Birtday Night 9
(9)
「――雪、ひどくなってきたな」
窓の外を見て、進藤が言った。
視界が白く染まっている。かなり吹雪いているようだ。
こりゃ帰れそうにないな…呟いた進藤に 「泊まっていけばいいよ」 ボクは言った。
進藤の表情がパッと明るくなる。
「えっ、いいのか? ラッキー! …あ、でも今日は塔矢先生達いないんだっけ?」
進藤は遠慮したような口ぶりになって、
「あー、じゃあ、隣りの部屋使わせてもらうわ。客用の布団借りていいか?」
「――いいよ、ここで。一緒に寝よう」
進藤は一瞬ぽかんとして、次に驚いたように目を見開いた。
「と、塔矢…それって?」
訊き返してくる。
ボクは伏せ目がちになりながら、
「キミと一緒にいたいんだ」
二人っきりで夜を過ごしたことはまだなかった。
今日、初めてキスをして、少し早い気もするけれど。
でもボクは自分の気持ちを受け入れてしまったから。もう大丈夫だから。
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