『黒』は

何もかもを飲み込んで、
『黒』一色にしてしまう。



でも・・






『黒』は本当に一色なの?







『黒いオオカミと白いオオカミ』




あるところに、キツネとオオカミが一緒に旅をしていました。

キツネは頭が良く、化けるのが上手でした。

オオカミは、とても速く走れ、そして、とても力が強かったのです。

毎日、二匹はきままに暮らしていました。



食べたいときに食べ、



眠りたいときに眠り、



走りたいときに走りました。



しかし、オオカミには悩みがあったのです。

それを、キツネは知っていました。

そこで、キツネはもう一匹の仲間を迎えることにしたのです。

今いるオオカミと対のような、真っ白なオオカミを・・。


白いオオカミは、かなり無愛想でしたが、日を追うに連れ、だんだん二匹に馴染んで行きました。

ですが、黒いオオカミは、白いオオカミと行動を共にしていくたび、胸が苦しくなります。

ある日、その理由に気付きました。

「お前の毛並みは真っ白だな」
「今更何を・・?見たらわかるだろう?」
「あぁ。全てを反映させる色だ。だが、俺は違う」

そう、自分の毛並みは黒。
全てを覆い隠すような、
全てを秘密にするような黒。


それは弱さの象徴。


相手の色を知るのが怖くて
自分を知られてしまうのが恐ろしくて・・・


「俺は・・お前と違って弱い。この色で隠してるんだ。自分の見たくないモノを」


真っ白な君は、いつも全てを受け入れてる。
跳ね返ってきたモノを全て、
見たいモノ
見たくないモノ

全てを
その白で迎える。


「俺は卑怯者だ」



「それは違う!」

黙って聞いていた白いオオカミが突然言いました。黒いオオカミは少々驚くと、白いオオカミは続けて言います。

「いいか。見てろ」

そう言った途端、白いオオカミは茂みの中へ飛び込みました。すると、悲鳴が聞こえます。黒いオオカミは思わず身構えましたが、次の瞬間、白いオオカミは別のオオカミの喉笛を加えて、黒いオオカミの前へ姿を現しました。

「今、コイツが拙者達を狙ってた。だから、先手を打った」

ぱっ、くわえていた喉笛を離すと、襲おうとしていたオオカミは弱々しくも立ち上がると、走り去っていきました。

「拙者の体には、どんな色がついている?」

呆然としている黒いオオカミに、白いオオカミは尋ねました。

「どんなって・・紅・・」
「そうだ。血の色だ。しかし、洗ってしまえば、また先ほどの様に白に戻る」

白いオオカミはそういうと、黒いオオカミの体にそっと頭をこすりつけました。


「黒は、たくさんの色と交わって黒なんだ。黒は、一色なんかじゃない。御主はちゃんと、そのたくさんの色を知っているだろう?」


自分に都合のいい色だけじゃない。

どんな苦しみの色も
どんな痛みの色も
どんな幸せな色も

全て

全てを知ってる。

「御主は強い」


黒いオオカミは、黙ってうつむいていました。白いオオカミはその様子を苦笑いしながら見つめ、そして、また、いいました。

「白は反映はするが、その場限りだ。洗い流せば、また白に戻っていまう。だから・・全部を知る、御主の側に・・いさせてくれ」


一人だと
自分の色だけを見つめてしまいそうだから。


「おめーみてぇなこと言う奴、初めてだよ」


やっと、黒いオオカミは顔を上げていいました。

「あのな、全部の色なんて、俺は知っちゃいない。だからさお前も・・」


側にいろよ。
俺だけじゃ分からないから。

それで教えてくてよ。
どんな色を俺はしてるのか。

「・・承知した」




次の日、キツネは黒いオオカミがスッキリした様子をみて、満足げに笑うと、2匹を連れて、再び旅にでました。


3匹がどうなったかは・・空だけが知っていることでしょう。



                            fin




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真面目にシリアスを書いてみましたが、
まぁ、まぁ、ダーク度高いったらありゃしない。
黒いオオカミさんったら、随分弱い立場だし、
キツネさんは全てお見通しだし。
あぁ、文章能力が欲しい。
こんな重苦しいのをここまで読んでくださった方に
100万ドル。←あげれませんのでご了承を。
それでわ、お粗末さまでした。



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