ホープリル。古井戸其の弐。



2002/04/03(水) 20:30:34 三嶋 出雲
タイトル 武器  

「何にしよかー。目移りして選べぬ…」
 
 そういって沢山の色んな種類の武器を眺めながら呟く。

…イズモにはさぁ。なんか特技ってないのぉ?…

 手伝おうとしてくれているのか、ノフルが口を出す。
「特技…かぁ…」っと出雲は自分の記憶をたぐるかのように思い出すが

「無いなぁ」
…はい?何、出雲、能無し?…

 そういってカラカラ笑うノフルに「ちゃうわい!」っと出雲は
 怒ったように言う。ノフルはそれを聞いても相変わらず笑いを止めず
「ハイハイ」っと出雲あやすかのように言うと話しを続ける。

…わかってるよぅv出雲、逃げ足とか攻撃かわすのだけは得意だもんねぇ…
「なんでそーなるんや!」
…まぁまぁ、で?なんか、ホントに見当たらないのぉ?…

 ノフルがそう言うと出雲はまた「う〜ん」と考え込む。

「むー。無いって言うか…俺は大体の事は普通より上にできるからなぁ
 剣道とか、他にも色々できるでぇv」

 出雲は少々得意げに言ったが「あぁ…つまり器用貧乏ねぇ!」っという
 ノフルの言葉でイッキに落ちこむ。少し気にしているらしい。

「ええんや…どうせ俺は目だった特技も特徴も無い器用貧乏なんや…」
…まぁまぁ…ともかく武器!武器探さなきゃ!…

 そう言って笑いながら、出雲を急かした。

…これはどう?…

 そういってノフルが持ってきたのは透明な水晶のような球体だった。
 出雲はそれを受け取るがソレは想像していたような硬い感触ではなく
 弾力性のあるゴムボールのような感じだった。

「なんや…これ…」
…魔法がかかったボールなんだって。硬度が自分の意思だけで変えられて
 敵にぶつけても戻って来たり、色々面白そうだからv…
「…はぁ?」
…まぁいいジャンvチャレンジしてみようよぉ!迷ってたってきまんないよぉ…
「せやなぁ…まぁええか。」





2002/04/04(木) 14:59:58 ルナ
タイトル どれにしよー?  

「武器って言われてもなぁ・・。」
私はそんな事を言いながら回りにある様々な武器を見た。
私は格闘家だし。武器なんて必要ないもんな〜。
剣なんて使いこなせそうにないし。槍もちょっと〜。
斧だって重たそうだし、ヌンチャクはあんな風に振り回せないし。
どれもこれも私には向かない武器ばっか。

・・・ルナ!コレナンテドウ?・・・

イリフはそう言って一つの物を指さした。
「何・・これ?」
私には使い方、よく分かんないけどなんか尖った針みたいなもんが
ついてる。何かの武器?これって武器なのかな?

・・・コレハ格闘家ガツケル武器ダヨ 拳につけるアーマーミタイナモノ・・・

「へ〜。どれどれ。」
私はそう言って拳にはめてみた。なんかこれで殴られたら痛そ〜。

・・・ルナニハソレガピッタリダト思ウヨ・・・

イリフはそう言って私にかほいく微笑んだ。
「そうね。これにしよっかな♪」





2002/04/14(日) 22:25:10 三嶋 出雲
タイトル おいおいッ!  

「まって下さい二人とも。」
「はい?」
 構えていた二人の止めに入るコール。
 2人は少し唖然としながらも、コールの方を向く。
「その技、二人技と言う事はかなりの大技なんじゃないんですか?」
「ん、え、まぁ…そう…かな?」
 たより無さげにルナが言った。
「…だっららアカンやん!!お前等この洞窟ごと俺等生き埋めにする気かいな!」
「な、何バカな事いってんのよ!そんなのするわけないじゃないッ!」
「でも、この場所じゃそうなりかねないわね。」
 小春にも言われルナは黙り込む。
「でも、だったらどうしたらいいんだよ。
 向こうは待ってはくれそうにないしな…」
 凛耶がそう言った瞬間、その熊のようなモンスターが咆哮を上げる。
「…どうする。」
 そう言ってレイジェンはコールを見る。
「うまくいけばあのモンスターを闇の中に投じることができますが
 闇で作る穴は不安定なためココに居る全員を巻き込みかねません。」 
「じゃぁレインさんの水の力で!」
「水圧で攻撃すると言うなら止めたほうがいいですよ
 …あのモンスターの後ろに薬草があるわけですから
 押し倒したと同時に下敷きになる可能性がありますから。」





2002/04/17(水) 20:17:01 立木 小春
タイトル 怒り  



ルナと凛耶が戦闘体制に入ろうとした其の時

「まって下さい二人とも。」
「はい?」


何が何やら

コールの説明によると、ルナと凛耶の攻撃で
この洞窟が崩れ落ちる可能性があるらしい。

だったらどうしたら良いのよ? とばかりに
ルナは肩を竦めて振り返る。



「…こうなったら接近戦で行くしか無いだろう」

片手剣を握った侭のレイジェンがそう答えた。
徐々に近づくモンスターは、今にも襲い掛かって
来そうな勢いと形相で此方に迫って来る。時間は無い。



「せ、せや!それでコイツ倒せんねやったら
 早よ・・・・・・・うゎッ!」

出雲がそう云っている後ろで、モンスターが咆る。
手を振り翳したモンスターは、尖った爪先をルナの
背中へと振り下ろした。



「キャァァッ!!」

ルナが叫ぶ。途端にイリフが其れを庇い、この攻撃で
イリフの怒りは頂点に達した。
ルナの、滲む背中を庇い、モンスターを炎で包み込む。

モンスターは苦しみで、洞窟中に響き渡る程の雄叫びを上げた。



痛みに蹲るルナも共に、怒りが頂点に達した様だ。
鋭い目をモンスターへと向ける。
「……よくも…レディの体に傷を作ってくれたわね…」





もう許さない、と ルナはモンスターに向かい
力を込めた拳を一つかました。



「……敵は炎属性に弱いみたいですね。反応を見せています。
 攻撃するなら、今しか無い様ですよ、皆さん…」

コールが判断を下す。






攻撃開始だ。







2002/04/19(金) 09:54:49 ルナ
タイトル 攻撃  

なんか私ってばいつも傷おってる気がする・・・。
そんな事を思ったら急に怒りがこみ上げてきた。
「……よくも…レディの体に傷を作ってくれたわね…」
私はモンスターを睨みつけると殴り飛ばした。
「……敵は炎属性に弱いみたいですね。反応を見せています。
 攻撃するなら、今しか無い様ですよ、皆さん…」
コールの言葉も私の耳には届いてなかった。

こいつぅぅぅ。絶対許さないんだから!
私は怒りにうち震えながらも武器屋で買った武器を装備した。
「こいつは私がやってやるんだから!」
私はそう言ってイリフに合図をした。それに答え
イリフはうんと頷く。これも師範に教えてもらった
技なんだけど・・・あれよりは威力ないしいいよね。

私は手を前にして構える。
「イリフ!」

・・・・ウン・・・・

イリフは頷くと私に炎を浴びせた。
「お、おい!」
出雲の声がしたけど今はかまっちゃいられない。
私は炎につつまれたけど、ぜんぜん熱くない。これも炎の属性だからかな?
だんだんと私の回りの炎は拳に集まっていく。
「えいっ!」
私は炎の拳でモンスターを殴り飛ばした。

モンスターは効いたのか大きく雄叫びをあげた。
「ふんっ。レディの体に傷つけるからこういう目にあうのよ!」





2002/04/28(日) 22:38:03 コーディル
タイトル 参加  

「おやおや、荒業を使いますねぇ・・・」
ルナさんの怒りの攻撃に苦笑する。
が、モンスターにはかなり効いているようだ。
「・・・にしても、あんなモンスターがいるとは。まだまだ世の中謎だらけですねぇ」
のんびりと独りごとを呟きながら、ルナさんとレイジェンさんの戦いを観戦する事にした。
ま、あの二人の実力ならば大丈夫だろう。

「ちょっと、参加しなくて良いの?」
モンスターの様子を気にしながら、尋ねてきた小春さんに苦笑し
「そうですねぇ。あの二人が疲れたら代わりますよ」
そんな私の言葉に小春さんは眉を寄せた。
「それより、あの横穴に入れるチャンスですよ。さ、行きましょう」

今の最重要事項はモンスター退治ではなく、薬草の入手ですからね・・・





2002/10/21(月) 16:12:59 コーディル
タイトル 活動再開、ということで(笑)  

「でぇやっッ!!」
掛け声と共に繰り出されるルナさんの炎の拳。
それを避けた所に、レイジェンさんがモンスターへ連携攻撃。
今までこんな湿った井戸の底でしか生きていなかったモンスターには
火の属性はかなり有利に働いている。

ルナさんとレイジェンさんの連携攻撃に、次第にモンスターは横穴から離れて行く。
「さて、行きますか」
眼鏡を少し上げ、一人呟く。
「メリルさん、行きますよ?」
私の言葉にメリルさんは固い表情で頷いた。
「アタシも行くわ」
そう言った小春さんに、どうぞと言い、私は視線をモンスターに向けた。
だいぶ横穴から離れたとは言っても、ほんの数メートルほど。
のんびり歩いて行く訳にもいかない。
タイミングを見計らい・・・
「今です。走ってください!」

目指す横穴へと走り込んだ。






2002/10/21(月) 22:00:10 ルナ
タイトル 久しぶりだわ・・・・  

「はあっ!!!」
私はかけ声と共にモンスターに炎の鉄拳をくらわす。レイジェンも応戦。

あーもうせっかくここで師範に教わったの使えると思ってたのにー。
まったくむしゃくしゃする!!
おまけに傷つけられちゃったし!後が残ったらどうしてくれんのよ!

モンスターはかずかずの攻撃をくらって、叫び声をあげると
とうとうその場にばたりと倒れた。
「やった・・・か?」
隣でレイジェンが呟く。

・・・・サッスガ、ルナ!!・・・

イリフはにこにこと微笑みながら私の回りをくるくる回った。
っと気づいたらメリルにコール、小春がいない。
きっと、例のものを取りにいったのね。
未凪はおびえた様子で私の後ろにぴったりとくっついている。
凛耶は凛耶で俺が出るまでもなかったな・・っと肩をすくめた。
そして・・・・

「あんな奴に手間取ってらまだまだやな〜」

ぴきっ

出雲の言葉にルナは怒りをあらわにした。
「なんですってーーー!!こっちは傷まで受けてがんばってたっていうのに
何その態度?!何もしなかったくせによくそんなに偉そうに言ってられるわね!」私はこの無能男〜っと出雲を見下すように言ってやった。

「なんやとー!今、無能って言ったな無能って!取り消せこの怪力女!」
な・・・か、怪力女ですってーーー!!!
「ホントの事言って何が悪いのよ!しかも、何よ怪力女って!
人をモンスターか何かみたいに言うんじゃないわよ!!」
もう完璧、切れた!!
「はっ!モンスターよりも始末が悪いな!」

何故だかすごく久しぶりの喧嘩、一ラウンド開始!





2002/10/22(火) 01:29:53 立木 小春
タイトル 黄色の花  


モンスターが、ルナやレイジェンの総攻撃を受け続け
徐々に後退して行くのが分る。コールは唯其の光景を
見ていた。

隙を窺っていたのだ。



「今です。走ってください!」

コールの一声を機に、アタシとメリルは間を窺って
横穴を走り抜ける。コールが続き、其処に闇が広がった。
凛耶の精霊、カイが居ない為、灯す光も無く、唯私達は
其の暗闇を走り抜けるしか無かった。

遠く、モンスターの雄叫びが井戸内に轟くのが聞える。
其の声は低く、低音を唸らした。


思った以上に、湿った空気と滑った土が多く、何度も
足元をふら付かせる。姿勢を低く構えながら、前進した。
すると、先に見える光が小さく揺れる。


「何かしら…」
「着けば判りますよ。先へ進みましょう。」


そう云いながら、コールは先へと促した。



遠くを灯す光が近くに見える。もうすぐだ、そう思った。
光りの先に見えたモノ。



「…ッ」

メリルが、声にならぬ声を上げる。

其処には、天から注ぐ淡い光に包まれながら凛と咲く
小さな、黄色い花が数輪。これが、薬草なのね・・・


そして、先程から様子のおかしいメリルに気付いた
コールが、顔の覗く様にして、メリルに問う。

「どうかしましたか?」
「あの…メリル…黄色いお花、ダメなんです…」
「え?」
「だ、だから、その…嫌いなんです…。」


メリルの、予想だにしない言葉に、一瞬、空気が固まった。
思考を巡らすコールの横、困惑の表情を浮かべるメリル。



「取り敢えず、これを積んで戻りましょう。
 この先に出口が見付るはずです。元居た場所に戻って
 皆を呼びましょう。」
「其れが先決だわ。」

両者頷き、黄色の花を摘み取ると、逆方向に向き直し、
また走り出した。暗く、湿った土の上を急いで駆ける。






2002/10/22(火) 01:30:20 立木 小春
タイトル 出口  


数分後、仲間達の元へ戻ると、其処にモンスターが倒れて居た。
唖然としたのも束の間、ルナと出雲君はまた、言い争って居た。


「…ちょっと。そんな事してる場合?」
『コイツが悪い!!』

二人同時に互いを指さす。仲が良い事、と二人を見遣った。


「ここから出られそうな場所を見付けました。
 二人とも、言い争いはこの場で一旦打ち切って頂けませんか?」


……何か、何かしら… コールの笑顔が恐い…



すると、低い唸り声。 …グルル…
モンスターが、起き上がったのだ。

ルナと出雲君は、目を丸くしている。レイジェンは溜息を吐き、
未凪は恐怖で顔を引き攣らせ、凛耶はと云うと…… 無言の侭。


「もうッ!!しつっこいわね!!!」

ルナが鋭くモンスターを睨み付け、拳を力強く握る。


「…これでも…くらっとけ―――!!!!!!」




大きな爆発音とルナの叫び声が響き渡り、洞窟内が揺れた。
右の手の平を突き出して、大きな炎が何度もモンスターを
撃ち付け、のた打ち回るモンスターが、炎に包まれてゆく。

…ドォン! ドォン! ドォン!!

爆音の度に、揺れる地面に天井から崩れ落ちる土砂。



「ルナさん、それくらいに…」
「え?」

ルナが振り返る。漸く正気に戻った様だ。
そして、気付く…


洞窟内が、振動に包まれ地面を揺らしている事を…


「も、もしかして、ヤバイ状態…?」
「えぇ、今まさに。」
「早く此処から出た方が良さそうだ」 レイジェンが促す。



揺れる地面に足触りの悪い土の上、横穴をまた私達は
走り抜けた。



「早くしないと、崩れ落ちて
 この洞窟ごと埋もれてしまいそうですねぇ。」

落ち着いた口調で先を行くコールが、確認しながら前を進む。



洞窟内の揺れは、確実に大きくなっていた。




数百メートル先だろうか。出口だと思われる光りが見えた。


「さぁ、ここから一気に走り抜けますよ。全速力で走ってください!」



後に続き、皆が一斉に駆け抜けた。
出口はもうすぐそこ。時間が無い。





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