初めての体験 96
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アキラの手が、ヒカルのシャツの下に滑り込んで、肌を撫でまわした。棋院で中断された
行為をもう一度初めからやり直す。ずっと、我慢していた分、少々、やり方が荒っぽく
なってしまう。アキラの激しい愛撫に、ヒカルは息を弾ませた。
「や…やだ…塔矢…痛い…もっと…やさしくして…おねがい…」
ヒカルの哀願に、アキラは我に返った。だが、優しくしようと思っても、ヒカルの肌の
感触や、耳元で聞こえる吐息や甘い声が、アキラの理性を一瞬で吹き飛ばしてしまう。
アキラは、ヒカルのトレーナーを下のシャツごと、胸元まで捲り上げた。白い胸に
可愛らしい飾りが二つ付いている。指先で触れてみた。
「あぁん…!」
ヒカルが声を上げた。もっと声を聞きたくて、胸の突起を指で弄った。摘んで引っ張る。
その度、ヒカルは身体を捩って、小さく声を上げた。
アキラは、邪魔な衣服をヒカルから、完全に剥ぎ取ってしまいたかった。乱暴に、
ヒカルのシャツを引っ張り、袖を抜いていく。ヒカルも逆らわず、アキラが脱がせ
易いように、身体を動かした。
アキラは、自分のセーターをテーブルの上に広げ、その上に、ヒカルを寝かせた。
今度は、下半身を脱がせにかかる。ベルトに手をかけ、外す。ヒカルは目を閉じて、
じっとしていた。ジーパンのファスナーを下ろす音が、やけに響いた。
靴も、靴下も、何もかもを剥がれ、ヒカルはテーブルの上に横たわっている。足だけ
下ろされ、爪先立ちになっている。アキラの視線を感じているのか身体は紅潮し、
瞳はギュッと閉じられ、手は堅く握りしめられている。身体も小刻みに震えていた。
寒いのか…それとも………出来るだけ、優しくしよう…。まあ、どこまでそうできるか
わからないけど…。ボクは、ひょっとして、ひょっとしたら…S…かもしれない…。
アキラは、自分も服を脱いで、ヒカルの胸に顔を伏せた。
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