けふ2薬局劇薬置場
「・・・・・なにこれ?」
 妖しげな薬、というのが第一印象。そしてその薬はその言葉一つで言い切れるものなのだと思う。日吉は仕事から戻り久しぶりに会った五右衛門と五右衛門の住んでいる長屋でお茶を飲んでいた。そこに先ほどの薬が五右衛門の袖口から出てきたと言うことなのである。
「あ、それ報酬」
 五右衛門はこともなく言う。実際、当人にとっては事もないことなのだろうが日吉は自分に起こりかねない事態を予測できて涼しい顔ではいられない。
「報酬って・・・・・・仕事の?」
「そりゃ、報酬もらえるっつったら仕事以外ないだろうが」
「・・・・・・・・それはそうだけど」
 貝殻に入った白い塗り薬。それだけならまだ万能薬かなにかだろうかとでも思える。五右衛門ほどの忍者がこれだけが報酬だと言ったら何かがあるに決まっている。
「これって、何の薬・・・?」
 日吉はおそるおそる聞いてみる。
「傷薬」
 がしかし、返ってきた答えは意外にも普通極まりないものだった。
「傷薬?本当に?」
「ほら、お前前に首筋怪我していたじゃん?で、良く効くって言っていたから」
 そう言って五右衛門は日吉を抱き寄せると日吉の首筋へとその薬を塗りつける。
「えっ、あ、何?」
「じっとしてなって」
 そう言うと楽しそうな笑みを浮かべ日吉を抱きしめる。日吉は五右衛門の腕のぬくもりに少し動揺したものの、抵抗はせず五右衛門のほうから離すのを待った。が、しかし
「って、ちょっと、どこ触ってんの?」
 少しの間を置いてから五右衛門の手が日吉の袴を脱がせ始める。日吉は抵抗をしようとしたが五右衛門のほうが力は上なためただ単に情欲を煽る為だけにしかならなかった。
「静かにしてたら、痛いようにはしないよ」
 日吉の耳元にささやく。その綺麗な響きを帯びた低い声に日吉はかあーっと頬が赤く染まった。そしてその間にも五右衛門は日吉の袴を下ろすとそこから日吉自身を取りだし先ほどの薬を塗りつけた。
「や、何・・・・?」
 日吉の問いには答えず五右衛門は日吉のうなじに舌を這わせる。とたん、いつも以上に日吉の身体が激しく痙攣した。
「あっ・・・・」
 後ろに倒れこみそうになった日吉をすかさず抱き寄せて引き戻す五右衛門。
「やだ・・・、ここじゃ、聞こえるし・・・」
「じゃ、声出さなきゃいいじゃん」
 あくまでも「ならやめる」という選択肢はないようである。
「そんなの・・・、できな、あっ」
 次第に五右衛門に薬を塗られたところが熱を帯び始める。淫らな気持ちにさいなまわられながらもこれではいけないと正気を保とうと唇をかみ締める。
「いいね、その顔。とってもそそる」
 しかしそういった日吉の抵抗は逆に五右衛門の加虐心に油を注いだだけで無意味なものに終わってしまった。
 五右衛門は日吉の顔を捕まえ逃げられないようにしてから唇を割り舌を入れる。何か冷たい液体とともに五右衛門の舌が日吉の口の中に入ってきた。日吉はいきなり入ってきた液体にむせたが五右衛門は少し唇を離した後再びむさぼるように日吉の口内に舌を入れ歯列をなぞり舌を絡ます。逃げることもできないので息が続かない。鼻がなければきっと窒息死するであろう。
 口と口の間から唾液が垂れる。それは卑猥な光の筋となり日吉の首をぬらしていく。
「すっげえろい顔してる」
 揶揄するように五右衛門は言う。
「それは、五右衛門が・・・・」
「日吉、四つんばいになってごらん」
 日吉の抗議をものともせずに五右衛門は日吉の身体を解放した。あくまでも自分でやらせるつもりらしい。だがしかし、自分でやるとなったらなかなか日吉は一筋縄ではいかなかった。
 目を瞑り首を左右に振る。
「あっそう。それじゃ、こうしてやる」
 五右衛門は手の中にあった日吉自身を根元を抑えて口に含んだ。さきほどの薬で敏感になっている上にこれだ。
「ああっ・・・、やぁっ、何・・・」
 わけがわからないと言った様子である。喉のおくで低く笑う。
「日吉が悪いんだぜ、嫌だっていうから」
 そして舌を使いなめまわす。日吉の身体のことならもうずいぶんわかっているつもりだ。たとえばどこをどうやってなめると反応するとか、そういうこと。
「やだ・・・・、も、どこで覚えたんだよ、それ」
 切れ切れながらも反論に出る。
「忍者としての常識でしょ」
 五右衛門は上目で日吉の顔をみる。耳まで紅潮して本当につらそうだ。でもまだ解放はさせない。もうちょっと苦しめて、自分から懇願するまで。
 日吉はぎゅうっと目を閉じ唇をしばる。と、同時に五右衛門は口に含んでた日吉のそれを離した。
「あ・・・・?」
 中途半端に投げ出されて思わず日吉は目を開けた。
「自分でやってみれば?そんなに俺に頼むのが嫌なら」
 笑いをかみ殺してわざと冷徹に言う。日吉はしばらくののち迷ったような顔をした。
「やってみてよ。見て見たいな、俺」
 この言葉が決定打となったのだろう。とうとう日吉は涙をちょっとこぼして赤く染まった顔を向ける。
「五右衛門のばかぁ・・・・」
「うっ・・・・・・」
 (うっわ〜、すっげかわいい・・・。)
 心臓がどきどき言っているのがわかる。今までにない反応だったからか新鮮なこの反応に五右衛門はしばしたじろいた。
「馬鹿って言っても駄目」
 それでも表面上はとりあえず意地悪っぽく微笑む。
 とうとう日吉は観念したのか下を向いてぼそりと呟く。
「も・・・、お願い・・・・」
「よくできました。でも、まだあとあるでしょ」
 ―――四つん這い
そのことばが浮かんだ。
「や・・・やだ・・・。それは」
 さすがにまだ少し残った理性で要求を拒否する。がしかしそんなことで五右衛門が納得するわけがない。
 五右衛門は縄で再び根元を縛ると今度は日吉の後ろのつぼみのほうに薬をつけた。さすがにこちらは効き目が早い。
「ああっ・・・」
 日吉はびくりと身体を動かす。
 奥のほうがたまらなく熱い。そのじれったさは次第に日吉の理性をじわじわと奪っていった。
「やぁ・・・。もう、焦らさないで」
 必死になって懇願するが五右衛門はそ知らぬふりをする。
 とうとう我慢できなくなった日吉は五右衛門に背を向けて両手をつき両膝を立てた。
「よっくできました」
 満面の笑みで言う五右衛門。そして丸見えになった穴に指を突き刺す。
「すっげ、もうゆるゆるじゃん。これならすぐ入るな」
「は・・・、やく、して」
 五右衛門は根元の縄を解いてあげると自分の自身を取り出し日吉の其処に当てた。
「どうしてほしい?言ってみなよ」
 普段なら口をつぐむところだが薬の効果で思考回路が回らなくなっている日吉は涙声で言う。
「いれて・・・。ついて・・・おくのほう・・・」
「日吉って、結構インランなのな」
 からかう口調。
 そして五右衛門は日吉の中に入れると乱暴に日吉の腰をつかむと振り始める。
「あっ・・・、あんっああっ・・んっ」
 涙がこぼれる。目は開けていられない。日吉はぎゅうっと目を閉じる。そしてそれとともに大きな波がやってくるのが感じられた。
「やあっ・・。もぉ、・・・」
 日吉は声高く鳴いて吐精する。五右衛門はぐったりとした日吉の身体から自分自身を引き抜く。日吉が絶頂に達したときに彼もまた達したのだろう。中から白い液体がこぼれ出た。
 あわてて五右衛門は中から精液をかきだす。ほとんどかきだしたところで日吉が寝ていることに気が付いたのだった。


あとがき
もう・・・・。うん。なんか・・・・。あんま鬼畜でもなんでもないね。
別に五右衛門が鬼畜じゃないとは思っていないのですがそれを書いたら私の中の何かが壊れそうな気がしてならんのですよ
ちなみに「五右衛門のばかぁ」は完璧に趣味です


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