大人遊戯 8
(8)
「あのね、お母さん気持ち良いって何度も言ってたし、進藤くんがお母さんの役の方がいいよね?」
アキラのその言葉に、ようやく我に返ったヒカルは、しどろもどろになりながらも抗議した。
「お、男同士で出来るわけ無いじゃん!男と女は体のつくりが違うって習ったろ!?」
(なあ、佐為!そうだろ?男同士でセックスなんて、好き同士でもやっぱり無理だよな!?なあ?)
再び佐為に助けを求める。佐為は困ったような顔をして首を傾げる。やはり「セックス」と言う単語を知らないらしい。
(えっと…この流れでいくと、せっくすというのはまぐわいの意味でしょうか?男同士でもまぐわうことは出来ますよ)
(えっ?えっ?えーっ!?マジかよー…嘘じゃないだろうなっ!?佐為!)
(はい、私が生きていた時代にも虎次郎の時代にもありましたが…でも体験した事はないので…)
疑問は解けても不安が取り除かれたわけではなかったが、一先ず落ちつきを取り戻したヒカルはおずおずと口を開く。
「その…一応男同士でも出来るみたいだけど…でも本当に大丈夫なのかよ?オレ達子供だし…」
ヒカルがそう言うと、アキラは鞄から小さな瓶を取り出した。両親の寝室からこっそりと持ち出した物だと言う。
「お父さんはこれを使ってたんだ。きっとこの薬がセックスする時に必要な物に違いないと思う」
それは(主に熟年層等が)セックスの際、潤滑油代わりに使うゼリーだったのだが、アキラは少し勘違いをしていた。
「ふうん…まあ気持ち良いなら試してみてもいいかな…駄目だったら止めれば良いんだし」
「うん、大丈夫だよ。ボクちゃんと覚えてるから」
少年達はベッドの上で服を脱ぎ全裸になり向かい合って座る。お互いの未発達な身体が昼の光に照らされて白く映し出された。
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