平安幻想異聞録-異聞-<外伝> 81 - 82
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思い切って肉刀を突き入れた。
「あ…あぁぁっ!」
アキラに抱きしめられたヒカルの体が一気に収縮した。
入れられたそれだけで、ヒカルは精を放っていた。同時にきつく締め付けて
きたその肉の輪の感触に、アキラもまた、自分の中のものを放ってしまっていた。
早すぎる終わりにどうしたらいいのか戸惑うアキラにかまわず、ヒカルは肩で息を
つきながらも、腰をゆらして続きをねだる。
その動きに、アキラのそれはすぐに力を取り戻し、ヒカルの中で固く自己を主張
しだした。
まだやっと尖端の雁首が入っただけのそれを、アキラはゆっくりと奥に押し進める。
肉刀を押し包む、筋肉の甘い感触に眩暈がしそうだ。
味わうようにじっとしていると、ヒカルがアキラの肩を抱きしめて頭を寄せ、
耳元に囁いた。
「動いて。少しずつ」
なるべくヒカルの希望に添うように、アキラはまず、ゆるゆると小刻みに中の
自身を抽挿してみると、ヒカルの男根も、開放したばかりだというのに、まるで
そんなことはなかったかのように再びきつく立ち上がった。
力を得たアキラが肉刀を奥に押し込むたびに、中の媚肉がそれに応えるように
締め付け、飲み込む息とともに、ヒカルの喉が何度も笛のようなか細い悲鳴を
あげた。――甘い悲鳴だった。
一度だけ、アキラは近衛ヒカルが、こんな蠱惑的な声を上げるのをきいたことが
ある。あれは二年も前。
賀茂の屋敷で二人きりで夜を迎え、呪の念によって放たれた淫邪の蛇に襲われた
時だ。だが、あの時聞いたどこか悲痛な響きのあった声とは比べることも出来ない
ほどの艶が、その喘ぎにはあった。
アキラは徐々に、腰の押し出しを強め、より深くへとその体を貫いていく。
ヒカルの腕が、アキラの背で何かを探すように動いていた。
また、下肢は妖しく揺れている。
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この段階では、既にああしろこうしろとアキラに指示するのもおっくうで、
ヒカルが自ら気持ちのよいところに当たるように腰を動かしているのがわかった。
「名前。名前、呼んで…」
ヒカルが薄く目を開けて、アキラを見ていた。
「ヒカル――」
「あ……」
名を呼べば、それでけで明らかに反応が違った。
「ヒカル」
「あ……あ……や……あっ……」
アキラがその内壁を突けば突くだけ、抑えきれないよがり声が、ポロポロとその
口からこぼれて落ちる。
睫毛を露に濡らしてヒカルは横を向くと、下に敷かれた衣の端を口に含んだ。
それで声は抑えられたが、目の前の白い首筋が波打つ様は、実際に声を耳にする
以上に、アキラの官能を刺激した。自然と、打ち付ける腰の動きは強く速くなる。
「んっ、んっ、んんっっ…、ん」
「ヒカル……」
「んっっ! んっ」
「ヒカル、ヒカル……!」
「ん…、ぅんんっっ、ん!んん!」
互いの実が限界を迎えて弾ける直前、唐突にヒカルはそれまできつく噛んでいた
布を放すと、強引な程の力でアキラの顔を引き寄せ、唇を重ねてきた。アキラも
夢中になって、その唇を吸い上げていた。
最初に頂点の地を踏んだのはアキラだ。
アキラが吐きだした樹液の熱さを中で受け止めて、ヒカルがその後を追った。
「ん―――っ!んっ!」
淫液がアキラの腹を濡らした。
ヒカルの体が足の爪先までつっぱって、腕の中から逃れそうになるのをアキラは
力を込めて抱き留める。
彼の口から上がった淫声を外に漏らすのがもったいないような気がして、
より唇の交わりを深くする。
自分の下で、ヒカルの体がゆっくりと力を失っていくのがわかった。
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