第2章 掴め全て個の手で


韓相奎は灯台の断崖絶壁に立ちつくしていた。そには屍の山が広がっていた。
自分が知っている顔の死体。李進救・安仁孝・申徳秀・・・・そして・・・・
ゴールキーパーで、韓と最も仲の好かった趙載浩。変わり果てた親友の姿。
既に冷たくなっていた。韓は、趙の近くにしゃがみ込み、目を閉じて下口唇を強く噛んだ。
(くそっ・・・なんてことだ・・・載浩・・・・なんで、お前まで・・・一体、誰にやられたんだ!?)
載浩の目を閉じさせると、すっと立ち上がった。
パラッ。
岩のかけらが崖下に落ちる。
カチッ。
振りかえるとそこには、狂気の色に色濃く支配された文呉鎮の姿。
「呉鎮!?」
「相奎・・・お前にも死んでもらう。載浩と仲良くあの世へ逝くんだな」
「何ィ!?」
照準を韓に合わせている。
腕に構えているのは、イングラム11Mサブマシンガン。
「呉鎮・・・う、嘘だろ?お前がこいつらを殺ったのか!?何でだよ?」
「愚問だぜ。相奎。これはそういうゲームなんだ。慣れあいなんて甘いことしてたら
生き残れはしないんだよ。だから、俺はお前を殺す。・・・・そして、帰るんだ」
「呉鎮、早まるな!話せば・・・」
「どうにかなる?なるわけねぇだろ」
韓の言葉を遮る形で、文が嘲笑する。
ババババババババーン。
韓の体は蜂の巣になった。
まるで等身大の紙人形のように、韓の体は後ろへバタリと倒れた。
「相奎・・・・なるようにしかならないんじゃないさ。自分の手で切り開いていかなきゃいけないんだぜ」
そして、文は韓を見下ろした後、そう呟き次の標的を探しにその場を後にした。
[残り15人]

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