“S”
破滅的な愛を欲する僕に微笑んでくれる君の本性 追い詰められていたのは僕の方だと気付いていても 君の望むままに体を赤く染めていった僕の魂
白と黒と赤以外――――何も見えないんだ…
自分の本当の望みも願いも解らないまま歩いて来た二人 時々流れる『虚無』のイメージが何なのかも考えずにいたのは それが存在している事さえも自覚していなかったから
すぐに自我を手放そうとする君が欲望するのは――――痛み…
すぐに自我を殺そうとする僕が切望するのは―――――涙…
君を傷付ける事で君は助かろうと僕の下で足掻き 僕に笑いながら泣く事で君の上で僕は両手に枷を嵌めた それでも二人は魂が安らかになる時が訪れない事を知っている
自分の望みの物になっていく様で本当は全く違う物に為ってしまった二人なのだから
殷と丹と緋以外――――全て消えてしまった
それが僕等の欲
2000・02・13
世の中にはサドとマゾがある。 いっちょ私なりにサドを表現してみた…つもりです。 ちなみに私はサドです。軽いね。
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