失着点 9 - 10


(9)
もう片方へと、アキラは儀式を続けようとした。
「と、塔矢…!」
ヒカルに呼ばれ、アキラはヒカルの顔のそばに自分の顔を戻し軽く唇を吸って
返事をする。
「…何?」
「オ、オレもシャワー、浴びるよ。」
「いいんだよ。進藤は。」
そう言うともう一度ヒカルの唇を吸って、アキラは愛撫を続行した。
アキラの暴走を止めようとしたヒカルの思案は消されてしまった。
アキラはヒカルの両手首をしっかり腰の両脇に押さえ付け、
自分の行為でヒカルを追い詰める様を楽しんでいるかのようだった。
実際、神経が繋がっているかのように、乳首を刺激される度ヒカルの下腹部も
また、少しずつ限界に近い質量へ導かれていく。
そうしてアキラは次にみぞおち、へそへと愛撫の位置を下げていった。
「塔矢、待てよ…!」
ほとんど哀願に近い声をヒカルは上げた。
アキラの次の目標は明らかだった。もちろん、ヒカルの言葉は無視された。
アキラの舌先がヒカルの先端に触れた時、ヒカルは悲鳴まじりの息を吐いた。
「くあっ…はっ!」
乳首の時より何倍もの刺激が、背骨を走った。


(10)
「んっ…んっ…!」
上半身をのけぞらして何とか刺激から逃れようとするヒカルの両手首を、
アキラは強い力で押さえ続け、その部分への愛撫を集中的に続けた。
「塔矢…!やめ…!」
先端から根元へ、根元から先端へと舌を這わし、固くならない部分にも
キスを繰り返す。
信じられない。どうかしている。塔矢も、そして自分も。
シャワーを使っていないことが羞恥心を、力で抗いきれない事が屈辱感を
増幅させ、それがさらに感覚を鋭くさせる。
優しいキスを繰り返していた時とは別人のようにアキラはヒカル自身を全て
口に含み、執拗に、より強く刺激を加え続ける。
長く十分な愛撫にさらされて来たヒカルの体は、急速に限界を迎えた。
「塔矢!だめ…っ!!あっ…、んんっ!!」
ヒカルの脳内が真っ白に弾けた。
咽の奥に体温に近い液体を受け止め、アキラはそれを飲み下した。
まるでそうする事が当然のように。
ヒカルの両手を解放し、アキラはその部分に優しいキスを与えてきた。
ヒカルはようやく自由になった片手で自分の髪を掴み片手で額の汗と共に
頬に流れ出た涙を拭った。どうかしている。オレ達は。
そんなヒカルを慰めるようにアキラが顔を寄せて来て唇を吸う。
そしてヒカルの耳元で囁くようにして言った。
「ごめん…、ヒカル。でも、もう少しだけガマンして欲しいんだ。」



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