初めての体験 82 - 84


(82)
 「うわあぁぁぁん!」
ヒカルは、いきなり机に突っ伏して大泣きした。岸本はびっくりして、ヒカルのもとに駆け寄った。
周りの大人達も二人に注目していた。
「ど…どうしたんだ?」
「だって、岸本さん…意地悪ばかり言うんだもん…オレだって…塔矢と打ちたいのに…」
ヒカルがしゃくり上げながら、訴えた。涙を溜めた大きな瞳で、岸本を上目遣いにじっと見つめた。
 その視線が、岸本の腹にズシリと来た。自分の身体の変化に岸本は狼狽えた。ヒカルを
慰めるための言葉も思いつかない。
 「気持ち悪い…」
岸本が逡巡しているのを見て、ヒカルが大げさに餌付いて見せた。如何にも、泣きすぎて、
気分が悪くなったと言わんばかりだ。
「大丈夫か?進藤。」
岸本がハッとして、ヒカルの背中をさすりながら、顔を近づけてきた。ヒカルは、
周りを素早く見回すと、岸本の唇にチュッとキスをした。そして、驚きのあまり声も出ない
彼の耳元で、そっと囁いた。
 「二人きりになりたいな…」
岸本の胸に凭れ掛かり、反応を窺う。岸本の心臓の鼓動が、ヒカルの耳に響いた。
『いける…!』
ヒカルは、確信した。
「岸本さん…オレ…吐きそう…お願い…トイレへ連れていって…」
掠れた声で、甘えるようにねだった。岸本は、ヒカルの肩を抱くと、支えるようにして、
トイレに連れていった。ヒカルの肩に置かれたその手は、微かに震えていた。


(83)
 トイレの鍵をかけると、岸本の方から積極的にヒカルを抱きしめた。もどかしげに、
自身の眼鏡を剥ぎ取ると、ヒカルのふっくらした頬や、ちょこんと真ん中にある鼻の頭、
愛らしい唇にキスの雨を降らせた。
 背中に回された手は、ヒカルの腰や、太股を絶え間なく、さすっている。
「ああ…や…待って…待ってよ…」
ヒカルが堪らず、悲鳴を上げた。岸本は、聞こえているのかいないのか、ヒカルの喉元に
舌を這わせながらも、その手を休ませない。ヒカルの腰を抱きながら、トレーナーを捲り上げ、
滑らかな薄い胸の感触を楽しんでいる。
「ああん!」
岸本がヒカルの乳首を摘んだのだ。そのまま、押しつぶしたり、撫でたりして、ヒカルの
反応を楽しんでいる。
「やだ…あ…」
ヒカルの身体がピクピクと震える。
 ヒカルの甘い声に煽られるように、岸本の手が徐々に下へと移動した。ヒカルのジーンズの
ボタンを外し、下着と一緒にずり下ろした。まだ、幼いヒカル自身は、半ば勃ち上がり、
切なげに震えている。岸本は、それをやや乱暴にさすった。ヒカルの嬌声が、一層高くなった。


(84)
 「あぁ!だめ!ダメだよ!」
ヒカルが、突然激しく、抵抗した。岸本の指が、後ろに触れたのだ。
 ヒカルは、まだそこに生身のものを受け入れたことがない。今まで、見てきたモノの大きさや、
形、どれをとっても、とても、自分の中に収まるとは思えない。
『あんなの入れられたら、オレ死んじゃうよぉ』
それに、どうせだったら、最初はアキラがいいと密かに決めていた。アキラとだったら、
我慢できる。
 ヒカルは涙を目に滲ませて、岸本に懇願した。自分に押しつけられている岸本のモノは、
恐ろしいほど熱くなっている。
「お願い…そこはやだ…やめて…」
 岸本は、一旦手を止めた。どうしようかと迷っている様だった。泣いて訴えるヒカルが
可哀想に思えてきた。だが、自分の欲望を抑えることも出来ない。いや、ヒカルの涙を見て、
更に高ぶってしまった。
「そのかわり…」



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