Good-bye Lovers2
  
 2003/11/24 (月)  
 
 

 

 姫が里帰りしているその頃、鳴海皇たちはといいますと…。
「皇、何で妃を一人で行かせたんですか?」
と秘書官で鳴海皇の従弟でもある設楽が言いました。
「あのな、公務中じゃないんだから普通に喋れよ」
「…でも、誰かに聞かれたら不味いんじゃないの?」
「そうか?けどお前俺の従弟だし、一応皇族じゃん。
間宮のことだが、一人で行かせたら何か不味いのか?」
「そりゃ、そうだろ?お前結婚してから妃の父皇に
挨拶もしてないんだし。一応俺から手紙は出しといたけれどよ。
皇子二人とも連れて帰ってくるか解らないぞ?
ジークの方は絶対お前の子供じゃないと俺は見たね」
「へ?けど双子だし、金髪だろ。そりゃ顔は
俺にもあいつにも似てないけど」
「だからさ、お前と結婚する前に既に誰かと契ってたんじゃねぇの?
まぁ、凡そ恋人居そうにない外見だけど、案外そこが落とし穴かも
しれないし」
「じゃあなにか。ジークはルーイと双子で生まれたけど、
間宮の恋人との子供ってお前は言いたい訳?」
「そうゆこと。だって奇怪しいだろ?あれは。
いくら金髪ったって…あそこまで親の両方に似てないなんてあるか?
もしあったとしても、どちらかの親の親の面影くらいあっていいんじゃねぇ?
それに、孫の顔見せに行きたいなら何故産後直ぐとか一年置きとかじゃなく
十年も経ってからなんだ?公務があるっていったって、妃の方は
子育ての方が主なんだし、外交やら他国の舞踏会とかそんなんさえ無い日
だったら、幾らでも里帰りは出来た筈だし」
「で?設楽は何が気に食わないんだよ。
間宮が里帰りしたことについて…。
そりゃ顔はあんなだけど結構何でも気がついて、
甲斐甲斐しく俺やら女官宦官たちに至るまで世話焼く奴だぞ」
「まぁ、降嫁した妃だからそこら辺の国の姫君よりは
気立てが良くなければあれほど倍率高くならないだろうけど。
ただ外見はあんまりよろしくはないけどな」
「外見はなー。ってか、倍率って?」
「お前知らなかったのか?
ああ見えても間宮妃はかなり倍率高かったんだぜ?
うちみたいな弱小小国の妃には到底無理かと思った程だし。
他国の皇子たちはうちと同じく間宮妃の国とのパイプが
欲しかったってのもあるだろうけど、妃本人の気立ての良さとか
凄く良く中る占いの腕も欲しかったらしい。
まぁうちなんか戦は無理だからアレだけど、郭皇子の所や
三上皇子の所なんかは相当入れ込んでたらしいぜ。
それが何故だかうちのこんな不甲斐無い皇をよく選んでくれたよ。
妃に感謝だな」
「不甲斐無いってなんだよ?」
「ホントのことだろ。それは兎も角、
ジークの方、帝国(じっか)の方に預けて戻ってくるんじゃないか?」
「それならそれでいいだろ?別に」
「だからお前は不甲斐無いってんの。
お前の子じゃない方を預けてくるってことは、
自分の父皇が死んだ後、自分と恋人?との間の子を
帝国の世継ぎにするってことだろうが。
つまり、お前の血を帝国に入れさせないようにする為
ってことを言いたい訳。
お前の血を持たない子を世継ぎにされてみろ、
何の為にお前が政略結婚したと思ってんだ?
これでは政略の意味が無いだろ。
お前の血を帝国に入れてより強い結び付きを
得るための政略結婚だってのに、それを阻止されるかも知れないんだぞ。
こっちは頭が痛いよ」
「なっ…。そうだったのか」
「気づくの遅いって…。それに、お前も一緒について行っていたら、
妃の恋人?のことも何か解ったたかも知れないし。
大体話が上手すぎたんだよ。態々姫の方から降嫁するなんて。
恋愛婚でもないのに…ましてや郭皇子や三上皇子たち、大国の皇子からも
求婚されていたにも関わらずだぜ?」
「なぁ、設楽。今からでも間宮の里に行ってもいいか?」
「そういうと思ったよ。取り敢えず宦官数名と近衛騎士たちには
待機させてるから」
「Thanks!流石は俺の従弟殿」
「褒めたって、スケジュール空けてやんないからな。
帰ってきたらきっちり公務やって貰うし。けど今は政と妃の奪還をね」
「ああ。解ってるよ」
そう言って鳴海皇は間宮姫の実家に馬車を走らせ行きました。




鳴海皇が姫の実家に着いたのは、姫が既にジークのことをシゲたちに
頼んだ後のことでした。

監視塔からつり橋の上の馬車を見た衛兵たちは噂をしました。
「皇自ら御出座しだよ」
「ああ、よっぽどうちの姫さまに惚れてるのか。それとも…」
「おっと、それ以上は失言だぜ」
「ああ。危ねぇ」

鳴海皇は馬車を降り近くにいた衛兵にここに来た用件告げると、
直ぐに間宮姫の父皇、桐原帝にお目通りが叶いました。
暫しの間、桐原帝との会話ののち、
姫が子供たちを遊ばせている中庭へと通されました。



「あ!父上!」
と声を上げたのはルーイでした。
「…鳴海、どうして?」
ルーイの声に振り返った間宮姫はとても驚いた様子で鳴海皇を見ました。
「俺もお前の父皇に挨拶して置こうかと思ってな。
設楽に公務は任せて出てきた…」
「そうか。ジーク、ルーイ、今日はお父様に存分遊んで貰いなさい」
「え?本当。父上、遊んでくださるの?」
「あ…ああ」
目を輝かせて言うルーイとジークに、鳴海皇は思わず肯いてしまいました。

つづく
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そろそろ寝なきゃー。
六時半に起きなきゃいけないんだよねー。
弁当作らなきゃいけないし。
うわー眠い。
というか完結できなかったよ・汗。

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