守って!イゴレンジャー 8


(8)
ご自慢の攻撃をあっさりかわされた奈瀬の額に汗が滲む。
「あせっちゃダメ…ようし、こうなったら“生き生き詰碁ハンカチ”で
 縛り首にしてやる!」
棋院ロボの手に“生き生き詰碁ハンカチ”(定価700円)を繋いでつくった
“生き生き詰碁ロープ”が握られた!
棋院ロボはなげ縄の要領で、キューティの体をキュッと縛り上げる。
『むう……もっときつく縛ってくれ…』
元々味方意識が帝國一欠如しているオガタンは、
「いっそのこと亀甲縛りのまま簀巻きにして南港に沈めてほしいもんだ」
とキューティーの危機にクールな反応を示した。
「キューティーを縛るのは逆効果だよ〜」
そんな小生物アシワラーのアドバイスなど耳に届くはずもなく、
奈瀬は望みどおりにキューティーの体をさらに縛り上げた。
「…クッ、これでどうよ!」
『ああ…いい…うぅんもっと…もっと痛くして…ああん』
キューティーの口から漏れ出た喘ぎ声。
実はその魔声には電子回路を狂わせる音階が含まれているのだ!
『ンッ…ハアアッ…もっと、もっとだ…ハァハァ』
「何よ変態!──あれ?」
気が付けばコントロールパネルが赤く染まり、
ロボット内部の異常をしきりに警告しているではないか。
「ああっもう!こういうときこそグリーンの出番なのに、
 アイツってばどこにいるのよー」
実は2ちゃんねらーであるパソヲタ・グリーンは、
敵地からレッドを奪回すべく仲間二人と作戦を練っている最中だった。
「もし気付かれても、オレとイエローで追っ手をやっつけるから、
 ブルーは安心してレッドを担いで逃げてくれ」
「でもオレ、うまくやれる自信が…」
「ブルーって存在感ないからすぐには見つからないよ」
悪気はないと信じたい越智の言葉に、伊角はますます自信をなくし
呆然と人質のいる方角を見つめた。
だが、時も野心も待ってはくれない。
十代の性は暴走する為にあるのだ!
よし、と伊角は決意した。
伊角は愛しのレッドを無事に保護拉致監禁することが出来るのだろうか?
いよいよ次週より「伊角性春編」スタート!好手戦隊・イゴレンジャー!!



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