S・W・A・N 8


(8)
げっそりとなってトイレから出てきた緒方にアキラは大輪の花のような笑顔で言った。
「今度する時はボクも中に入れて、見せてくださいね!」
「毎回これじゃ、オレの身が保たないぜ」
「すぐ慣れますよ。ボクだって緒方さんに色々されるの、すぐ慣れちゃったし」
「だがなあ、これは健康に関わる問題だぞ。今もオマエが外にいると思ったら、
半分くらいは引っ込んじまった」
「それじゃ、この間見せてくださったビデオの中に看護服の女性が患者さんを浣腸する
場面があったじゃありませんか。あれだったら嫌でもお腹がゆるくなりますよ。
ボク、次はあれやってみたいなぁ」
刺激的な格好のままでうきうきとベッドに戻るアキラの後ろ姿を見て、
それもこれも自分が教え込んだこととは言え何故こんなことになったのかと
溜め息をつきながら、
そう遠くない将来に自分が浣腸器具ととアキラに似合いそうな白いナース服と、
リボン付きの箱に入った純白の白鳥のおまるとを買って帰る姿が、
鮮やかに緒方の目の裏をよぎって消えた。
                                     <終>



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