俺のこと、好きになんてなってくれなくていいから。

だから、俺がお前のこと好きで居ることだけ許してください。





【この想いだけ、許してください】







俺のことを好きになんてなってくれなくていいから。
だって好きになんてお前になってくれって言う方が奇怪しいから。
常識的に奇怪しいことだと解っているから。俺が好きな人は俺と同じ男だから。
ただちょっとした知り合いで、特に話した事もないし俺はあいつのこと殆ど知らない。
けれど何でか解らないが好きになってしまっていて。

ずっと見ていた。別にうらやましい訳ではなくて。憧れてた訳でも無くて。
ただ何かあいつのこと気付くといつも見ていた。
好きになっていた。でも。

オカシインダヨナ。ヘンナンダヨナ。ゴメン。キモチワルイヨナ。
デモ、スキナンダ。

だから、この想いは貴方には告げないから。
仕舞って置くから。俺の心の奥に。
だから、どうか、気付かないで下さい。好きでいる事許してください。

俺のこと、好きになんてなってくれなくていいから。
俺のこと、嫌いでも構わないから。

ゴメン。ゴメン。好きになったりして。ゴメンな。
でも。スキナンダ。
お前のこと。

それだけは許して欲しい。
嫌いな奴に好かれてるなんて嫌かも知れないけど。
ましてやそれが男なんて。
でも、好きなんだお前が。
この想いだけは消せないし譲れないんだ。



好きだから言わない。好きだから隠しておこう。
その方が絶対いいんだって解っているから。
俺、佐藤の事好きだから。だから、絶対言わない。
バレナイヨウニスルカラダカラ…お前の事だけ好きでいさせて。


そう、ばれないようにするから。





暫く佐藤に逢えなくなると解っていた。
学校は違うし、俺は部活が遅くまであって滅多に休部なことは無いし寮生だし。
だからたまに夜こっそり抜け出して佐藤の家に行った事もある。
でも勿論そんな遅くに呼び鈴鳴らすわけにも行かなくて。
佐藤の部屋らしきところただ眺めるだけで。結局何しに行ったんだか解らないけれど
それでもそこに佐藤がいるんだなと思うだけで気分が昂揺してしまう。
そんな帰り道にたまたま本人を見つけたりすることもあったりして。
向こうがこちらに気付かないうちに小道に移動して。
蔭から彼を見るだけでどきどきした。
トレセンでまさかまたも敵チームとして再会するなんて思っていなかったけれど。
藤村成樹と名乗った彼に何処か違和感を感じた。
『風祭にこだわっている』そんなのは直に気付いた。
伊達に彼を見てきた訳ではない。
好きだから。
誰よりも好きだから。
そこらへんにいる佐藤の取り巻きの女性徒とは違う。
もっと強い感情。もっと強い『好き』だと言う感情。
だって俺は男だから。
本気でない彼女たちとは違うんだ。
顔とかそんなんで好きになる彼女たちとは違うから。
予期もしていなかった突然の恋。
だから。
嘘にしてしまいたくてもできない想い。
好きなんだ。大好きなんだ。
どんどん溢れて行く。強くなって行く。お前に惹かれてる。
溺れそうなほど。
でも、伝えないから。
お前に迷惑かけないから。
好きだなんて云ってお前を困らせたりはしないから。
だから。
好きでいる事。遠くからお前の事好きでいる事だけ大目に見て下さい。
絶対に気付かれないようにするから。




自由時間。自販機の前で一人ポカリを飲んでいた。
「間宮?」
突然後ろから掛かった声に、心臓が飛びでそうなほど吃驚した。
慌てて後ろを振り向くと、佐藤が…いや、藤村が立っていた。
「さ…藤村」
「あれ?俺お前にそんことゆうたっけ?」
「いや…他の奴がそう呼んでいたから…。それより、お前こそなんで俺の名前…」
「ほれ、春の都大会緒戦でおうたやん?忘れたん?それとも、俺んこと気ぃつかんやったん?」
「いや、お前は目立っていたが…俺はそうでも無いだろう?水野に貼りついてたんだから」
「タツボンにあんだけ苦戦しいれたんやから、お前も十分目立っとったわ」
「そうなのか?」
「ああ。それにな、別の理由でお前んことずっと憶えとったんや」
「別の…理由?」
何だか悪い予感がして、間宮はそう問うてしまった事を後悔した。
「ああ…」
「あ、別に答えなくていいから」
「は?何でやねん?」
「だって何か凄く悪いというか嫌な予感するから」
(ちっ。こいつ、なかなか鋭い奴っちゃなぁ。此処でホンマは告白予定やったんやけど…)
俺は残り僅かだったポカリを飲み干し、ごみ箱に缶を捨てると、慌ててそこから離れようとした。
が、佐藤に腕を掴まれてしまった。
「そんな、慌てて逃げんやってええやん?」
にやりとうちの学校のサッカー部の先輩を思い起こさせるような笑い方をした。
そのまま佐藤はムリヤリ力で俺の掴んでいた腕を引き寄せて、継いで体も一緒に引っ張られる形で
佐藤の腕の中にすっぽりと納まってしまった。
ぐい。強引に俺を上向かせる。
「え?」
そう呟いた瞬間、俺の口唇に佐藤のそれの感触があると認識する前に、口の中に侵入して来たもの
───それは舌だった───で頭の中は真っ白になった。そんなこととはお構いなしに、口内を舌で
ま探られ、歯列までなぞられ、体がぞくぞくして。逃げる俺の舌にムリヤリ舌を絡めてくる。
体の方も懸命に佐藤から逃れようともがいているのだが、佐藤の力に適わない。
執拗に俺の舌に自分のそれを絡めてくる。俺が舌を引くとそれに追いすがり、舌先を同じそれでつつかれる。
「んっ……んんっ…」
貪るような口付けに鼻をついたような甲高いもしくは甘い?声が洩れる。
息をするのもままならないまま、かなり長い事佐藤にキスされていた。
名残惜しむように再び解いた舌を又絡めて来て、それからやっと俺の口から出て行く。
キスが終わって直は頭がほわんとした状態で、何も考えられなくて。
けれど佐藤が俺を抱きしめていた腕の力を緩くしたためか、俺の体ががくんと傾く。
足が…いや、腰が立たない。なんだこれ?
「あーやっぱりなー。お前、経験ないんやなー」
どこか嬉しそうなのは気の所為なんだろうか?
佐藤は俺をとっさに支えて、それから俺の股間あたりに触れてきた。
「おー、勃っとるやん。そんな、感じた?」
「お前、自分が何してるか…あっ…んっ」
と俺が抗議しているのを遮るように、服の上からそれを形を確認するかのように下から上へ撫で上げた。
びくんと体が反応して、おまけにあの声が洩れる。
恥ずかしいやら情けないやらで俺は佐藤を睨みつけた。
「な、此処このまんまやったら辛いやろ?俺が鎮めてやるで♪」
「え?」
驚く暇も無いくらいあっさりと俺は佐藤に抱え上げられ、男子トイレの個室に押し込まれた。
「ちょっと…ヤ…ヤダ…やめ……ロ」
佐藤は個室に入って鍵を閉めた途端、俺の下着ごとハーフパンツを引きずり下ろして、
股間のものを直に触ってきた。
「何ゆうてんの。気持ちいいやろ?」
意地悪く微笑んで、佐藤は俺の股間のものを上下に激しく扱き始めた。
「んっ…んっ…やっ…ヤメ……も、立って…られない」
何云ってんだろう俺。こんな声で。まるで誘っているような…。
「ふーん。こんくらいで、もうそんなにええの?」
楽しそうに云って、佐藤は上の服の中に手を入れてきて俺の胸の突起物を軽く摘まむ。
「ヤダ…っ」
俺奇怪しい…幾ら好きな相手だからって、こんな触られたくらいで気持ちいいなんて。
自分で扱くよりいいなんて。
それからシャツをまくり上げて、俺の胸の突起を舐めた。
「ヤメ…お前、何考えて…あっ」
きつくすって舌先で突起を舐めあげる。突起の中心を舌でつつかれると嫌でも声が洩れて。
自分でも何でそんな声が洩れるのか解らなくて。
世話しなく動いている佐藤の両手。右手で俺の下のものを左手で胸の飾りを口でもうの一方胸の飾りを弄ぶ。
ヤダ…もう、やめてくれ。気持ち良すぎて奇怪しくなりそうなんだ。
あっ。
「…あー、早いなーお前」
面白そうに俺にそういうと、佐藤は自分の手にたっぷりとついた俺の精液を俺に見せた。
「こんな溜めとったん?あかんなー」
そういうとその手を俺の後ろに持っていく。
「何す…る…」
佐藤の指が…俺の精液で濡れている佐藤の指が、俺の後ろのアナの中に入ってきた。
「ヒッ…」
それ以上言葉にならなくて。痛くは無いが気持ち悪くて。気持ち悪いというよりは排泄感が強いというか。
中を掻き回して、俺が悲鳴めいた声を洩らす瞬間を狙ったかのように、指の数を増やして行く。
ヤダ…それ以上入れるな……排泄したい感覚が余計強くなるから。
というかこんな排泄感強いことなんて滅多にある訳ないのに。
腹下した時のように異様なくらいそれを感じている。
でも指を引きぬかれると今度は物足りない感じもして…入ってくると出したくて堪らなくて。
すっと圧迫感や排泄感が消え去る。
「…ちょお、痛いかも知れひんけど我慢してや」
「え?」
ぐいっ。
強引に佐藤のそれが俺の後ろのアナに押しつけられる。
亀頭が俺のアナの入口───本来は出口だが───にぴたりとくっついてきたのが解る。
その後に来る激痛も予想出来なかった訳ではないが。
「痛っ!」
ぐいぐいと強引に押し込まれてくる。指3本なんかじゃとても代用にはならないだけ
太くて硬い佐藤のそれがムリヤリ入ってきた。
泣きそうなくらいの激痛に、けれどムリヤリ自分の両手で声を殺した。
何兌換だ云って結局、本当は凄く嬉しくて。
好きな人に抱かれてるんだから、嬉しくない訳は無い。
でも、凄く痛くて恥ずかしくて。
けれど抜き差しを繰り返される度に、快感も伴うようになって。
佐藤の熱いものが俺の中に放たれて。
俺自身佐藤の手の中で2度目の射精をしていた。
はぁはぁはぁと息をついていると、後ろから佐藤がキスしてくる。
「んっ……」
息をつくのがやっとな俺は佐藤のなすがままになって。
頭の中がほわわんとして。
ただ気持ち良くて。
口唇が離れると、佐藤は俺の中から出て行った。
圧迫感が消えると今度は逆に何だかものたりくて。
佐藤の手が再び俺の後ろに触れてきた。
何だと思ったら、後始末をしてくれているらしい。
それが終わると、俺に歩けるか?と訊いた。
「歩けるわけないだろう?」
「さよか。ほんなら…」
ふわり。佐藤が俺を持ち上げて。
「……俺、結構重いんだが……」
「大丈夫やって」
そう笑って個室から出て一応手を洗うと、男子トイレから出る。
はっきり云って俺は好きな人からレイプされたわけなのだが…。
でも特に恐怖はなくて。
「あのさ…何で俺にあんなことしたんだ?」
「好きやからやけど?」
「……ホントに?」
「ああ。せや」
何か俺…。
「あ、シゲって……お前、抜け駆けしたな!」
トイレを出て直に水野に出くわした。
すると水野は何だか血相を変えてこちらに向ってきながら、佐藤にそういう。
そんなところに藤代や郭達まで現れた。
「あー!藤村、不可侵条約忘れたのかよ!抜け駆け厳禁っていったじゃん!」
「あ、タツボンに藤代…。不可侵条約やら抜け駆けなんて関係あらへんわ。
こういうんはな早い者勝ちやねん」
「「うわーずっけー!!」」
藤代と若菜が声を揃えてそういう。
何だか解らないが関わらない方が良さそうだと思い、俺は佐藤に云った。
「降ろしてくれないか?」
「せやけど、立てへんのちゃう?」
その佐藤のセリフに皆の目つきが鋭くなる。
何なんだ?一体。
「多分、大丈夫だ…」
そういって降ろして貰ったのはいいがふらついてしまった。
すると佐藤を押しのけるように水野や藤代や郭たちが大丈夫か?と手を貸してくれた。
「ああ。すまん。有難う」
と俺が云うと何だか照れたように『そんなことない』とか『コレくらい当たり前』とか
『どういたしまして』だの云った訳で。
はっきりいって気持ち悪いくらい今日は皆親切で。
何なんだと疑問が湧いてくるが取りあえずそこを去る事にした。


間宮がそこから遠ざかった頃。
「藤村、一体どういうことなんだよ。きっちり説明してもらうかんな」
若菜がそういうと他の者たちも肯きだした。
「シゲ、間宮に何したんだ?いやらしいことしてないだろうな?」
水野も詰め寄る。
「…何って、Hやけど?」
しれっと答えたシゲに血相を変えて皆が云う」
「お前、何考えてんだ!大体、抜け駆け自体条約違反だろうが!それを…」
「そうだ!一馬の云う通りだ!大体、いつもお前だけ美味しい所取ろうなんてずうずうしいんだよ!」
「まったく、俺の間宮を傷物にした罪重いよ?解ってる?」
「英士、俺のってどういうことだよ?」
「あれ?そんなこと云った?」
「云ったって。しら切るなよ」
「シゲ、お前…最低だな。どうせムリヤリ連れ込んだんだろう?あんなふらつく程酷い事したなんて許せない」
「そうだ!水野の云う通り。間宮が藤村についてくわけないもんな。大体、いつも一緒に生活してる俺の方が
好かれてる筈なんだし」
「は?藤代、聞き捨てならないな。今の言葉」
「えー?だって、ホントのことだろう?武蔵森の松葉寮で一緒に二年も暮らしてんだぜ?」
「あのな、」
水野の言葉を遮るようにシゲが云った。
「そんなん本人に聞いてみればええんちゃう?こんなとこで言い争わんでも簡単に蹴りつくで?」
「まぁ、それもそうだな」


間宮が壁伝いにのろのろと歩いていると先刻の連中が追いかけてきた。
騒がしいと思って間宮が振りかえると、一斉に間宮は質問責めに遭う。
「は?」
間宮は何だか変なことを聞いた気がして問い返す。
「だから、間宮は誰が好きなのかはっきり云ってくれ!」
「それを聞いて何になるんだ?」
間宮の最もな疑問。
「嫌だなー、此処に居る俺達全員間宮のこと好きなんだよ。だからはっきりして欲しいんだよ」
「……なんの冗談だ?」
「冗談じゃないって。俺達真剣なんだぜ!」
「……ホントに?」
「ああ」「勿論」「ホンマや」「本当だ」「ホントだぜ」「ホントに決まってるだろ」
と口々に云われ、間宮は困惑した。
好きだと好きな人を含めて六人から云われ嬉しいやら困ったやらで。
若しくはこれは本当は自分をからかっているんではないかとすら間宮は思った。
「けど、俺は男でお前たちもそうだろう?奇怪しいとは思わんのか?」
「そりゃまぁそうかもしれないけど。好きなんだからしょうがないじゃん」
「……」
「藤村に傷物にされたのは解ってるけど、けどそれでも…」
若菜の言葉に間宮はシゲを見て、そして云った。
「別に傷物にされた憶えは無いが…」
「えー?でも、藤村にHなことされたんだろ?」
間宮の返答に藤代が食い下がる。
「さ…されたけど……」
少しだけ顔を赤くして間宮は藤代の視線を避けるように云った。
「………」
間宮本人がシゲにいやらしいことをされたと云った為に皆は固まる。
怒りの矛先は全てシゲへと向けられる。
「ムリヤリだったんだろ?」
誘導するように一馬が云うと間宮は『そうだ』と答える。
「なのに、何で先刻抱き抱えられてたんだ?」
水野の問いに、
「立てなかったから仕方なく…。というか、何でお前たちがそんなこと気にするんだ?」
「だから先刻から云ってんだろう?俺らお前が好きだって」
「……けど、俺…」
(俺が好きなのは佐藤だから抱かれて嬉しかったとは云えないし…)
「好きな人他に居るとか?」
「え?」
「あ、違うの?」
「…俺は、云うつもりないから。最初っから」
(だって…迷惑掛けたくないから…好きだって云って貰えて嬉しかったからそれだけでいいから)
「「「「「「なっ…」」」」」」
「じゃあな」
としれっと去って行く間宮の姿を呆然と見送ってしまう六人。


(なっ…何でだ?俺の方が藤村何かより…)一馬
(馬鹿な…俺がこんな金髪より気持ち良くさせてやるのに)英士
(うそだろ?間宮。いつも良く俺と話すじゃん?)結人
(何で?シゲにムリヤリされた筈なのにそれは責めないってことは…?
俺の方がシゲよりは喋った事あるし、ポジションだって近いし選抜で同じチームだぞ。なのに何故?)水野
(うそやろ?間宮。俺とはHしたやん?)シゲ
(そんなはずない!間宮は絶対俺が好きなんだ)藤代
つづく?

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