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(9)
………すぐそばで誰かがクスクスわらってる。
はっきりしない囁き声が、誰かにヒソヒソと言っている。
(みろよ、こいつ感じやすいみたいだぜ)
(女、みたいな顔してるもんな)
と返したヒソヒソ声はイヤラシイ響きを帯びている。
どちらも、聞き覚えのない声だった。いや、聞いたこともあるような…やっぱりわからない。どちらにしろ頭がぼんやりしていて……
「んっ」
と息が鼻から抜けてった。体の中をゾクンッと電気ショックみたいなのが走ったせいだ。それは何度も何度も、繰り返し体の中を走り、その度にジワンッて感じの甘いしびれが広がって、すごくイイ。
「ん……んっ……ん〜……」
(ふふっ、ほら、感じてるぜ。特に右がイイらしいな。)
俺ははっきりしない意識の中で身悶えた。
あっ、だっだめ、そこは舐めないでっ……
「あんっ」
しまった。声がでちゃった。一体誰がこんなこと…
ヒカルは重たい頭を持ち上げて声の主を確かめようとした。
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