平安幻想異聞録-異聞- 91


(91)
その日の朝、出仕する佐為を迎えに来たのは、片桐という青年検非違使だった。
聞けば検非違使庁から、今日から近衛ヒカルのかわりに佐為殿の警護をするようにと
申しつかったという。
(どういう事なのだろう?このところヒカルはあの騒ぎせいで病欠が続いたから、
 そのせいだろうか)
一昨日、賀茂家の屋敷にヒカルを預けたが、アキラからもヒカルからも
それきり連絡がない。
昨日なんの音沙汰もないのに焦れて、仕事のある自分に代わり、人を使いにやった。
使いにやったその者は、賀茂邸の扉はきつく閉ざされ、人の気配がしなかった
と佐為に伝えた。
佐為はそれをけげんに感じたが、
(何か祓いの儀式などの最中なのかもしれない、何かあったら賀茂殿が
 連絡をよこすはず)
佐為は賀茂アキラの力を信用していたし、陰陽道では、大きな祓いの儀式をする時は、
そういった人払いをすることがあるのも知っていたから、とにかく一日静観していた。
その時は、佐為自身も、その一日の静観が大きな取り返しのつかないものになろうとは
思いもしなかったが。
そして今日、ヒカルの身を案じながら気もそぞろに内裏に出仕し、そこであの
信じられない光景を見たのである。
帝の囲碁指南にもろくに身が入らず、
「そのように、上の空であるなら、もうよい!」と叱責を受けた。
碁を打っていて、こんなことなど初めてだった。
帰り道、内裏の廊下を歩いていても、女房達のうわさ話が耳に入る。
更にその途中で呼び止められ、この噂の真相について、藤原行洋に申し開きに
行かなければならなくなった。



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