―頭脳明晰、容姿端麗―
―地球の平和を守るエヴァのエースパイロット―
「惣流・アスカ・ラングレーとはアタシの事よ!」
なに!? 知らない?
「ばっかねぇ!! そんなわけないでしょ! 首相の名前は知らなくてもこの私の名前を知らないなんてことが」
「あるわけないじゃない!!」
頭脳明晰、容姿端麗 エヴァのエースパイロット
惣流・アスカ・ラングレー
そんなパーフェクトなアタシにも悩みはあるわ。
なに? その前にLASって知ってるかって?
「しっつれ〜ねぇ。この私に知らないことなんてあるわけないじゃない!
ま、まぁでも一応あんたの顔を立てて聞いておいてあげるわよ」
「(ふむふむ)……なぁんですってぇ!? ぜーっったいダメよそんなの! 今すぐ廃止よ! 廃止!!」
「だぁれのおかげで地球の平和が守られてると思ってんのよぉ!!」
「(はぁはぁ)……そうね、今度からはLARにしなさい。文句は言わせないわ。ア・タ・シ・がルールよ!!」
え? Rは誰かって?
「そんなの決まってるじゃな〜い。加持さんよ、加持さん! 加持リョウジさんのRよ♪」
「それより!! 人の話を聞きなさいよね!!(バン!)」
「頭脳明晰! 容姿端麗!! エヴァのエースパイロット! 惣流……」
え? もう聞いたって? なによ、アタシに指図する気!?
まぁ、今日のところはいいわ。簡単に言うと、アタシには今悩みがあるのよ。
―それは親友のヒカリの事―
そのヒカリが……なにをとちくるったのか、あろうことかあの三バカの頂点とも言うべき
ジャージの関西弁を好きだなんて言うじゃない!!
みすみす親友が不幸になるのを見過ごすわけには行かないわ!!
どうやってヒカリの関心をあのバカから逸らすか……。
(ポン!)そのためにはやっぱり新しい男の存在ね!! そうと決まればぁ……。
「めぼしい男は、と……(きょろきょろ)」
「このレンズがたまらないんだよなぁ、なんてったってドイツ製だからね」
相田……
「また新しいの買ったの? ケンスケも好きだなぁ」
バカシンジ……
ダメダメ、ぜんっっぜんダメよ。あんな2バカ。鈴原と変わらないわ。問題外の外よ。
「となると……後はネルフね……」
―ネルフ本部―
「男の人は……っと(きょろきょろ)」
お、あそこに居るのは青葉シゲルさ〜ん。
「ふむ……ロンゲがちょっとケーハクだけどさわやか青年よね……あら……?」
神聖な仕事中にどこ見てるのかしら……。
「おやぁ? 視線の先にはマヤ……なるほどそう言うわけね」
じゃあ青葉さんはダメね。
「次は……(きょろきょろ)」
お、日向マコトさんね。
「う〜ん。ちょーっと地味だけど真面目そうだしヒカリには良いんじゃないかしら?」
でも待てよ……そうだ、彼はミサトが好きなんだ ったくミサトなんかのどこが良いのかしら?
「あとはぁ……(ぶつぶつ)」
お、シンジのお父さん。相変わらずの仏頂面ね。
「ダメね……あの顔じゃヒカリが怖がるわ、それになぁんか優等生と怪しいのよね」
あんなロリコンむっつりにヒカリを任せることなんて出来ないわ。
「もぉ! ろくなの居ないんだからぁ!」
あ、冬月副司令だわ。
「そうねぇ。ロマンスグレーだし、優しそうだし……良いんじゃないかしら」
でもちょっと年が離れすぎているわね……。せめてあと10歳若ければね。
「他には……もう居ないわね」
「青葉さんでしょう、日向さんに、碇司令、副司令。あとは……えっと、何度考えても他に居ないわね」
「青葉さん、日向さん、司令、副司令……青葉さん、日向さん、司令、副司令……え〜っと……」
「他に誰もいるはずないわよね……」
いるはずないのに……なぜか頭に浮かんでくるのよ!!
「……髪を後で束ねてて」
「……無精ヒゲが似合って」
「着崩したスーツが素敵な人なんて居ないわよね!!」
「居ない居ない、居るはずないわよ。アタシったら何言ってるのかしら」
「居ないんだってばそんな人……」
「よう、アスカじゃないか」
「あっ!! かじさぁ〜〜〜〜んv」
「……!?」
「だ、ダメよ……」
「……いくら親友のヒカリでも……加持さんはだめぇ――!!!」
「お、おい。アスカどうしたんだよ、いきなり!?」
「ダメったらダメなのよぉ!!!」
―そして、フリダシに戻る―
こうしてアスカの日々は過ぎていく……