ゲームレビューには「書き方」が存在する。

批評をするときは、たいてい「書き方」に沿って書いていれば、ほとんどの場合は批評として認められる。しかし、 それが賞賛に特化するか、非難に特化するかによって批評の仕方は違ってくるので、注意が必要である。
ここでは、その二種類の「書き方」を紹介しよう。

まずは賞賛側の批評から。
まずは、メジャーゲーム専門誌などで評価されておらず、また知名度も低めのゲームを用意しよう。 それも、有名ではない、売れてないゲームの中で評判の良い物を探すのだ。 "内容"は別に良くなくていい。"評判"が良いタイトルを探すのだ。 売れてなくても評判が良ければ、 別に内容はクソゲームでも構わない。
「そんなゲームは思いつかない」「理解できない」、という人もいるだろう。 それは別に構わない。こういうのは、自分がそのゲームを好きか、所有しているか、遊んだことがあるか、 などという事実は無くても良いのだ。
ついでにいうと、そのゲームソフトは実在している物でなくても良い。

こういった"批評"はあくまでアナタが一般人に対して優位性を主張するために行われるのであり、
「そのゲームの良さを他人に伝える」などという馬鹿馬鹿しい目的で行う物ではない。
今のでムカついた人はいるか？自分の信じていた正義と違う、という人はいるか？先に言っておくが、 僕に苦情を言っても全く無駄である。今はこれが主流なのだ。実際にやってる人に苦情を言いたまえ。

続けよう。ゲームが用意できたら（架空でも構わない）、とりあえずソレを誉めるのだ。実はクソゲーだったりしても 誉めて誉めて誉めまくれ。誉め方が解らない、という人は、そのへんのアホの駄文でも読んで勉強すると良いだろう。 最近の傾向では、「新しい」というような言葉を連発したり、「ゲーム性」がどうのこうのとウンチクをたれたり、 他には"インタラクティブ"だとか"アルゴリズム"、"アイデンティティ"などの一般的でない言葉を使ったり、 あとは声優やキャラクターデザインなどの専門的な話題でごまかしていくなど、それから、 「例のクソゲーに比べて、これは面白い。いや、比べると言う事自体が不遜」などと比較評価したりする…、 というような誉め方もウケる。貴方に相性の良いスタイルを選んで実行するといい。

ただ、実在するゲームの場合（普通はそうだが）では、多少知名度があるゲームだと反論が発生することもあるので、 そういう事態にも対処法を考えておいたほうが良いだろう。例えば批評対象が処理落ちが多発するゲームだったりした場合、 「このゲームは処理落ちばっかでダメダメじゃないかっ」というような反論が発生する確率が高くなる。ここでは事前に 「一般人は処理落ちばかり気にして、ゲームの本質を理解していない」などと相手を攻撃しつつ、更に 「ゲームの定義とは〜〜〜」といった長ったらしくペテンっぽい講釈を書いて逃げまくっておけば安全である。 これならば、相手が頭がイイ奴か単なる馬鹿か区別がつかないので、迂闊には反論できない。いざとなったら無視するのも一つの手である。
批評するとき、なんか色々と難しい事を言うと、一般人の視点では"通"に見えるらしい。試してみよう。

さて次に非難側の批評の書き方だ。
一般的には、みんなが誉めてるゲームを批判するのが"通"ということになっている。これは別ジャンルにも適用される。 ようするに、なんかモテてるゲームをバカにすれば良いのだ。というわけで、こっちはソフトの選択は簡単だろう。 とにかく有名なメーカーやタイトルを選んで、そいつを非難すればＯＫなのである。もちろん、作品自体は所有しなくて良いし、 遊んでなくても良い。ちなみに発売前でも、雑誌に載ってる情報を参考にすりゃゲームレビューなんて簡単にできる。

最近のオススメはセガのファンタシースターオンライン、トレジャーのゆけゆけ！！トラブルメーカーズ、 ゲームアーツのグランディア２、元気の首都高バトルシリーズ、あとコナミのがんばれゴエモン〜ネオ桃山幕府の踊り〜である。 全て僕が誉めてたり欲しかったりするソフトなのだが、でも上手くこういうのを批判したりできれば、 マニア気取ってる頭悪い連中に怪しげなダメージを与えられる可能性があるので、もしあの腐敗した閉鎖的な 風紀委員モドキが、こういうのを読んだらどうなるか、ちょっと気になるところではある。

閑話休題

ここでの批判の対象は、とりあえず一般誌とかでデカイ面しまくり、売れ行きもバッチリだった、或いは、 そうなりそうなソフト。ようするに、”その辺の中学生に「最近こいつ調子ん乗ってんよなあ」とか言われた挙句、 写真週刊誌に叩かれたりしてるアイドルやベストセラーのようなタイトル”が、ここで批判されるべきソフトなのである。 そこでよく挙げられるのは、FINAL FANTASYシリーズ等に代表される「演出に特化してムービーパートが多発し、 中身がたいしたことない割には滅茶苦茶に売れまくったというようなソフト」である。ここでの批判は、 「腐った映像嗜好だっ！邪悪な死角（Squareの仇名）に制裁をー」「だから外注はダメなんだ」とか言ってみるのが非常にスタンダード。 なおこの手のゲームでは、一般人を納得させるためにも
「ムービーは良いがゲームシステムがダメだ」というように、 ムービーのほうはフォローしておく場合が多い。ムービーもダメだなと思ってもムービーは良いと言ってしまうのだ。 それからこれは非難なので、ついでに値段の批判をしたり経営関係の批判など作品と全く無関係な批判をしても良い。 で、「ムービーは良かっただけに残念だ」などの”逃げ”をいれておく。これが一般的な”映像に特化した作品の批評”である。
同タイプのゲームソフトはSquareSoftに多いらしい。

他の批判の対象としては「処理落ち」「難易度」「ストーリー」なんてのがあるが、僕は売れに売れまくったゲームで こういう弱点が目立ったゲームを知らない。セガなどのマニアに支持されたメーカーには一時期こういうトラブルが 多かったが、売れたソフトを知らない。せいぜいセガラリー２くらいだが、アレも"本質を見れば"名作なのだろう…。

というわけで、ここでは批判対象作品の選択に制限をかけてみた。

何故なら批判は半分エンターテインメントみたいなモノだから、批判の対象はビジターの知っているソフトにしておき、 さらに批判の内容も彼らが喜ぶ評価にしておいたほうが良い。でないと、みんな去っていくから。
自分が本当に不快に思ったゲームではなく、自分は優秀なゲームファンだと信じて疑わない種類の人達の考えを優先し、 世の風潮にしたがってSega、Squareなどを批判し、ビジターに取り入り、反体制派を気取っておけば良いのだ。

そういったワケで、批評に個人の趣味はあまり影響させると面倒なことになる。
つまり、誰にも知られてないくらい知名度の低いゲームや、一般の感覚とは違った評価、などというのは、 健常者はもちろん理解できないし、自分は優秀なゲームファンだと信じ込んでいる連中の視点には、 ソフトによっては正しくない評価として認識されてしまう。また、ビジターがそのソフトを知らない場合も多く、 その時は一生懸命そのソフトを批判または支持しても、誰も同意しないし反論してもくれない。 完全な個人視点だと、自分の批評なんて誰も支持してくれなくなるのだ。
例えばライズオブザロボッツ２の批評など、誰が同意するか？
執筆者が有名人なら、話は別なのだろうが…。




批評とは
自分の支持する作品の良さについて語ったり、批判したりすることではないのだ
今は所詮、反対意見を丸め込むための行為でしかないのだ

本文に対し異議があるという人は
今、それが主流でないという証拠を見せてほしい。
批評の代わりに発生する自己主張はもうウンザリだ
本当に"つたないゲームレビュー"じゃないか

くだらない