まみやんの受難な日 「間宮、ちょっと待ってくれ。俺も一緒に行く」 後ろからの声に、間宮は立ち止まると、そちらを振り返って待った。 慌てた様子で荷物をまとめ、間宮の横にやって来たのは水野だ。 水野が横に並んだのを確認すると、間宮は歩き出した。 勿論水野も。 「なぁ、間宮。シゲとホントに付き合う気無い?」 はぁ。と間宮は溜息を吐くと水野を呆れた顔で見た。 「またその話か。いい加減にしてくれ」 間宮は疲れたようにそう言った。 「けど、ホントいい奴だし、付き合ってやってくれない?お試し期間とかでもいいからさ」 しかし、水野はその話を止める気はさらさら無いらしい。 シゲに協力してくれと泣きつかれた以上、真面目?な性格の水野は実行せざるを得なかった。 「お試し期間だ?解ってるか?佐藤も俺も男だぞ?付き合うったって奇怪しいだろ。 大体、あいつ手早そうだし、俺が食われちゃったらどう責任取ってくれるんだ?」 「……そこまで考えて無かったが、十分ありえるな」 「おい。ありえるんかい?!」 「まぁ、シゲの手の早いのは実証済みだからなー」 「……そんな危険人物とお試しだろうと付き合えるか!大体、佐藤は女好きの筈だろうが」 「あぁ」 「だったら……、もてそうだし、女と付き合えば良いんじゃないのか? 何で俺とわざわざくっつけようとするんだ?それが解らん」 「いや、くっつけ様としてる訳じゃなく、あいつがお前と付き合いたいらしいんだ。 それで協力してくれって泣いて頼むから仕方なく…」 「で?俺の迷惑顧みずにお前はしつこく佐藤の話してたわけか…」 間宮が水野を睨めつける。 「仕方無かったんだよ。俺だって立場上、一応協力しない訳には……。 そりゃまぁ、男が男に付き合ってやれっていうのはどうかと思ったんだが」 「だったら断れよ(怒)……俺は、男と付き合う趣味はこれっぽっちも無いぞ」 「それはそうだろうけど…。あいつ、狙った獲物は逃したこと無いからな。 そう言ってても食われる日がくるんだと思うぞ。案外神は無慈悲だからな」 水野が不吉なことを間宮に言う。 「バカか。食われて堪るか。男にカマ掘られるなんて笑いごとじゃないぞ。 大体何で断定的に、んな不吉なこと言うんだお前は」 「いや、けど万が一ってことも…」 それから間宮は寮に着くまで延々と水野からシゲについて聞かされ、いい加減うんざりしていた。 間宮の部屋… (はぁ…ったく、水野の奴ロクなこといわねぇな。それになんで俺が佐藤に食われ…いやいや、 身の危険感じなきゃいけないんだ?仮にも同性だぞ?そんなことになって堪るかよ。 俺は別に女に興味は無いけど…かといって男が好きな訳でもないんだぞ) そんなことをベッドにゴロリと寝転んで天井をぼけっと見ながら考えていた時だった。 コンコンっとドアがノックされる。 はいと間宮が言う前に、勝手にドアは開き、許可もしてないのにそいつは部屋の中へと入って来た。 「さ…佐藤…」 間宮は人物が憂鬱の元凶であるシゲだと解ると慌てて、起き上がった。が、もう遅かった。 がしっと両腕を掴まれ、ベッドの上に押しつけられる。 「やっ…やめろ!佐藤!!」 必死にモガクがシゲの力には適わない。 (くそっ。マジかよ?ホントに俺こいつに食われちゃうのか?) 「じっとしとってくれひんと、こっちも優しゅうできひんよ?」 にっこりと笑って間宮に言う。 (つまりこいつは俺がこれ以上暴れたら、ムリヤリにでも突っ込むって言いたいのか?) 間宮の頬に冷たい汗が流れる。 「ヤダ。やめろ」 大人しくなった間宮は、最後の望みを懸けてそう言ったが無駄だった。 「……そんなつれないこと言わんと、ええやろ?」 優しく微笑むシゲに間宮は僅かに恐怖を覚えていた。 (別に殺されるわけじゃねぇし、減るもんでもない。が、やっぱり納得行かないぞ) そっとシゲの手が間宮の頬を優しく撫でる。 ぞくっ。間宮の背筋に悪寒が走った。 (男にSEXされるなんて考えただけで気持ち悪い……こいつ、マジでいかれちまった?) 間宮がそんなことを考えていると、間宮の口唇にシゲのそれが重ねられた。 「んっ……」 (うわっ。なんだよ、こいつ。キスなんかすんじゃねぇ!……って、何か気持ちいいのは気の所為か?) シゲの巧みな舌技に、初体験もまだな間宮の体が耐えられる筈も無く、 段々と熱を帯びてくる。間宮の少しきつめなつり目が、とろんと蕩けるように柔らかいものと変貌する。 角度を変えながら深く浅く口付けては、舌を絡め取る。 舌先が感じるのか、そこを何度も突いてやると、間宮の体から力が抜ける。 嫌がっていたワリには、シゲのキスに対して余りにも無防備で、そして素直だった。 歯列をなぞり再び舌を絡めとると、ゆっくりと名残惜しげに間宮の口内から舌を引き抜く。 「口ん中感じやすいんやなぁ♪」 楽しそうにシゲが言う。 「…さ…とう?」 呂烈の回らない、シゲのキスに感じさせられたままの間宮は、 シゲがそれ以上何もリアクションを起こさないことを逆に不安に感じて名前を呼んだ。 間宮の声に満足そうに微笑むと、シゲは間宮の首筋に口唇を這わせた。 「んっ」 (わぁ…俺のバカ。誘ってどうすんだよ!!) 舌と口唇と歯を使って、首筋に赤い刻印を残す。 Tシャツをたくしあげると、間宮の胸が露になる。 腕などの普段日に当る部分とは違い、そこの肌はとても白くて。 乳頭なんかはあざやかな櫻色をしている。 思わず笑みがこぼれそうになるのを抑えると、シゲは間宮の突起に触れた。 ぴくんっ。 それだけで感じたのか、間宮は肩を震わせた。 「…はぁ…っ……ヤダ……」 (なんか流されてる?俺……) シゲが、間宮の突起の片方を口に含んだ。深く吸い舌先でそれを舐める。 ぴくんぴくんっと間宮の体が反応するのが、楽しくて仕方ない。 上をいじっていただけなのだが、間宮の股の間の物が自己主張を始めていた。 我慢出来なくなったのか、間宮が自分の股間に手を伸ばす。 しかし、それは叶わなかった。 「え?」 間宮は疑問を口にした。 言葉は一つの文字でこと足りる。 シゲが、間宮の腕を頭の上で縛ってしまった。 「まだ、こっちいじるんは早いで♪もっと楽しまなな♪」 「ちょっと…お前…」 楽しげに言うシゲに間宮は不満の声を洩らす。 それを軽く無視すると、間宮の体にいたずらを再開した。 「んっ……んっ……あっ…はっ…んっっ」 (ヤメ…もう、我慢できな……) シゲの与える快感に必死に耐えていた間宮だったが、下半身が限界で… 誇張したそれを早く弄りたくて仕方なかった。 「ん?どないしたん?」 「これ、外せよ」 (早く…それを…) 間宮がシゲを睨みつけながら言う。 「あかん。そしたら、ココ触るつもりやろ?そんなに感じる?」 シゲがハーフパンツの上からそれをつつく。 それだけで感じてしまうほど、もうそこがうずいて仕方なかった。 「ヤァッ…」 シゲにホンの少し触れられただけで気持ち良くなるほど、そこは追い詰められている。 早く扱いてこの切羽詰まった不快を取り除きたくて……。 その反応におもしろがると、シゲはハーフパンツと下着を一気に取り去った。 すっとしたそこは空気に触れただけで感じてしまい、衣服を剥がされただけで射精してしまった。 部屋にきな臭い匂いが漂い、ベッドのシーツは間宮が放ったものでベトベトになっていた。 「…なんや、マムシそんなに感じとるんやったら、はよゆうてくれればええのに。 そんなココいじりたくてしゃあなかった?」 まだ白濁した粘液で濡れてるそれをシゲは気にすることなく握り込むと、上下に軽くこする。 「はっ…イヤぁ…」 間宮は甲高い拒絶の声を上げる。 「何ゆうとんねん。こんな感じ取るのに」 今度は少し力を入れてそこを扱いてやると、いったばかりだというのに、先走りの液が流れ出した。 びくんっ。 間宮は体をのけぞらせる。 「なぁ、感じとるんやろ?」 間宮は何も答えない。ただ与えられる快感に抗うように、必死に歯を食い縛り声を殺している。 「あんまそういうことすると、俺にも考えがあるで?」 歌うようにいうと、シゲはそれを口に含んだ。 ・ ・ ・ 翌日、ぐったりした顔の間宮とやけにすっきり爽快なシゲを見た水野は ああやっぱりと思ったとか思わないとか。 強制終了 ++++++++++++++++ 後書き はい。本当はもっとシゲの気持ちに悩むまみやん書きたかったんだけど 中途半端にエロです。でも、エロクナイエロってどうよ? 六月以来アップしてないんで書いてみたのになんだよこれって感じ(泣) |