・盗賊・

「けいず」様から頂いた小説にかるけんが装飾しました。
ケイズ様の卓越した小説をご堪能下さい。

 何故にこんな事になったのだろう……
 虚ろとなる思考。
 霞みがかかった……靄の中。そんな言葉が当てはまるかのように、彼女はぼんやりと考
えさせられていた。
 自分を囲むように立っている男たち。
 これからなにをされるのか……彼女は未曾有の恐怖に駆られていた。
「って、駆られるワケねーわよ!!」
 と――
 彼女は、自分の顎を掴み上げ、こちらを見下ろしていたその男の鼻っ柱に――唯一動く―
―頭突きをかましていた。
「くおおおおお!?」
 まともにそれを叩き込まれ、男の鼻腔からぼたぼたと鮮血が流れ出す。
「ザケまくってんじゃねーわよ。このノーミソ下半身男が」
「巧い事を言う」
 仲間内のひとりの男がぽんと手を叩く。
 そんな連中に然したる興味もなく、彼女は己の主張を述べていた。
「どうでもいいけどさっさと降ろせってのよ! なによこの恰好! なんであたしが縛ら
れてなきゃなんねーのよ! アタシがなんかした!?」
 発言道理、今の彼女の身体の自由は効いていない。腕には手枷を括られ束縛されている。
 腕を縛り上げているのでこの程度だが、これがもし自由だったとしたら、彼女は間違い
なく此方に飛びかかっているだろう。
 そんな事を考えながら、男たちは何とは無しに互いに顔を見合わせていた。
「だってなぁ……」
「なによ……」
「だってここ『かるけんばーぐ』だし」
「答えになってねーわよ!」
 鎖の繋がれている腕をがしゃがしゃと振りまわし喚く彼女。
「村に入っただけで投網かけられて、棍棒でしこたまフクロにされて、気がつきゃなんで
こんなとこで縛られてなきゃなんねえのよ!?」
「いや、だから……『かるけんばーぐ』だから――」
「答えになってねえって言ってんのよ。耳ねーのアンタ!? 狂ってんじゃないわよ、この
レイパー!」
「……口の悪いお嬢さんだ」
 鼻を押さえたまま、よろよろと立ち上がる男。鼻血はまだ治まっていない。
 それをつまらなそうに見る彼女。
「ふんぞり返って威張って言うモンでもないわよ馬鹿」
「いいからオメー鼻血拭けよ。ホレ」
 仲間からのさりげなくティッシュを手渡されるが、鼻血を吹き出したままの男はそれを
ひったくるように奪い取っていた。
 鼻血処理をはじめた者の代わりに、別の男が彼女に顔を向け口を開く。
「随分とまー元気なお嬢さんだこと」
「人の顔に気安く触ってんじゃないわよ男A!」
「だそーだ。骨身に染みたかー? 男A〜」
 彼女から視線を逸らし、背後へ向ける。無論、背後にいるのは鼻血処理男。
 当然のように、鼻血男からは反論の声が上がった
「染みるワケねぇだろが! だいたい誰が男Aだ!? このアマ……ざけやがって!」
「でもまあ、勝手な事やって勝手に打撃喰らってるお前もなんだかなと思うけどな。それ
に、区別つけられてないと困るだろうし」
「てめぇはどっちの味方だ!?」
 此方に食ってかかる男Aを無視し、男Cは言う。
「まぁそれはさて置き、これは尋問だよお嬢さん」
「尋問?」
 眉を寄せ、思わずオウム返しに彼女はそう訊き返していた。
「そうだ。尋問だ」
「だから……なんなのよその尋問てのは! アタシがなんかした!?」
「ふむ。話せば長くなるのだが」
「簡潔に言ってよ」
「ならば要所要所を省くとだ」
「要所省いたら意味無いじゃないの。狂ってんじゃないわよ」
 彼女の指摘をやはり無視し、相手は勝手に続けて言う。
「先日、村に代々伝わる宝が盗まれた」
「…………」
「大事に大事にしていた宝がなくなったから、さあ大変」
「…………」
「村の皆総出で捜していた処……ふらりとお嬢さんがやって来た」
「…………」
「しかも、お嬢さんの身形は盗賊だ」
「…………」
「……と、言う訳で……宝は何処に隠したのかな? 素直に吐いた方が身のためだぞ」
「ッざけてんじゃねーわよ!」
「むぅ。あくまでシラを切るとは此方としてもそれ相応の事はしなくてはならないのだが」
「それ以前になんで盗賊だからってなだけでアタシが疑われなきゃなんねぇのよ!」
「盗賊に良い盗賊がいるとは聴いた事がないな」
「そりゃアンタの偏見でしょうが! それに、代々村に伝わるとかヌかしときながら、だ
いたいこの村できたのなんざつい最近でしょうが!」
「それでも代々とはつくもんだよお嬢さん」
「うわー、すっごい張り倒したいー! だいたい宝ってなんなのよ」
「それは言えんよ。他言はできないなぁ」
 はっはっはっ、と軽やかに笑い男。それに対し怒髪天をつくかのように彼女は激昂する。
「言いなさいよ! つーか、言えってのよコラぁ! だいたい、アタシまだなんも盗って
ないのよ!!」
 と――
 その失言にハッとなり彼女。
 案の定、男たち四人はその言葉を聴き逃がしていない。
 そして、四人とも同時に口を開いていた。
『まだ?』


「まぁ、お嬢さんにはみっつの選択肢が在る」
 やはり彼女の言葉は無視し、そのままひとさし指を立て――
「ひとつは、このまま俺たちの慰み者になる」
 親指を立て――
「ふたつは、俺たちの性欲処理のはけ口になる」
 中指を立て、計三本。
「最後は、俺たちに輪姦(まわ)される」
 簡単にそう言ってのける相手に、暴れながら彼女は喚いていた。
「全部末路同じじゃないのよ!?」
「そうとも言う」
「『そうとも言う』じゃねぇわよ!!」
「まぁよ、俺たちも良心が痛まないってーワケじゃねえのよ。お嬢ちゃんには悪いけどよ、
こっちも女に飢えててねぇ」
「ンな事聴かされて、ハイそうですかなんて言えるわけないでしょ! ラリってんじゃな
いわよ! だいたいなによ飢えてるってのは!? そんなんなら娼婦相手にすりゃいいでし
ょ!! ってーよりも、だから宝ってなんなのかはっきりしろって言ってんのよ!!」
「……強気な処が結構俺好みなんだけどな」
「まあ……どうぞ思う存分、好きな選択肢を選びなお嬢さん」
「って、人の話を聴いてねえしー! だから宝はー!?」
 尚も抗議する彼女を遮り男たちは彼女の身体に手を伸ばそうとする。
 それに『やーめーてー』と言わんばかりにぶんぶかぶんと頭を振る彼女。 
「アンタたち……無抵抗で純情無垢、可憐な麗しき美貌のか弱き『一少女』になんて事し
ようとすんのよ! 本気でシバくわよ!?」
「そこまでもーベラベラ言えるテメェは恐ろしいぞこちとらは」
 彼女の頭を掴み動きを封じると、無理矢理こちらに向けさせる。
「っ――離しなさいよこの!」
 男Aをキッと睨みつけて抵抗する彼女だが、その彼女の身体が不意にビクンと硬直した
ようになる。
 なんのことはない。頭を掴み留めている男Aのもう片方の手が、彼女のインナースーツ
の股間を弄っていた。
 ゆっくりとだが指を這わせ男。
 その指が蠢き弄られる度に彼女の口からは短い悲鳴が洩れていた。
 背を仰け反らせる彼女を視、男は笑みを浮かべると、布地越しに這わせていた指をとあ
る場所に狙いを定め、そのまま突き挿れていた。
「んあああっ!?」
 まだ濡れていもいない処に挿れられた為、痛みが頭を支配した。 
 そんな彼女に構わず、男は突き挿れている指を乱暴に掻き回すように蠢かせる。
「や、やめ――んああっ!」
 肉壁を爪で引っ掻かれたその刺激に耐えられなかったのだろう。眼を見開き、彼女の身
体が弓なりに反っていた。
 しばらくして――
 秘口を嬲り続けていた男の指がようやく抜き取られていた。
 Aの指先に絡みついている液体――更には彼女の秘裂からは既に粘質じみた液が流れて
いる。
「なんだ。ちゃんと濡れるじゃねぇか。こんなに濡らすぐらい気持ちよかったのかよ」
「やめ……て……やめなさいよ!」
 睨みつけている彼女に然したる感情もないまま、男Cは言う。
「ったく……うるせぇな。おい、もういいから黙らせろっての」
「んぐっ!?」
 髪を掴んでいたAが上へと向けさせたかと思うと同時に、彼女の咥内に屹立していたペ
ニスを突き入れていた。
 熱を持ったペニスが彼女の口中を乱暴に蠢きだす。喉の奥まで突き入れられ――舌先を
擦りつけられるように抜かれる。
 Aは己の欲求のままにペニスを抜き差し続けていた。淫靡な水音が彼女の口から上がる。
「んっ……んんっ……んぅっ」
 なにか言おうとしているのだろう。だが、彼女の口は自由が効かない。逆に、動く舌が
男のペニスに刺激を与えるだけだった。
「いいぜ、お嬢ちゃん。もっと舌使ってくれりゃ嬉しいんだがなあ」 
 勝手な事を言い、彼女の頭を掴み、無理矢理前後に動かしつける。
 咥内を陵辱する男A。が――
 がりっ。
 明白に肉に噛みついた音。それと同時に、Aの口から悲鳴が上がった。
「うにょおおぉぉぉ!?」
 間抜けな叫びとともに、彼女の咥内を犯していた男がペニスを引き抜くと股間を押さえ、
ゴロゴロと床板をのたうちまわった。
 それを視、口中を蹂躪されていた感触を拭い捨てるように、ぺっと唾を吐くと、彼女は
悶絶死しかけている男に侮蔑の視線を投げつけ言う。
「きったないモン入れやがってなめんじゃないわよ!」
「うううううう……」
 尚もゴロゴロと――その際に床に在ったいろいろなものにぶつかっているが――転がり
悶絶する男。が、ようやくしてピクリとも動かなくなった。
 それを視て、背後から彼女の胸を弄っていた仲間がぼそりと言う。
「あー、こりゃ会心の一撃だな」
「防ぐに防げねーとこにモロに喰らったからな。」
「まぁ……なんだ。傷は深いぞ。がっくりしろ」
 好き勝手な事を言う仲間たち。
「て、てめえら……てめえらなぁ……」
 死にかけの兵士よろしくピクリとも動かない恰好のまま、か細い声を発するA。それを
観て、仲間内からどよめきが上がっていた。
「おお!? 生きてたか」
「薬草でも塗りゃ治るだろう。多分」
 さして心配そうでもなく――自分ではないからというのが在るだろう――男Aの頭に向
けて薬草を投げつけていた。
 ぼふと男Aの頭に薬草が当たると同時に、こてと力尽きたかのように崩れ落ちた。
 それを見て男Cが言う。
「死んだか」
「死ぬワケねぇだろが!!」
 薬草を握り締めたまま、がばりと跳ね起き男A。それを見てつまらなそうになる男たち。 
「なんだ生きてやがったのかよつまんねぇーな」
「指摘すんのは其処じゃねぇだろ!?」
 かなりの涙目になりながら――当然、痛みはそれ以上のなにものでもなかったのだろう
――言う。それを聴き、ふむと顎に手を当てながら……
「ああ、なら、お前って、結構変わった悲鳴上げ――」
「違うわボケぇ! ちったあ心配しろってんだよ!! 噛み千切られるかと思ったんだぞこ
っちは!!」
「えー? そりゃお前が勝手にヤラれただけだし」
「ええい! もういいわい!」
 そのまま痛みの発端となった相手を睨みつけて男Aは続けて言う。
「このクソアマ――人が下手に出てりゃつけあがりやがって!」
「下手って言う下手でもねぇけどな」
 ぼそりと呟く男Bの言葉を聴きながら――Aは振り向きもせずに蹴り飛ばす。
 吹き飛ぶBを見もせずに、Aは彼女の服に手をかけ――そのまま力まかせに引き裂いて
いた。
「っ――なにすんのよコラぁっ!!」
 露になる胸。
「このっ――アンタ、この服気に入っていたのに! なんてことすんのよ!」
「テメェももちっと気の利いた台詞言え! これからボロクソに犯しまくってやんだよ!」
 会話が変に噛み合っていない。
 自分の一張羅を大無しにした相手に憎悪の滾る双眸で睨みつけ、彼女は呪うように口を
開いていた。
「アンタら……いい加減にしないと本気でカタすわよ。捌くわよ。ぶっ殺すわよ!?」
「ホントに女か? こいつ……」
 そんな事を言いながら、男Cは彼女の胸を荒々しく掴み揉みしだいていた。
 が! 
 胸を弄っていたその相手の手に――彼女は『ガブッー!』と噛みついていた。
「いでええええええ!!」
 慌てて手を引っ込めようとする男C。だが彼女は逃がすまいと更に2度、3度と執拗に
噛みついていた。
 それでもなんとか手を引き抜いた際には、処所についた歯形が酷く痛々しい。
 がるるるる、という威嚇じみた喉から唸りだすような声音で彼女。
「この……おもきし噛みやがってこの女は――」
 と、其処で先から黙ったままの男Dが面倒くさそうに口を開いていた。
「どーでもいいけどよ、さっさとヤるもんヤっちまおうぜ。二、三回ヤっちまえば大人し
くもなるさ」
 もっともな意見である。
 よくよく考えてみれば相手はたかがひとり。此方は四人である。
 客観的にみても、力ずくでどうこう出来ない方がおかしいというものだ。
 それに頷き、彼女の背後にまとわりついていたCが脚を開かせ、股間部を覆うインナー
スーツに指をかける。
「ちょっ――」
 その恰好のあまりの恥ずかしさに、彼女は慌てて脚を閉じようとする。が、開かされて
いる手前それが叶わない。そうこうしているうちに、スーツに指をかけていた男はそのま
ま生地を引き裂いていた。次いで下着も剥ぎ取られ股間が露にされた。
 羞恥により、彼女の顔がかあっと紅潮していった。だが、口から出たのはあくまで強気
な言葉。
「アンタたち――覚えてなさいよ……絶対に絶対に殺してやるからね! 泣き叫んでも許
さないわよへっへっへっ」
「へえへえ、その気丈さ何時まで続くかねぇ」
 気楽な声音とともに、己のそそり立つモノを彼女の前にかざしていた。
 さすがの彼女も、これからされる事に眼を見開き、イヤイヤと頭を振り拒絶する。
「しっかり押さえてろよ」
 そう言うと、自分のモノを掴んだまま彼女の秘唇に当てていた。もう片方の手は彼女の
腰を掴んでいる。
「や……やだ……やめ……やめなさいよ……」
 先までの気丈さはない。酷く怯えた女の声だ。
 そんな態度の相手に、男Aは気をよくする。幾ら抵抗しても相手は女だ……そんなこと
を考えていた為、更に調子に乗ろうとして――
 地獄をみる。
「やめろって言ってんのがわかんねーの!?」
 彼女の声音が一変した。
 その変化に驚く隙も与えずに――そのまま――
 背後から脚を掴み開かされているのもお構いなしに、彼女の脚は、挿入しようとしてい
たAの顎を力任せに蹴り上げていた。
「ぐおおおおお!?」
 蹴り上げられ、そのまま――今回二度目の――ゴロゴロと床板をのたうちまわる相手。
 彼女の脚を開かせているCも唖然としたまま無言となる。
「調子に乗ってンじゃねーわよ。お安くないのよ、あ・た・し・は!」
「こ、ここここ、このアマ」
 顎をブチ砕かれたのか、巧く呂律が回らない。挙句には、口の中は血だらけだ。顎を砕
かれたら喋れない筈と言うのはこの際無視している。
 そんな男にフンと鼻で笑い彼女は言う。
「痛かった? あらゴメンナサイね。アタシのこのブーツ、ただの代物じゃないから。鉄
板鉄骨組まれてるから当たるとそりゃ痛いわよ〜♪」
 そこで言葉を切り、くすりと笑い、唇を舐める。
「打ち所悪けりゃ死ぬかもね〜♪
「て、ててて、テメエ! ハナから殺す気だったろ!? 挙句にゃ眼が能面じゃねぇか!」
「殺されて当然のような輩がなに被害者ぶってんのよ!? 人の身体勝手に弄繰り回しやが
って! しまいにゃブン殴るわよ!!」
 そのまま――背後から押さえ込まれているのにも関わらず、ずがすと二撃目の蹴りを相
手の顔面に叩き込んでいた。
 言葉と行動が裏腹だ。
 三度床板に転がり――男Aは完全にピクリとも動かなくなった。
 と――
 自分の胸に手をかけている背後の男に対しても、暴行を加えていた。
「いつまでも人の胸触ってンじゃないわよ!」
 そのまま後方に向けて首を反る。たったそれだけの事なのだが、一端顔を沈ませてから
の挙動だ。
 背後にいた男にとっては防ぐに防げない行動である。それ故、鼻っ柱に叩き込まれ悶絶
する事になる。
「おおおおおおっ!?」
 鼻を押さえながら倒れる男B。それを視、残ったふたりはさすがに耐えきれなくなった
のか、彼女を黙らせようと、力ずくで押さえ込もうとするが――
 ぎゃいぎゃいと喚く彼女に足蹴にされ、床板に昏倒するというザマになっている。
 完全に手がつけられない――
 明らかに拉致る人材を間違えている――
 それらを踏まえて――
「誰だこんな女拾って来たの――っ!?」
 それが自分たちだという事を棚に上げたまま、ぼたぼたぼたと鼻から血を吹き出しなが
ら男Bはそう呻いていた。

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