ほしいまま-欲儘- 9 - 10
(9)
オレも塔矢も、後はさっきしゃぶりあってた時と同じだった。
お互い自分の快楽を追うのに夢中になって腰を振って、相手が気持ちいいかなんて
気にしない。実際に気にするどころじゃない。
もっと深く、もっと奥へと塔矢を導き入れる。
もっと塔矢を飲み込もうとして、腰を揺する度に、
火のように熱いあいつのそれがオレの中のいろんなところに当たって、
熱をまき散らし、知らないうちに、声が上がっている。
いい所にあたった瞬間の塔矢の熱さがもっと欲しくて、塔矢が腰を引くのを
名残惜しく追いかけて、腰を揺する。
そのままできるんなら塔矢の全部を自分の中に入れて、逃がしたくなかった。
(10)
欲しい。欲しいんだ、もっと。熱いお前が。
体の中の熱よりも、そうやってお前がオレに熱くなってるのをみるのは
めちゃくちゃ気持ちがいいんだ。
体の中全部がそんな塔矢に満たされればいい。
ほんとに、いっそ塔矢を喰っちまおうか。
オレは上半身を倒すと、塔矢の肩に噛みついた。
さっき、しりに噛みつかれたお返しだ。
塔矢もオレの反対側の肩に噛みついた。
なんだかこうなると、犬のケンカみたいだな。
塔矢の手がオレの後頭部に回り、髪の毛を掴んだ。
次の瞬間には、乱暴に体勢が入れ替えられ、オレは塔矢の下に組み敷かれていた。
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