やりすぎ☆若゙キンマン〜ヒカルたん癒し系〜 9
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その頃ヒカルたんはパトロールをしつつ、若゙キンマンを探していた。
若゙キンマンに会うのは正直怖かった。だがこうする以外、自分の体の異変を解消する方法
などないと思ったのだ。
昨日若゙キンマンがいた湖や森などをヒカルたんはくまなく飛び回る。だが見つけるどころ
か手がかり一つ得られなかった。
ヒカルたんは上空からではなく、歩いて探そうと森へ降り立った。
「あ、雨だ」
数分も経たないうちに突然激しい雨が降り出し、ヒカルたんは雨宿りをする場所を探した。
するとちょうど洞穴を見つけ、ヒカルたんはそこに逃げ込んだ。
スコールのようなどしゃ降りに、一刻も早く若゙キンマンを見つけたかったヒカルたんは苛
立ちを感じた。だが同時に若゙キンマンに会う心の準備ができていなかったので安心した。
雨音を聞きながら、ヒカルたんは自分の唇をなぞった。昨日自分は若゙キンマンとキスをし
た。だがそのキスはヒカルたんに疑問を抱かせていた。あんなにも激しいキスをトーマス
以外としたことなどなかったはずなのに、初めてじゃない気がするのはなぜだろう。ヒカ
ルたんはそう思いながら唇をなぞり、目を閉じてあの時のキスを思い出していた。
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