Linkage 95 - 96


(95)
 硬く突き出した薄紅色の乳首を舌先で転がしながら、緒方はアキラのそそり立つ幹を下着の
上から軽くなぞる。
「…アッ…やンッ!……そこ…はっ……あア…」
 アキラはその刺激に身を捩らせながら、切なげな嬌声を上げた。
緒方はそんなアキラの胸から顔を上げると、股間から手を引き抜いた。
ソファの背凭れにぐったりと沈み込み、長い睫毛を震わせながら薄目を開けるアキラを抱き寄せ、
ジャケットとインナーをすっかり脱がせると、ベルトを抜き取り、ズボンの前を開ける。
「随分素直な坊やだな」
 クスクスと笑いながら、緒方はアキラの股間を撫でた。
アキラはぴくんと身体を震わせ、唇を噛み締める。
「アキラ君は、まだ自分でしたことはないのか?」
「……えっ……?」
 アキラは緒方の言葉の意味がわからず、思わず目を見開いた。
「こういう状態を自分で処理したことはないのかと訊いているのさ。マスターベーションのことだ」
「……じ…自分でって……そんなこと……」
 緒方は、そう言って真っ赤になって俯くアキラの右手を取ると、アキラ自身の股間に導いた。
「どうやら初めてのようだな。オレが指導するから、今ここでやってみないか?」
 白い下着を介し、硬くなったペニスに触れるアキラの手を無理矢理上下させ、刺激を加えさせる。
「…や………ふ…ぁアッ!」
 自らの手によって与えられる快楽に、アキラは顔を仰け反らせて喘いだ。


(96)
 だが、更に行為を続けようとする緒方の手をなんとか振り払うと、その顔をキッと睨みつける。
「ハハ。そんな顔をするなよ、アキラ君。それじゃあ、オレが手本を示しておくかな」
 緒方はアキラのズボンと下着を強引に膝の上まで脱がせると、露わになったアキラのペニスを
手で扱き始めた。
陰茎を握り、リズミカルに上下させながら、先走りの液で濡れた亀頭の付け根から先端にかけてを
指先で丹念に刺激してやる。
「はァッ……ア…ぁんンッ!」
「アキラ君も、そろそろこういうことを覚えてもいいんじゃないかな?」
 緒方の手腕に、アキラは一溜まりもなかった。
アッという間に限界ぎりぎりのところまで上り詰める。
それを察知して、緒方の手は止まった。
「……ふッ…はァ………………?」
 肩で息をしながら、手を止めた緒方の顔を不安そうに見つめるアキラに、緒方は冷たく笑った。
「フィニッシュは自分でやってみたらどうだ?」
「……や…だ……できない………」
 緒方は再びアキラの右手を取ると、最後の瞬間を待ちわびる股間の隆起物にその手を添えさせた。
「このまま我慢できるなら、それはそれで構わんが……」
 アキラの手を離すと、ペニスの先端を軽く指先で弾く。
そんなごく僅かな刺激にも背を仰け反らせ、熱い嗚咽を漏らすアキラが、今の状態で我慢できる
はずもなかった。
羞恥心に頬を染め、唇を噛みながらも、アキラは自身の幹を包み込んだ手をスライドさせる。
「…ン……うゥッ!!」
 アキラは呻き声を上げて呆気なく射精した。
白濁した生暖かい液体がアキラの手や太股を濡らす。
「上出来だ。それでいいんだよ」
 アキラの果てる様子を眺めていた緒方は、そう言って笑うと、アキラの手に付いた精液を
丁寧に舐め取った。
そして、腰掛けていたソファから身を起こすと、テーブルを奥へ押し遣った。



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