初めての体験 85 - 88


(85)
 ヒカルは岸本の前に跪くと、ズボンのファスナーを下ろし、中のモノを取り出した。
それを手で優しくさすると、自分の唇を近づけた。先端にそっと口づけをした。
「!!」
岸本の身体に電気が走った。ヒカルは尚も優しく愛撫を続ける。先っぽだけを口に含み、
舌先でくすぐる。その間も、両の手で、岸本の竿の部分をさすりあげた。ヒカルの口の中の
岸本が大きくなった。ヒカルは、その小さな口で出来るだけ奥まで、呑み込もうとしたが、
苦しくて上手くいかない。
 拙いながらも、懸命に奉仕するヒカルを見て、岸本の鼓動が早くなる。ヒカルの赤い舌先が、
岸本を愛撫するのを見るだけで、堪らなかった。
 岸本の限界が近いことを悟ったヒカルは、自分自身にも手を這わせた。岸本への愛撫に
あわせて、自分のものを擦りあげる。
「うぅ!」
「んんん――――――――」
ヒカルが達したとき、岸本もヒカルの口の中に放った。





 「オレ、どうだった?」
岸本を先に帰し、ヒカルは衣服を整えながら、後ろに立っている佐為に訊ねた。
「だいぶ上達しましたよ。でも、もっと鍛えないとダメですね…」
「う…でも、苦しくて奥まで飲み込めねぇよ…おいしいもんじゃねえし…」
ヒカルがしょんぼりと項垂れた。
「まあ…そのうち出来るようになりますよ。頑張りましょう。」
佐為の励ましに、ヒカルは大きく頷いた。
「オレ、もっと強くなって、塔矢と打てるように、頑張るよ!」
「そうと決まれば、まずは院生試験の申し込みだ!」
 ヒカルは、元気良く碁会所を後にした。

<終>


(86)
 「もう泣きやんでください…」
佐為が、泣いているヒカルにおろおろと声をかけた。ヒカルは泣きやむどころか、ますます、
声を上げて、大泣きした。
 泣くなと言われても、涙が止まらない。泣いて当然なのだ。なぜなら、ヒカルのささやかな望みは、
儚くも砕け散ってしまったのだから…。


 ヒカルは、アキラを追いかけるべく、院生試験を受けることにした。それを三谷に告げたところ、
思わぬ事態になってしまった。
 三谷に責められ、返す言葉もないヒカルに助け船を出してくれたのは、加賀だった。
三面打ちで自分の実力を見せ、さあ、院生試験へと思ったヒカルを加賀はいきなり、
実験台の上に押し倒した。
「な…!何すんだよ!加賀!」
ヒカルはジタバタと暴れたが、加賀は、ヒカルを押さえ付ける腕に力を込め、身体ごとのし掛かった。
「お前を助けてやったんだから、お礼くらいくれてもいいだろ?」
加賀は、ニヤリと笑って、ヒカルの愛らしい唇に口づけした。
 それまで、その場で固まっていた三谷や筒井達も、その光景にハッと我に返った。
「てめえ!」
「か…加賀!何してるんだよ!」
二人は、顔を真っ赤にして、加賀を止めようとした。あかり達も、加賀の思わぬ行為に動揺している。


(87)
 加賀は、二人をチラッと見ると、
「じゃあ…おめえらはやりたくねえんだな?これが最後のチャンスかもしれねえぜ…」
ゆっくりと言葉を吐いた。二人は、ぐっと答えに詰まった。
「やだ!やめてよ!加賀…味方じゃなかったのかよ?」
「それはそれ…これはこれだ…」
「やだよ…助けてよ…三谷…筒井さん…」
ヒカルが、大きな目に涙をいっぱい浮かべて、訴える。その涙が、かえって相手を煽ることに
ヒカルは気づいていない。
 先に覚悟を決めたのは、三谷だった。ヒカル達の側に近づくと、加賀の代わりに、ヒカルの
両腕を押さえ込んだ。ヒカルは、解剖されるカエルのように、身体を実験台の上に張り付けに
された。大きめの学生服の中でヒカルの身体は、泳いでいた。折り曲げられた制服の裾から、
見える手足が可愛らしい。加賀は、手際よく、ヒカルのその学生服のボタンを外していく。
 ヒカルは、狂ったように暴れた。身体を捻り、足をばたばたさせる。加賀が、チッと小さく
舌打ちをした。これでは、制服を破りかねない。
「おい!筒井!ボーっとしてねえで、こいつの足を押さえろ!」
放心していた筒井は、加賀の怒鳴り声で、状況を把握した。
 こうなったら……! 筒井は、加賀の言うとおりにヒカルの足を押さえ付けた。
「つ…筒井さん…!!」
ヒカルが、目を大きく見開いて、呆然と筒井を見た。筒井はそれを受け止めることができず、
視線を逸らした。


(88)
 信頼していた者達に裏切られたショックで、ヒカルの全身から力が抜けた。それでも、
弱々しく、何とか身体を捻ったり、腕を動かそうとしていた。シャツの前が開かれ、ヒカルの
白い胸や腹部が露わになった。そのまま、加賀は、ズボンのベルトに手を伸ばした。
 カチャカチャとベルトを外す音が、辺りに響いた。
「おっと…カーテンと入り口の鍵も掛けとかなきゃな…」
加賀が、夏目に顎を癪って命令した。夏目はあたふたとそれを実行した。
 それを見て頷くと加賀は改めて、ヒカルの服を脱がせることに専念した。しゅるしゅると
ズボンを下着ごと引き抜こうとしたが、上履きを履いたままだったので、踵の辺りで、
詰まってしまった。靴を脱がせ、邪魔な布きれをヒカルから剥がした。
 「たまんねえ…」
生唾を呑み込む音が聞こえた。薄い胸板やそこに色づく小さな突起…白い内股……。
視姦されていることに気づいたヒカルの身体が、羞恥の色に染まった。その姿の艶容なことと
言ったら…。
 加賀がヒカルの胸や腹を指でなぞった。ヒカルの身体が、ピクリと震えた。怯えたように
自分を見るヒカルの目を見据えたまま、加賀は、ヒカルの首筋に吸い付き、そのまま、胸へと移動した。
「やぁ…やだ…あ…はぁ…ん…」
ヒカルが、小さく喘いだ。胸を舌で嬲られ、ヒカルが断続的に悲鳴を上げる。乳首を吸われ、
ヒカルは、完全に加賀に屈した。もう、抵抗できない。
「あ…ああん…」
三谷の手が、首筋や胸元を撫で、筒井がヒカルの腿に唇を這わせた。
 ヒカルは助けを求めて、すがるようにあかり達の方を見た。だが、あかりと津田は
ぺたんと床に座り込み、スカートを押さえて、膝をこすりつけるようにモゾモゾとしていた。
顔は、赤く目を潤ませ、口からは荒く吐息が吐かれている。夏目も同じような状態だ。
ヒカルの嬌態に欲情しているのだ。
『もう…ダメだ…』
ヒカルは、最後の希望が絶たれたのを感じた。



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