061:飛行機雲  2003/08/21 (木)  
 

[部屋の窓の向こうに、飛行機雲を辿って
今日喧嘩した君のことばかり考えてた]

ステレオから緩やかに流れてくる音。
ぼーっとして空を仰ぐ。
ホームステイ先の家のCDプレーヤーで日本の音楽を流す。
今日は早めにサッカーの練習が終わり、
間宮はぼーっと窓の外の空を眺めていたのだった。



コンコンという軽いノックの後、クリスが入ってきた。
「シゲル、どうしたのぼーっとして。日本に残した恋人のことでも考えてた?」
流暢な英語でクリスが訊いてくる。
幾ら間宮が渡伊する前にイタリア語を勉強していたとして
実際に使うことができたとして精々挨拶程度であろう。
まぁ三ヶ月程度居ればそのうち喋れるようになるだろうが
まだ数日しか経っていないとなれば矢張り英語でないと会話ができない。
「クリス…、恋人って…あのな」
たどたどしいが、ある意味普段通りの喋り方かも知れない。
少し呆れた様子で間宮が言う。
「だって、音楽聴きながら空見てるなんて…それとも、恋人居なかった?」
「…いることは居るけど…」
どこか俯き加減で、間宮がいう。
「あいつが、俺のこと待っているなんて思えないから…」
「シゲル?」
「お互い、サッカーを選んだからさ、日本に戻ったら[恋]終わってるかも知れないだろ?」
「そういうものかな?僕はそういうの解んないけど…。シゲルの恋人可愛い?」
「え?」
間宮が怪訝な顔をするので、クリスはもう一度問う。
「顔、可愛い?」
「ああ…いや、可愛いっていうか…格好いい?」
「え?格好いいって…」
「……男、なんだ」
間宮の言葉にクリスは驚く。
「それって…」
「軽蔑する?」
申し訳なさ気に上目使いでクリスを見る。
「いや、そんなことないけど…ちょっと吃驚かな?」
クリスがいうと間宮はホッとしたようにまた窓の外の空を見た。

続く
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高校二年生位に間宮が渡伊した時の話。
間宮に恋人ってのに突っ込みは無しで・汗。
クリスは勿論オリキャラです。公式では出てこないので
捏造もいい所。でもまみやん帰国子女になるので、
高校二年もう一回やることになるんだよね。
日本のシステムどうにかならんかな。
で高校卒業後鹿島アントラーズに三上氏と渋沢さん追って入社!
そんでU-19か。



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注釈:クリス・ガッティ↓
まみやんのホームステイ先の子供。
まみやんと同い年くらい。
まみやんがお世話になっているサッカークラブの正規レギュラー。

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