弄ばれたい御衣黄桜下の翻弄覗き夜話 9


(9)
雄の表情になった門脇が、後ろからヒカルを抱えるようにして、その乳首を
左右交互に、潰すようにこねる。
同時に、自分の太股を、何度も強くヒカルの尻の割れ目に押し付けるように
往復させる。
自分の両足の間深くに食い込んだ男の足に与えられる快楽に最初、ヒカルは、
ひとつふたつ悲鳴をこぼしたが、門脇が「隣りに聞こえるぜ」と囁くと、それだけで
唇を噛んで静かになった。だが、股間を足でより強く摺り上げられるたびに、喉の
奥、空気を飲み込むような低い喘ぎがおこるのを、門脇は聞き逃さない。
手は更に、ヒカルの乳首を二本の指で挟んで、引っ張ったりこすったりしていた。
(入れてぇなぁ)
しかし、男相手にどうしたらいいのだろう。門脇は女相手の知識なら、それなりに
豊富な自信はあるが、男相手となると、聞きかじりの知識の断片が頭のほうぼうに
散らばっているのみで、まったく自信がない。
男同士でするなんて、想像するのも気味が悪かったから、聞くそばから忘れていっ
ていたというのもある。門脇は、今のこの自分の欲望を満足させるために、僅かに
残った知識を大急ぎで拾い集めた。
こんなことなら、この手の知識ももっと詳しくため込んでおくんだったと後悔し
たが、さすがに自分が男に入れたいなどと思う日が来るとは想像の埒外だったのだ。
ヒカルの手は、今はもう抵抗をやめて、門脇のジャケットを後ろ手にギュッと掴ん
でいる。
その手はむしろ、自分をこの先に誘っているように見えた。
門脇は心を決めた。
自分のジャケットを、指が白くなるほど強く掴んでいたヒカルの手を、強引に
開いて、外す。
股間を足で嬲られて、上体をガクガクさせていた体を、持ち上げるように芝生の
上に下ろし、組み敷く。
こうして仰向けに寝かせると、その華奢な体を青白い外灯が照らし出し、その頬が
すっかり上気しているのが、よく見て取れた。
ヒカルのズボンのジッパーを下ろし、デニム地のそれと一緒に下着も膝の上まで
引き下ろした。



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