
観た映画のコメント。
「化粧師」
監督 : 田中光敏 , 原作 : 石ノ森章太郎
出演 : 椎名桔平 , 菅野美穂 , 池脇千鶴 , 佐野史郎
評価 : ☆☆☆☆☆☆☆☆ 8
《 story 》
大正時代の初め、舞台は東京の下町。
女性たちを勇気づける一人の化粧師がいた。その名は小三馬。
あたかも時代は、女性の夜明け。『原始、女は太陽である』の青鞜の発刊、女優の出現など、女性解放の予感に満ちていた。
だが、一方で、化粧は、まだ大衆的にはなっていない。一部、上流階級の女性たち、あるいは、客商売の女性たちのものであった。 小三馬は、今で言えば、カリスマ化粧師である。
化粧の腕は抜群で、誰もがその技術に驚嘆する。自分で、薬草から化粧品を作る程のプロフェッショナルであり、そして小三馬に化粧して貰うと不思議にいいことがあるらしいのだ。しかし彼の評判には、偏屈で強情、金の亡者だと言う噂もある。果たして、どちらが本当なのか・・・
《 review 》
意外にも、かなり良かった。
今年観た中では(っと言っても、まだ数本程度だけど)、No.1の映画だ。
何がイイって、コレ!!!っていう大きなウリは無いのだけど、
良いな〜イイな〜ってのが積み重なって、大きな良さを生み出している感じ。
映像は、キレイだし、幻想的に見せてくれる。こういうのってハリウッド映画では、ほぼ無いから貴重だし、邦画の良さだろう。
終盤ちょっと驚く事実もあったり、展開も素晴らしい。難点は柴咲コウが出るシーンが、小三馬に"ある言葉"を言わせるためと、
さほど意味が無い事と、小三馬が乗る自転車が世界観と合わない事ぐらい。そんな些細な事を忘れさせてくれるぐらい全編に
[やさしさ]が溢れている映画でした。
written 2002.02.13
