初めての体験+Aside 9


(9)
 「あ…社…ゴメン…疲れただろ?」
漸く、社の存在を思い出したらしい。アキラが怖くてなかなか突っ込めなかったので、助かった。
「さ、行こ!」
言うが早いか、ヒカルは社の荷物を取り上げると、勝手知ったるとばかりにパタパタと
奥に駆けていった。
「あ、荷物やったら…オレが…進藤!」
―――――ちょお!!!進藤、置いていかんといて〜〜〜〜!
 社は、アキラと二人きりで玄関に取り残された。恐る恐るアキラを見た。
「どうぞ。上がって。」
アキラがニッコリと微笑んだ。一見、友好的だが………
「お、お邪魔します。」
顔を伏せるようにして、横をすり抜けようとしたときアキラがボソッと呟いた。
「ここに来るなんて良い度胸してるよね…しかも、進藤をポーター代わりにするなんて…」
ビックリして顔を上げた。アキラは先程と同じ柔和な笑みを浮かべている。目だけが
笑っていない。
「楽しい合宿になりそうだね。社君(強調)」
あ、あ、あ、悪魔や―――――――!
 社は走った。アキラの側にいるのが怖かった。
振り返ったらアカン!後ろを見たらオレは……
塩になるのか、悪魔の真の姿を目にするのか…自分でも何を考えているのかわからない。
それくらい必死だった。
 塔矢家の廊下は長い。だが、長いといっても何百メートルもあるわけではない。目的の
場所には、すぐに着いた。そこから、光が射しているような気がする。息せき切って中に飛び込んだ。
「あ、社。荷物ここに置いたからな。」
ヒカルが社に笑いかけた。心が安らぐ。まさに天使だった。



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