ダミアン 8
(8)
「…アリマセン」
ヒカルはワシとの対局を終えた。6子置かせたワシにもちろん勝った。
「ありがとうございました」
「ありがとうございますた」
碁石を片付けると、ヒカルは部屋の隅に裸で股間を押さえたまま、
体を丸めて横になっているダミアンのそばへ行った。スレの住人たちはもういない。
顔をのぞきこむと額に汗をにじませ、眉根を寄せて苦しそうにしている。
「…ダミアン」
ヒカルが声を掛けると、ダミアンはうっすらと目を開けた。
「ダミアン、…もうあんなことするなよ。約束な」
息も継げず苦しい表情のダミアンの顔に、さっと赤みが走る。
ヒカルは無邪気に笑いかけた。
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