肉棒だらけの打ち上げ大会 8


(8)
「イケル、イケルでえぇ〜、今年の阪神は優勝やっ!」
うおおお〜と、拳を振りあげて盛り上がる棋士達を横に、社は1人ビールを
飲んでいた。
「あーあぁあ、ええ大人がなんちゅう姿を晒しとんのや。
棋士と言えども一芸取ってしもたら、そこらのオッチャンと変わりないもん
やなあ」
そう言いながらグイッとビールの入ったグラスを一気に飲み、フウと
溜息をつく。再びグラスにビールを注ごうとすると、瓶はすでに空に
なっていた。
「もう全部飲んでしまったんか。すんまへーん、ビール追加お願いします」
と言いながら社が手を挙げた途端、ポカッと頭を強く叩かれた。
頭をさすりながら振り向くと、そこには社の師匠が鬼の形相で立っている。
「こりゃ清春、オマエはまだ未成年やろ! エエ加減にせいよっ」
社の師匠は、かなり酔っているらしく、すでに顔全体が赤くなっている。
「師匠、オレもう子供やない。一人前の棋士や!」
「何をほざいとんのや、ワシから見れば清春なんぞ、まだまだヒヨッコや。
子供らしゅう、このブドウジュースでも飲んどれ!」
社の師匠は、赤紫の液体の入った瓶をドンと社の目の前に置き、その場を
離れた。
「・・・何が悲しゅうて甘ったるいジュースなんか飲まなアカンのや。
オレはガキの頃から晩酌やっとんのに、ホンマたまらんわ」
ブツブツと1人愚痴り、口先を尖がらせながら社は仕方なく師匠が置いた瓶を
傾けてグラスに注ぎ、一口飲んで目を白黒させた。
──コ、コレ、酒や!? 師匠、ジュースと勘違いしたんやな。
社が飲んだのは、カクテルを作るときに使うカシスのリキュールだった。



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