Linkage 91 - 95


(91)
 緒方は素直なアキラの態度に苦笑しながら、挑発するように語りかける。
「その辺の女より、昨日のアキラ君の方がよほど魅力的だったがね。それに……」
 紅潮したアキラの頬を指でなぞりながら、緒方は言葉を続けた。
「アキラ君だって満更嫌そうでもなかったじゃないか。薬の効果もあるんだろうが、
それにしたってオレが驚くほど情熱的な一面を垣間見せてくれたんだぜ……」
 高ぶる感情を抑えきれないのか、アキラの普段より赤い唇は微かに震え、緒方の顔を
をじっと見据える瞳は潤んでいる。
緒方は背凭れから身を起こすと、アキラの鼻先からほんの数センチの至近距離に顔を近づけた。
「……そんな風に見つめるから、オレは……」
 頬をなぞっていた指先で、アキラの細い顎を引き寄せると、静かに唇を重ねる。
(……オレの矜持なんて、所詮は芥子粒程度のものだな……)
 しばらく呆然として緒方のなすがままになっていたアキラが、ようやく抵抗しようとしたその瞬間、
緒方は一気にソファの背もたれにアキラを押さえ込んだ。


(92)
 小学生のアキラを押さえ込むことなど、緒方にとっては造作無いことだった。
むしろアキラを圧迫しすぎないよう力を加減することに神経を使う。
 しっとりと吸い付く柔らかなアキラの唇の感触に酔いしれる一方で、どこか
俯瞰的に自身の愚かで浅ましい行為を見つめる自分に気付き、緒方は内心苦笑
せずにはいられなかった。
(この忌々しい頭痛のせいか……)
 絶え間なく襲う鈍い痛みが、背徳の淵に沈もうとする緒方を否応なしに理性の
岸辺に引きずり上げる。
一方で、塞がれた唇の僅かな隙間から漏れるアキラの喘ぎにも似た吐息が、
ローレライさながらに緒方を再び欲望の水底へと陥れようとしていた。
 拮抗する理性と本能に翻弄される緒方の胸をアキラはなんとか両手で押し返す。
だが、それはささやかな抵抗に過ぎなかった。
緒方の圧倒的な力を前に、ゆるゆるとその手を落とすと、アキラは緒方の
シャツの脇腹部分を力無く掴んだ。


(93)
 緒方もそんなアキラを押さえ込む気はもはやない。
背中に片手を廻して抱き寄せると、アキラの歯列を割って舌先を滑り込ませた。
「……んっ……ふ…………んンッ!」
 絡め取ったアキラの舌の熱さは昨夜となんら遜色なく、その感触に緒方の
行為は徐々にエスカレートしていった。
互いの濡れた舌が絡まる音が室内に響く中、アキラの手は無意識のうちに
緒方の背中に回る。
(やれやれ……昨夜はどこまでが薬の効果だったんだい、アキラ君?)
 あまりにも素直なアキラの反応に、緒方はこみ上げてくる笑いを抑えきれ
なかった。
絡めていた舌を離すと、両手でアキラの頬を包み、互いの唇が触れるか触れ
ないかの距離で固定する。
「クックック。それがキミの本質なんだよ。オレの理性を吹き飛ばす、アキラ君の
本性ってヤツさ」
 そう言い様、緒方は再び唇を重ね、更に激しくアキラの口腔内を攻め立てる。
アキラは抵抗の意思表示をしようと、背中に回した手で緒方のシャツを精一杯
掴んだが、緒方にとってそれは抑圧された獣欲を解放するゴーサインの意味しか
持ち得なかった。


(94)
 制服のズボンは、細身のアキラにとって幅にかなりゆとりがあるものだった。
緒方はその裾からアキラの太股に片手を滑り込ませ、もう片方の手でスタンドカラーのジャケットの
ボタンを器用に外していく。
ジャケットの前を開け、下に着た薄く柔らかな海島綿のハイネックニットを力任せに捲り上げると、
そこかしこに昨晩の愛撫の痕跡を残す胸に唇を這わせた。
 太股と脇腹を執拗に掌でまさぐり、肌理細かく滑らかなアキラの肌の感触を存分に堪能しながら、
緒方はふと思う。
(……女とは明らかに違うな)
 昨晩もそう感じた。
薬の効果もあり、今より多少熱っぽく、汗で湿った肌ではあったが、女の肌特有のねっとりとした
感触とは明らかに異なるものだった。
(女の場合、肌というより肉の感触だ)
 緒方にとって、女とのセックスは単なる性欲解消の手段でしかない。
セックスにのめり込みはしても特定の女に執着したことなどなく、女の身体はセックスに供される
肉塊としか見なしていなかった。
まとわりつくようなしつこさを感じさせる女の皮膚は、その下に広がる脂肪の感触を彷彿とさせず
にはいられない。
痩身ながらも精悍な肉体を持つ緒方からすれば、セックスの最中、そんな女の身体に嫌悪感すら
抱くことも度々だった。
 だが、今抱いているアキラはそんな女達とは違う。
華奢ではあるが均整の取れた骨格、成長期のしなやかな筋肉を覆う薄い皮膚の透き通るほどに
繊細な白さ……。
(蠱惑的とはこういうことか……)
 改めて感心しながら、太股に這わせていた手を股間へと伸ばす。
そこには下着越しに熱を伝える猛り狂ったアキラのペニスがあった。


(95)
 硬く突き出した薄紅色の乳首を舌先で転がしながら、緒方はアキラのそそり立つ幹を下着の
上から軽くなぞる。
「…アッ…やンッ!……そこ…はっ……あア…」
 アキラはその刺激に身を捩らせながら、切なげな嬌声を上げた。
緒方はそんなアキラの胸から顔を上げると、股間から手を引き抜いた。
ソファの背凭れにぐったりと沈み込み、長い睫毛を震わせながら薄目を開けるアキラを抱き寄せ、
ジャケットとインナーをすっかり脱がせると、ベルトを抜き取り、ズボンの前を開ける。
「随分素直な坊やだな」
 クスクスと笑いながら、緒方はアキラの股間を撫でた。
アキラはぴくんと身体を震わせ、唇を噛み締める。
「アキラ君は、まだ自分でしたことはないのか?」
「……えっ……?」
 アキラは緒方の言葉の意味がわからず、思わず目を見開いた。
「こういう状態を自分で処理したことはないのかと訊いているのさ。マスターベーションのことだ」
「……じ…自分でって……そんなこと……」
 緒方は、そう言って真っ赤になって俯くアキラの右手を取ると、アキラ自身の股間に導いた。
「どうやら初めてのようだな。オレが指導するから、今ここでやってみないか?」
 白い下着を介し、硬くなったペニスに触れるアキラの手を無理矢理上下させ、刺激を加えさせる。
「…や………ふ…ぁアッ!」
 自らの手によって与えられる快楽に、アキラは顔を仰け反らせて喘いだ。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル