恋 Part 4 9
(9)
下から突き上げるだけでは満足できなくて、僕は進籐の腰を掴んだ手に力をこめる。
突き上げる時、引き寄せ、腰を落とす時、引き上げる。
長いストロークから生まれる快美感に、僕は固く目を閉じる。
一秒でも長く、これを味わいたい。
そう願っても、頂点はやってくる。
僕の下腹部に集まっていた疼きは、既に滾る熱と変わり、爆ぜる寸前だった。
僕は薄く目を開けると、進籐に囁いた。
「一緒に……」
右手を腰から離し、進籐のペニスに伸ばす。
天を仰ぎ、先端から溢れる汁で、それはしとどに濡れていた。
進籐が感じてくれている証拠に、僕の胸はたまらないほどの愛しさで一杯になる。
優しく触れたつもりだ。
軽く握りこみ、指で輪を作り、上下に動かした。
「うあっ!」
進籐が驚いたような声をあげたのと、僕の右手をはらったのは、ほとんど同時だった。
僕は、目を見開いた。が、すぐに目を瞑る。
進籐が、僕を食い千切りそうな勢いで締め上げたのだ。
ドクンと体の中で、大きく鼓動が弾けた。
「くっ!」
強すぎる刺激に逆らえるはずはなかった。
僕は、進籐の中に、熱く滾る白濁を吐きだしていた。
一人で達してしまったのだ。
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