平安幻想異聞録-異聞- 85 - 86
(85)
座間が応えた。見ればその股の間のものは、ヒカルが菅原に奉仕させられている間に
再び天に向かって屹立し、あからさまに不満を訴えていた。
まるでイボか何かのように太い血管が浮き出しているのさえ見てとれるそれは、
いっそ禍々しいほどだった。
「わしを満足させるには、まだまだ足らんよ検非違使殿」
後ろを向けと命じる座間に、ヒカルがしぶしぶ背中を向けると、いきなり
後ろから腰をつかまれ、前かがみに首を床に押し付けられた。
抵抗できないように、腕を伸ばされ床に強い力で縫い付けられる。
ちょうど猫が伸びをするような態勢だった。
「なにす……!」
そのヒカルの頭の上から、諭すような菅原の声が振ってきた。
「本来ならおまえのような下賤の生まれのものが目通りもかなわぬような座間様が、
おまえの下の鞘に、その見事な刀を収めて下さるというのだ。ありがたく思うがよいぞ」
「わしの刀は、今まで幾百の女も男も泣かせてきた業物よ、ありがたく受け取るがよい」
座間が自分のそそりたったモノをペチペチと叩く音がした。
そして、ヒカルが心の準備をする間もなく、ほぐされてもいないヒカルの「鞘」に、
座間の「刀」が一気に差し込まれた。
ヒカルの悲鳴があがった。
それはまさに刀だった。鍛えるために火にくべられ、炎の中から取りだされたばかりの
灼熱の鋼の刀が、ヒカルの体を刺し貫いた。
身を切り裂かれる苦痛にヒカルの全身から汗が噴きだした。
(86)
座間が力強く腰を振りヒカルの「鞘」に収めたそれで中を責めだす。
「うっう゛……く……」
無理矢理ねじ開けられた体が、痛みに苦悶の声をあげる。
それは確かに、始めには純粋な苦痛のみの理由で発せられていたヒカルの喘ぎ声だった。
だが女にも男にも百戦錬磨を豪語する座間は勝手知ったるもの。
男をよがらせることなど簡単だといわんばかりに、的確に、ヒカルの一番弱い場所、
薄い壁の向こうに前立腺が通る場所のあたりを責め上げてくる。
その手慣れた座間の手管に、人の体の悲しさか、自分の声にも徐々に甘いものが
含まれてくるのがヒカル自身にも自覚できて、必死で歯を食いしばった。
「おお、これじゃ、この味を手に入れたかったのよ」
声を座間に聞かすまいと体に力を入れたヒカルは、無意識に下に飲み込んだ
座間のモノをきつく締めつけていた。
「今まで幾人もの稚児のここを喰ろうて来たが、ここまで締まるものは
なかなかなかったわい」
「育ちの卑しさも時には、思わぬ所で役に立つものですなぁ」
「おうよ。幼い頃からその見目のよさを買われ、それ用に育てられる分、
稚児の体は女子のように柔らかく、性根も素直だが…」
ヒカルの腰を掴んで深く犯しながら、座間が息を荒げる。
「物足りん。甘やかされて育てられた体は締まり具合も中途半端じゃ。
だがその点、検非違使となれば、毎日毎朝、剣の鍛練もかかさんのじゃろう。ん?」
問い詰めるように強くこすり上げられて、ヒカルが、思わず高い喘ぎをもらした。
「鍛えられた体はここの締めつけ具合も稚児など問題にならぬ強さよ。体も
柔らかいばかりでなく、なんともしなやかで気持ちよいしのう」
そう言って座間は、広げた手のひらで味わうように、少年らしい伸びやかな
筋肉の付きかたをしたヒカルの腰と腿をなで回す。
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