平安幻想異聞録-異聞- 87
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「ここも、…ここもよい」
「…ぅ………」
ヒカルが猫がノビをする姿勢のままクッと顎をそらせた。
「ここものう…」
座間が揺さぶられ続けるヒカルの背筋の中心にそって手を這わせ、
それが無防備に晒されたうなじにたどりついたのだ。
「まこと、よい味よ」
「よい品を手に入れられましたなぁ」
「うむ、手間暇かけたかいがあったわい」
座間はわざと、じっくりゆっくりと陽根を抜き差ししはじめた。ヒカルに、
誰が支配者なのか思い知らせるために。
「は……ぁ……っっ」
ヒカルは必死に息を殺す。
このまま流されてしまいたくない。
「ほう、この愛らしい検非違使殿は恥ずかしくて儂達によがる声を
聞かれたくないと見える。それもよいよい。鳴かぬ鳥を鳴かすのも、
男の甲斐性、閨の楽しみよ」
座間の抜き差しの速度が少しずつ速くなる。その熱い「刀」でヒカルの
弱いところを確実に切りつけてくる 。
「はんっ…んふッん……んぅ!……ふぁっ…」
押さえきれない嬌声が、ヒカルの腹の奥から込み上げて、外へ漏れ始める。
いやだ。このまますべて座間達の思い通りになるのは。
せめて、この目の前にに布団でも着物でもあれば、それを噛みしめて、少しは
声を抑える事ができるのに――。
その時、ヒカルが薄目をあけて、朦朧とした視界に見たものは、汗をしたたらせて
床板にすがりつこうとあがく、自分の腕だけだった。だから。
ヒカルは思いきり、自分の左の手首に噛みついた。
――ひとつぐらい、意地でも座間達の思い通りにならないことがあったって
いいじゃないか、畜生。
「ほう、この検非違使殿は、そこまでわし達にいい声を聞かせとうないか。
面白い、ますます面白いぞ!それでこそ、鳴かせ甲斐があるというものよ!」
座間はヒカルの鞘に、自分のものをがっちりと奥まで食ませると、急激に大きく
輪をえがくように掻き回した。右へ左へ。奥かと思うと、入り口で。
「んーーっ!っっっんっ!んんン!んんン!んん!!」
中の壁全体を豪根の棹をつかっていっぺんに刺激されて、ヒカルが悲鳴をあげた。
膨れ上がった座間のそれの血管さえコリコリと突起物のように、
内壁を様々な角度から抉る責め具の役割をしていた。
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