自分の故郷といえば日本(誰がなんて言おうと)。
そんな訳で―――
「はぁ…」
仮面ライダー2号・一文字隼人は至福の時を満喫していた。
「まるで海鼠だな」
こたつに下半身を突っ込んだままうつ伏せに寝転んでいる一文字を見、仮面ライダー1号・本郷猛は正直な感想を口にした。
「もっと他に言い方ないのか?」
微妙に音程の外れた歌を歌いながら、本郷も、一文字から見てコタツの左側面に中に足を突っ込む。
「今までどこにいたんだ?」
そんなのいつ決めたんだ?―――思わず一文字は首をかしげた。
「うまいな、このみかん。隼人もいるか?」
一文字用にみかんの皮をむきながら、本郷は笑った。
「“去年しようと思ってできなかった事をする”だ」
正直な感想を一文字が口にすると、本郷は微笑を漏らしながら、
「やりがいはあるぞ」
と、答えた。
「で、去年あんまりできなかった研究をしているのか?」
もう一口みかんを頬張ってから、一文字は新たにわいた疑問を口にしてみた。
「研究以外に去年できなかった事って何があるんだ?」
と、本郷は指を折りながら数え始めた。
「―――犠牲者の保護。両親の墓参り。たまっている資料の整理。それから―――」
妙な言い回しを感じ、一文字は体を起こして次を待った。
「……え?」
軽く、ついばむように、一文字の唇を自身のそれで触れた。
「何するんだ、いきなり…」
やや低めの声で問いただすと、本郷は変わらぬ微笑で答えてきた。
「だから抱負だ」
一文字の耳に口を近づけ、本郷は一言囁いた。
「〜〜〜〜〜…////」
顔を真っ赤にさせながら、呆れた表情で一文字は本郷の顔を見た。
「……ま、望んでないなんて言えないからな…」
今度は一文字の方から本郷の唇にキスをおとした。
「俺も何か抱負考えようか…な?」
終
◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 注:本郷家のコタツは電化製品ではありません。昔ながらのコタツで、「中に顔入れてたら死ぬよ!」と怒られるタイプです。故に、基本的に電気コタツより熱いです。下手したら熱すぎて足を中に入れておけません。コタツなのに!(笑)
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新年早々ラブラブ甘々な二人で書いたこっちが砂吐きそうです(照)。
一文字さんの故郷に関しては、偽ライダー篇で誰もが一度は突っ込んだ事があるでしょう。
だが、それでも彼の故郷は日本なんでしょう!!(イギリスも故郷なんだろうけど)
そして日本の冬といえばコタツ!!
私はいつもコタツの上でパソコン使ってます。夏でも冬でも季節関係なく。
そしてそのコタツが本郷邸にあるようなコタツなんです。
本当熱いですよ〜、今もコタツに足をずっと入れておけません。熱い。