みんなはアタシを「天才少女」だと言う。
みんなはアタシを「かわいい」とはやしたてる。
でもアタシはそんな声に甘んじることなくより上を上を目指す。
それをやめる事はアタシのプライドが許さないから。
アタシにはそのプライドが全てだった。今までは……。
―アタシは要らない子なの? ―
それが全ての始まりだった。
―もっとアタシを見て! ―
それがアタシのプライドを作る全てだった。
―アタシのプライドをぼろぼろにした奴がいる―
アイツをアタシが必要とした時、アイツはアタシを必要としなかった。
アイツがアタシを必要とした時、アタシはアイツを必要としなかった。
お互いにもっと相手の事をわかってあげられたはずなのに。
そしてわかって欲しかったはずなのに……。
サードインパクトから目覚めた時、アタシとアイツは世界に二人だけだった。
アタシは内心ホッとしたのかもしれない。
だって、ここではもうアタシはプライドを保つ必要がなかったから。
そしてアイツもホッとしていたのかもしれない。
だって、ここではもう他人との関わりで傷つく事がなかったから。
そしてそのとき初めてアタシ達はお互いを、他人を必要としたのかもしれない。
みんながLCLの海から還ればアタシはまたプライドを保たなくてはいけない。
みんながLCLの海から還ればアイツはまた他人の恐怖を味わう。
でもアタシ達はそれを望んだ。
プライドなんか捨てても良い。他人の恐怖なんてなんでもない。
だから……
だから……
「アスカー! 碇くーん!」
「シンジ! 惣流!」
「シンジくん! アスカ!」
だからアタシたちは今ここにいるんだ。