
観た映画のコメント。
「ジェヴォーダンの獣」
監督 : クリストフ・ガンズ
出演 : サミュエル・ル・ビアン , ヴァンサン・カッセル , モニカ・ベルッチ
評価 : ☆☆☆☆☆☆☆☆ 8
《 story 》
1765年。国王は、ジェヴォーダン地方で殺毅を繰り返す野獣の正体を突き止めるため、若く知性溢れる自然科学者グレゴワール・デ・フロンサック(サミュエル・ル・ビアン)を送る。
フロンサックは、アメリカへ派遣された時に出会った先住民モホーク族の出身で、今は兄弟の誓いを立て行動を共にしているマニ(マーク・ダカスコス)を連れ、ジェヴォーダンへ赴いた。深い霧に守られたジェヴォーダンの山々、欝蒼と茂る森、荒れた岩肌、フロンサックとマニは本能的に神秘的な力の存在を感じる。そんなフロンサックとマニに、熱心に協力を申し出たのは、啓蒙家の貴族の若者マルキ・トマ・ダプシェ(ジェレミー・レニエ)だ。彼は、2人を歓迎し宴を催す。そこでフロンサックは、地元の貴族の令嬢で美しいマリアンヌ・デ・モランジアス(エミリエ・デュケンヌ)と出会い一目で恋に落ちる。マリアンヌには享楽的な兄のジャン=フランソワ・ド・モランジアス(ヴァンサン・カッセル)がいる。ジャンはこの大捕り物を楽しんでいるようだ。そうしている内、さらなる惨劇の知らせが届き、地元の人々は悪魔の仕業だと信じるようになった。マニの直感的な技に助けられながら、フロンサックは、野獣の正体を探り出そうとする。野獣は化け物? 狼? 正体が判らぬまま殺毅は続く・・・
《 review 》
かなり面白かった!
お約束の序盤は姿を表さない獣、中盤に入って多少姿を見せ、終盤にさしかかって全貌があらわになるって寸法。
中盤までは緊迫感と、実態が判らない興味で、じっくり観る事が出来た。
終わってみれば、ふぅ〜んって展開だったのが少し残念だが、現実的ではある。
ここからが、この映画の解釈なんだよって合図が入っている点も、それまでは歴史的な事実と捉えることが出来て判りやすい。
思ったよりも、かなりアクション要素が強くて、これはプラスに作用
していただろう。「ソウルキャリバー(ゲーム)」のような戦いを実写で観れるとは思ってもみなかったし、
獣を捕まえようとするシーンの緊迫感は驚異的だった。
そして、この映画の一番の要素は世界観と空気感だろう。特に森のシーンでの
澄んだ空気、漂う霧、滝の如く流れる雨等、そのシーン毎に、
なんだか見入ってしまうほど圧倒的な世界観が存在していて、引き込まれていった。
人物的にも魅力溢れるキャラクターが多かった。(多すぎて名前が混乱したりしたけど。)
だからこそ結末が少しイマイチでも面白く感じたのだろう。 良作だった♪

written 2002.02.27
