ウェルシュ・コーギー 9 - 10
(9)
あれ…?どうしたのかな?
いつもと違う。
「ふうん…とおやぁ…」
鼻から抜けるような声を出して甘えてみても、望んだ快感がもらえない。
「…?」
違和感に我に返ると、両腕が後ろ手に縛られている。
「な…に?」
朦朧とした頭で自分の今の状態を把握しようとした。
下半身は裸で思い切り開脚させられている。反対から見れば何もかも丸見えだ。
しかしおかしいのはそこからで、両腕が後ろでひとつに縛られ、後ろにいたはずの塔矢がいない。
代わりに背中には壁があり、そこにもたれかかるような体勢を取らされていた。
「とうや…?」
塔矢を探すと、すぐ横に微笑みをたたえた彼がいた。
オレは早く塔矢にしてもらいたくて、抗議しようとしたけど上手く体に力が入らない。
と、さっきまで寝ていたはずのポチが目をキラキラさせながらこっちを見ているのに気がついた。
「ポチ、GO!」
塔矢の涼やかな声が部屋に響いた。
「え…何?」
その声を聞いたポチは嬉しそうにオレの股間めがけて走って来た。
「ひゃっ!!」
あまりのことにものすごく間抜けな声を上げてしまった。
だって、ポチはそのままオレの股間にその可愛らしい顔を埋め、
快感を求めて立ちはじめていたオレ自身をペロペロ舐め始めたのだ。
(10)
「…っ…!…!!」
声にならない。
刺激を待ちわびたペニスは、子犬からのせわしない愛撫(?)にたまらず
正直な反応を示し始めた。
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ…。
「はぁっ…!やぁ!…っ!…ぁン!」
勃起したそれは、押し寄せる快感にふるふる震える。
恐ろしいことに、ポチは、小さな舌先で、可愛い鼻先で、オレのイイところを的確に舐め上げてくる。
こんな、こんなことって。オレ…子犬に犯されてる?
そんなことを思ったのも一瞬で、一気に登りつめさせられたオレは
目の前が真っ白になって、びくびくと白い精を吐き出した。
「はぁ…はぁ…」
己の荒い息で我に返ると、そこにはちょこんとお座りをして得意げな顔をしたポチがいた。
どう除けたのか、その体にはオレが吐き出してしまったモノがどこにも付いていなかった。
よかった。危うく子犬に顔射してしまうところだった…。
って、そんなこと心配してる場合じゃないだろう。
ふと気がつくと、塔矢がうっとりとした顔でオレを見つめてる。
「進藤…可愛いよ…」
その手にはしっかりとデジカメが握られていた。
こいつまさか…。
「可愛い子犬がキミの可愛いアソコを舐め上げて責め立てる姿…
快感にたまらなくなって目尻に溜まった涙。喘ぐ唇。桜色に上気した
白い肌。ああ、なんて倒錯的な光景なんだ。最高だよ、進藤…」
塔矢の目がイっちゃってる…。
前から変態だとは思ってたけど、こいつにそんな趣味があったとは。
オレは相当ヤバイ奴を選んでしまったのかもしれない…。
|