さて、
ギャルゲーの場合、発売もしないうちにゲーム性を否定されるくらいにルールの出来が信頼されていない事が多いが
本作ではゲームシステムが非常にまともに設定されていた。当時、怪しげな先入観で買わなかった連中は、
まさか自分達の探している物が、自分で否定している物の中にあるとは思わなかったのだろう。気の毒な事だ。

ストーリーを簡略化してみると、異世界に迷い込んだ主人公が元の世界へ戻るために旅に出る、というもので、
その彼に協力してくれる仲間は、主人公が迷い込んだ地域に偶然居たヒマな人たちということになっている。
ゲームの内容は育成シミュレーション。育成の対象は主人公と、パーティを組んだ仲間になる。
育成方法は、次の目的地に辿りつくまでの時間を利用して「筋トレ」やら「祈る」やらの非日常的なコマンドを多用し、
RPGでは御約束のSTRとか最大HPとかを上げていくというもの。こういった訓練には金がかかるのだが、
街にたどりつくとアルバイトができるので、そこで資金を稼ぐことができる。ここでは、参加したメンバーの
能力値によってアルバイトの報酬がかなり変化するため、能力値を確認して誰がどの仕事に向いているか
確認しておかなければならない。しかし、能力値が完全に相性が良くても、ランダムでライバルが
邪魔をしに来ることがある。そうなると金を損するので、メンバーと仕事を選択したあとも妙に緊張感が漂って良い。

資金集めの手段や、スケジュールを組みなおす日が不定期である事を考えなければ、「プリンセスメーカー」などに
かなり近いルールになっているので、似たようなゲームをプレイした経験がある人ならだいたい判ると思う。

もちろん、そういった他の育成ゲームと同様、こういった能力値は資金集めだけではなく、
本筋のストーリーに関わった重大なイベントで活躍することになる。しかし、活躍の仕方までは模倣されていない。
本作では、主人公が特別なアイテムを入手するためにライバルのパーティと競争するシーンが複数あり、
それらのイベントではどれもシンプルなスゴロクのボードゲームになっている。ここではライバルが罠を仕掛けたり、
怪しげなモンスターが出現したり、ライバルパーティと直接戦ったりする場面が多発してくれて大変である。
パーティの能力値は、そこで本来の役目を果たしてくれる訳だ。なおこういった場面に備え、見かけは貧弱そーな
女の子のパワアを最強まで上げておき、戦士として大活躍させると言う妙に詩的な遊びもある。
このスゴロクゲームパートは、パーティの向かう方向や、その時その時の判断で状況が劇的に変化するなど
戦略パターンが豊富であり、またルーレットの数字も、慣れてくれば特定の歩数を狙うことができる。
攻略しないと見れない御褒美CGなんてのもあるので、妙に燃えるシーンだ。

さて、こいつは「ギャルゲー」である。女の子とのふれあいのシーンがなければギャルゲーの意味が薄れてしまう。
ということで、そういったシーンやイベントはしっかりキャラクター別に用意されている。
キャラクター別のイベントには、妙な事件が起きて、そこで選択肢が出てくるだけという物の他、
ライバルパーティと競争するマップが出てくる物まであり、なかなか楽しめる。
人間関係の状態異常という物もある。トレーニングをしていると、突然パーティのメンバーが自身過剰になったり
それが原因でメンバーが喧嘩をすることがある。こうなると、彼女達はトレーニングを自分勝手に行い、
また拠点についても仕事に参加してくれなくなり、さらに競争イベントに至ってはプレイヤーの指示に
従わなくなってしまう。この状態は拠点に到着した際に「ミーティング」をすることで治すことができるが、
ミーティングを行うと他の行動は全てキャンセルされてしまうため、何もする事ができない。非常にシビアだ。
常にこの危険を感じていなければならないので、緊張感は抜群である。
実は、拠点では仕事をする他、遊びに行くこともできる。状態異常が発生している間はまったく無理だが、
多少余裕のある時はメンバーのうち誰か一人を選んで一緒に遊びに行くことができる。・・たいがい有料なのだが、
こいつは順調にいくと、そのメンバーと妙に仲良くなれたりする。スケジュール画面などでメンバーの
状態をチェックする表があるのだが、この画面にある顔のマークの表情で、誰が誰に対してどういった感情を
持っているのかが一目で解る。遊びに行ったあとの結果はこの画面にでてくる。なお病気だったり
精神的にやばくなったり、また喧嘩したりしたときの人間関係も一目でわかるので異様に便利だ。僕もこんな表一個欲しい。
先ほどの「遊びに行く」という行動でも、ライバルが邪魔をしにくることがある。また遊びに行く場所と
メンバーとの相性は能力値と関係ないので、失敗の発生率は素敵に高い。この行動では、キャラクターの
趣味がばっちり判る上に、ライバルの出現などでミスの発生率も妙に高いため、緊張感がとても激しい。

こんな感じでギャルゲーとしてもそれ以外としても魅力的なゲームシステムなのだが、一般的には不当な評価で
終わってしまっているのが残念だ。やはりこういったものは、絵が目立ちすぎているからなのだろうか。

では、その絵や、最近のギャルゲーでは重視される音楽はどうだろう。
まずキャラクターを猫いた人はMOOという人で、この人は同社から後に発売されるソフトにも参加している。
絵は悪くない。と思うが、実は専門知識が無いので、これが良い方なのか、悪いほうなのかは判らない。
仕方ないので、絵の出来自体を考えるのはやめにして、キャラクターは一般的にどうなのかを見てみることにする。
獣人、子供、家政婦、あと視力のマズイ人に、和服など。妙に「その筋」の人達の間で流行っていたジャンルの
コスチューム(あるいは生態)を抑えていて、しかもコレを自由に組み合わせられるというのだから、彼らにとっては
大変豪華な中身になっているかもしれない。・・でもキャラクターのファンサイトが少ないのは気にしない。
なお、本作のキャラクターの話題で欠かせないのは、やはり登場人物の一人、「レミット」だと思う。
レミットの光り輝く髪、レミットの凛々しい瞳、童話に登場する妖精を連想させる気高い肌、違和感の無い服装、
そして天使のような笑顔!僕は本作のメイン(藤崎詩織的存在)は彼女だと考えている。誰にも反論などさせない。
性格に関しては、あるイベントで主人公が彼女と対話したシーンは、他のどのイベントよりも印象に残るくらい
魅力的だったし、またアイリスとのエンディングでは、主人公とアイリスのためにレミットが休暇を与えてくれたりした。
スゴロクパートで彼女が参戦する理由にしても、妙に子供らしい純粋な感覚で思いついた理由なのが好感が持てる。
ラストのスゴロクゲームパートでレミットのパーティが勝つようなことがなければ、最後まで人間性はバッチリだ。


音楽に関して。まずオープニングテーマは良い曲だ。本文を書いている男など、その音楽のためだけにゲーム機を
動かしていたくらいである。ただし歌詞は「歩こーうよ」覚えていなかったするし、何よりソフトやゲーム機が
手元に無いので今改めて聞きなおせない。もう一度聞けたら、コッソリ本文のこの部分だけ上書きするかもしれない。

仕方ないので声優の話に・・・・
しようと思ったが、全然解らない。専門知識などひとかけらもない、何か知ってる事と言っても、
せいぜいキティちゃんのCVとドリパス3の謎の声が同一の声だと言う事ぐらいだ。
とりあえずキャラクターと声との違和感が無いのでバッチリだ、としか言えない。なかなかにピンチだ。


困ったので、情報が整理されるまで(もう一度エターナルメロディをプレイするまで)本文は中断しておく。
余談。確実に言えるのは、同じオタクでも趣味が全く同じとは限らないので、本作に関わる場合は
よく考えた方が良いと言う事。
ゲームレビューらしいモノができそうになったら、後でコッソリ上書きしてちょっとだけゲームレビューっぽくしておく。

では失敬



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