平安幻想異聞録-異聞- 9 - 10
(9)
「う…うっ……うん………あ…」
座間は感じ始めたヒカルに気をよくして、ますます激しく腰を振り立てた。
ヒカルの体の中心のモノも、いまは完全に立ち上がり、
自分の上の座間の腹にこすられている状態だ。
右に左に強く弱く、1番感じやすい場所をを、様々な角度から熱い槍で突かれて、
そのたびにヒカルは短い悲鳴のようなあえぎ声をあげた。
もはや、その喘ぎ声を止めようとさえしていない様子だった。
おまけにそこを攻撃されるつどに、
ヒカルがビクリビクリと秘門の入り口をきつく締め上げるものだから、
座間はそのヒカルの内壁に締めつけられる快感を、少しでも
多く得ようと執拗に攻め立てる。
「良き味じゃ、良き味じゃ」
自分の上で、座間がそう言ってはしゃぐのを、ヒカルは朦朧とした意識のうちで聞いていた。
声が出てるのは知っていたし、
それが更に座間を喜ばしているのもわかっていたけれど、
もう自分ではどうしょうもなかった。
座間の腰の動きがさらに強く乱暴になった。終局が近づいているのだ。
1番感じる箇所が、さらにひと突きごとに強く圧迫される。
「うっ、うぅっ、う〜〜〜っっ!」
ヒカルは座間の最後の攻めに首をふりたて、さるぐつわを噛まされた口で
くぐもった悲鳴をあげる。
次の瞬間、ヒカルは我慢することもなく、精を外に解き放っていた。
ほとんど同時に座間も熱槍をきつく締めつけられ、その熱い体液をヒカルの中に解き放つ。
ぐったりと体を弛緩させたヒカルの上で、座間は肩で荒い息をついていた。
「ふぅー、ふぅー、この小僧、儂をここまで消耗させるとは、
初めてにしてはなかなかやるではないか。
まこと、このまま佐為の元に返すには惜しい、惜しいぞ」
「ほう、百戦錬磨の座間様にそこまで言わせるとは、ただの検非違使ふぜいと思いきや、
たいした器ですな。佐為殿に話してゆずらせますか?」
そういう菅原に、座間は息を整えながらニヤリと笑い返した。
「いやいや、今この場で、わしのことが忘れられぬよう、この体に刻みこんでやるわい」
意識を手放しかけていたヒカルは、まだ自分の中にある座間のモノがふたたび
ズクリと熱を持ち固くなるのを感じた。
(10)
(いやだ!)
ヒカルが抵抗しようと思う間もなく、ふたたび座間の陽物が中でゆっくり動き始める。
それは先程のように、強く蹂躙する動きではなく、
じっくりと肉壁を味わうような動きだった。
すでに固さも太さも取り戻した座間の肉鉾に、反抗心より先に
身のすくむような怯えを感じた自分を、ヒカルは恥じた。
せめて腕の一本でも自由になれば、その手を座間の首にかけて
くびり殺してやることも出来るのに…あるいは、座間の腰の太刀に手を伸ばし…
だが、ヒカルがそんなことを考えていられたのもそこまでだった。
内壁の最も性感が固まっている部分を、座間が自分の固いもので
グイグイと圧迫してきたのだ。
頭までズンズンと突き抜けるようにそこから送りだされる快楽の波に、
ヒカルは思わず息をつめる。
先程まで、乱暴にヒカルの中を行き来していた座間の陽物は今度は入念さを持って、
肌の上を這っていた手は奥底の快感を掘り起こすような淫猥さをもって動き始める。
ヒカル自身の意志とは裏腹に、ずっと刺激され続けていたヒカルの内壁は、
熱をもって、更に次の刺激を待ち受けていた。
座間の思い通りにはなるまいと、ヒカルは跳ねる体をおさえようとするが、
その打ち寄せる波のように意識を侵食してくる感覚に、ヒカルの中心はすでに頭をもたげ始めていた。
せめて先程のようには声をあげるものかと、ヒカルは必死で奥歯を噛みあわせ、
腹の奥からこみあげるものに耐えようとまゆ根を寄せたが、その表情さえ、
座間を楽しませるだけだったらしい。
「はてさて、どうやら、せめてもの意地で声だけはあげぬつもりと見えるな、
この愛らしい検非違使殿は。
その意地がどこまで持つか、ためさせてもらうとしよう」
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