の不穏に刺激的な匂いとが混じり合っていた。
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