■四限目

手塚「皆さんこんにちは。大和部長への質問コーナー『教えて! 大和部長!!』四限目です。
本日も、寄せられた質問に大和部長が答えてくださいます」
(緊張しきった仏頂面のまま、棒読みする手塚)

大和「そんなに硬くならなくてもいいですよ、手塚君……変わってませんねえそういう生真面目なところ。
君の美点ですが、逆に欠点でもありますねえ……もう少し、楽にしていいんですよ?」

手塚「は、はい……! 解りました……!!!」
(と言いつつ背筋はぴんぴんに伸びているし表情も動きも硬い)

大和「本当にすみませんねえ。リハビリでお忙しいのに何回も呼んじゃって。
アシスタントに不足してまして……」
(頭をかきながら手塚に頭を下げる大和。一年不二(一応正規アシスタント)にまた逃げられたらしい)

手塚「い、いえ……部長のお役に立てるのなら、いつでも呼んで下さい!!」

大和「ありがとうございます。それと、何回か言ってますけど、今の部長は君なんですよ、手塚君?
いい加減、癖になっちゃってますねえ……」

手塚「すみません……俺の中では、部長は大和部長、貴方だけなんで……」
(手塚、さりげに爆弾発現)

大和「……手塚君……」
(ちょっと感激する大和。相変わらず二人の世界に入ろうとする二人)

大和「はっ……(我に返る)
いけないいけない、また不二君に突っ込まれるところでした……
とりあえず質問に入りましょうか」

手塚「は、はい……ではお読みします」


Q.「今の青学の主メンバーの髪型についてはどうお考えですか?」

大和「……と言っても、一年時からあんまり変わってる子っていませんよねえ。
河村君や乾君なんかはあのままですし、菊丸君はちょっと長めになったのかな?
不二君も昔からあのスタイルですが、彼は逆に二年前の方が少し長かったですねえ。
身長も低かったし、制服着てなかったら女の子とよく間違えられてましたよねえ」

手塚「そうですね、あの頃の不二は確かに女生徒みたいでした」
大和「……ていうか手塚君、不二君と始めて会った時、思いっきり間違えたって聞きましたけど」

手塚「………………(眉間の皺が深くなる)
あ、あれは、その……不二が体操服だったので……よく解らなかったんです……
色白だし、手足細いし、にこにこ笑ってるし……てっきり……」
(わずかに赤面しながら俯いてしどろもどろに答える手塚)

大和「……まあ、気持ちは解りますけどね……
(実は手塚君、結構面食いなんですよねえ……)
じゃあもしも、不二君が女の子だったとしたら、手塚君どう思います?」

手塚「! ど、どうって……そんなこと、あ、あるわけが……」
(手塚、挙動不審に←裏小説の不二女体化小説参照のこと)

大和「仮定の世界の話ですよ。不二君が女の子だったら、とても可愛らしかったでしょうねえ」
(そんな手塚の反応を楽しむ大和)

手塚「か、可愛いとか、愛しいとか、そんな………………」
(ついに黙り込んで喋らなくなってしまう手塚)

大和「……そ、そんなに真面目に黙り込まないでくださいね?
冗談ですってばー……そんな反応されるとこっちが困るんですけど……ああもう……
(……お互い両思いなのに、何か根本的にすれ違ってるんですよねえこの二人……)」
(慌てて手塚のフォローに回る大和(世話焼き))

大和「そうだ、話題を元に戻しましょう。そう言えば手塚君は前髪の分け目変えてるんですよね。
今の髪型もお似合いですけど、どうして変えたのですか?」

手塚「……いえ、あの……
以前の髪型だと左側が見え辛かったので……」
(なんとか気を取り直して、答える手塚)

大和「…………………………」
(ちょっと絶句。何と言っていいのか解らないまま探り出すように)
大和「えーと…………とすると、今は右側が見え難いでしょう?」

手塚「は、はい……そうなんです。よくお分かりですね。さすが大和部長……」
(驚きの後、尊敬の眼差し)

大和「…………………………。
(手塚君、相変わらず何処か抜けてますよねえ……少し心配です……)」
(手塚から顔を反らしながら溜息)

大和「脱線しましたね、すみません。今のみんなの髪型についてですよね。
やはり、二年経つと同じ髪型でも、少し大人びて感じますよねえ。
河村君や乾君、手塚君は男らしくなってるし、菊丸君や不二君なんかはオシャレになってますし。
皆、自分なりのスタイルを形作っていて、素敵だと思います。
越前君や桃白君、海堂君も自分らしさがありますしね。
髪型にも個性が現れてますよね。良い事です。こんなところですかねえ」

手塚「……あの、大和部長。失礼ですが、一人忘れています……」
大和「……え?」
手塚「……大石です」

大和「……あー……そーでしたねえ……」
(何とかコメント無しで飛ばそうと思ってたのに……と内心で毒づく)

大和「…………んー…………」
(何処か遠くに目をそらしながら)

大和「大石君ですか……ええと、その、あの……個性的で……
ファンタスティックかつデンジャラス、というなんとも言えない感じで……
エキセントリックで……どことなくアバンギャルドで……つまりシュールレアリズムなんですね……」
(額に脂汗が一筋)

大和「そう……水泳帽からはみ出た触角のような……
それがそこはかとなくただようパンクさ加減と表現しているというか……
また、どことなくアナーキーな感じがこう……その辺が絶妙で……というか……やっぱり個性的で……」
(言葉に詰まっているため、「個性的」を二回使ったことも気がついていない)

手塚「大石の髪型一つにそこまで考えているとは……さすが大和部長……
確かに、今の大石の髪型には、独特の美的感覚を必要とする気がします」

大和「……独特の美的感覚、ですよねえ。
ぶっちゃけ、何処がいいのか、凡人には理解できませんよねえ」
手塚「はい、確かに、不二の思考回路ぐらい理解できません」
(素直に『変』の一言が言えない二人)

大和「……ていうか、大石君、いつから……あの髪型なんですか?
一年生の時は普通に可愛らしかったと思うんですが……」
(手塚に恐る恐る尋ねてみる)

手塚「……二年の時に、一度、丸坊主にしていたんですが」
大和「……伸びたらアレだった、と言う訳ですか」
手塚「……アレでした」
(真面目に答える手塚。大和、ちょっと考え込む)

大和「悩みがあったら、僕に相談してくれればよかったのに、大石君……
いったいどんな酷い目にあったらあんな……」
(ほろりと流れる涙を拭う大和)

手塚「大石はあの髪型、かなり気に入っているようですが」

大和「……そ、そうなんですか?」

手塚「はい。頻繁に櫛で整えてますから。鏡も常備してますし」

大和「………………」

手塚「……時々鼻歌も歌ってます」

大和「あー……鼻歌ですか……へえ……」
(もう何も言えない大和)

A.「みんなそれぞれ、個性が出ていて良いと思います」


大和「思えばこれ……特定の人物限定な質問でしたよねえ……(遠い目)」

手塚「それでは、まとめに入ります。
質問は暫定的に九月末まで募集中です。六限目まではやりたいようです。
その後は皆様の反応と管理人のやる気で決まります。皆様の素朴な疑問、お待ちしています」
(腰の角度45度できっちり御辞儀する手塚)

手塚「では、俺はリハビリがあるので、お先に失礼します」
(大和に一礼して帰っていく手塚。エンディングテーマスタート)

大和「はい、お疲れ様でした、手塚君。また正規アシスタントがお休みのときは、お呼びしますね〜。
では、皆様からの質問、お待ちしています〜」
(手を振る大和。流れつづけるエンディングテーマ……)

不二「……見てましたよ、全部」
(どこからともなく不二登場)

大和「あれ、不二君? 今ごろ来ても遅いですよ〜……って……」
不二「僕が断ったからって、手塚と二人っきりで何やってたんですか……!!」
(全身から立ち上るどす黒いオーラが憤怒の仁王象を形作る)

大和「も……もしかして、三年時魔王レベルMAX完全体攻バージョン……!?」
(生命体ならば何でも持っている原始的な防衛反応が働いて身構える大和)

不二「……ヒグマ落とし!!」
(何処からともなく取り出したラケットを振るい例のポーズを決める。バックには鮭を咥えたヒグマの象が浮かぶ)

大和「……!!」
(防御空しく、ボールのように宙に吹っ飛ばされる)

不二「天誅……」
(例のポーズのままそう呟く。大和がそのバックで地面にボトリと落ちる)

大和「………………」
(指が何か言うかのようにぴくりと動くが、それを最後に動かなくなる……)

不二「……」
(一度目を閉じるとさっと立ち上がり、血に濡れたラケットを握り締めながら満足げに微笑む不二)

(エンディングテーマが小さくなっていって……暗転)


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