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blue memo




 LUCKY FORTUNE おまけ編・12
 

「オレはッ男だー―ッ!!」
普段の外面をかなぐり捨てて心からの絶叫をする新一に、哀はさっきの新一を真似て両手で耳を塞いだ。
(やっぱりね。結局はこうなるんだから)
荒れ狂う新一と取り残される身にもなって欲しいと、さっさと逃げ出した彼女たちを恨めしく思う。
やはり、引き際の素早さは長年の付き合いからだろう。蘭も園子も身の翻し方は見事だったし、佐藤刑事はさすが警察官だけあって素晴らしい瞬発力だった。そして和葉は、服部以上の猛者だけあっていまだ意識を失ったままの体を引き摺りつつもきちんと持って帰る手際を見せた。
「ほんま堪忍な!工藤くん!」
勘違いしてしまったことも詫びながら。
だが、そんな言葉は今の新一に届きはしなかったし。届いたところで怒りを鎮める術にもならない。
「くそーっ!どうしてオレが男をとりあって修羅場なんて演じねぇといけないんだ!なんでこんな気持ちのわるい下着なんか着けねぇといけないんだーっ!」
廊下を踏み抜かんばかりに地団駄を踏んで暴れる新一からそーっと離れると、哀はこっそりリビングへと戻った。
「付き合ってられないわ。えっと、携帯は――あった」
部屋を見回して、一人がけのソファーの上に置いたままのソレを見つける。シルバーメタリックの機体には最初から付属しているストラップだけで何の飾り気もない。実に新一のものらしいのだが、今の哀はそんなことに微笑む気分ではない。
他人のものなんてお構いなしに素早く操作をして中身を調べる。が。
「…なにコレ。アドレス帳はからっぽじゃないの。履歴は……警視庁と刑事ばっかり…」
お目当ての人物へ繋がるものは、なにもなく。哀は深々とため息をついた。
「徹底してるのは結構だけど…困るのよ」
快斗に連絡をとってすぐにでも帰ってこさせようと考えたのに、連絡手段がなくてはどうしようもない。
やはり自分が宥めるしかないのかと思っていたところに、ドスドスと地響きが伝わってきた。
「もうイヤだ!!絶対にイヤだッ!!灰原ッ!!」
「なにかしら?」
壊れんばかりにドアを開いてやって来た新一が何を言いたいのか、これまた十二分に予測がついた。
「オレ、何が何でも男に戻るッ!!パンドラの魔力が解けなくても、男になることは可能だろ?!」
(…やっぱりね)
無理難題を突きつけられてまたもため息を吐きたくなるが、ぐっと堪える。
哀だって本気で頼まれればどうにかしてあげたいという気持ちはある。しかし、パンドラという未知の力によって人々の記憶ごと体を作り変えられているのだ。
哀の知識や科学の力では太刀打ちできない気がするし、下手なことをして新一がどうにかなってしまっては元も子もない。
「あのね、工藤くん。そんな後ろ向きなことを考えないで、もっと前向きに考えてみたらどう?」
「前向き?この体でどうやって前向きになれるっていうんだよっ。オレにあのレースやらフリルやらを着ろっていうのか?それじゃあただの変態じゃないか!」
「変態…って」
だって今のあなたは女の子じゃないの。とは、いくら哀でも口にするのは憚られる。
(こういう場合はエサでつるのが効果的よね)
新一にとってのエサとは言わずもがな。これから女の子として生きていってもらうためには、女の子がどれだけいいかというのをわかってもらうに限る。
「いい、工藤くん。多少のことに目を瞑れば、あなたにとって今の状況はいいことだらけよ」
「え…?」
思いもよらない言葉に新一を支配していた激情はどこかへ吹っ飛んで。ぽかんと口をあけて哀を見返す。
「…いいこと、だらけ?」
「そうよ。何が一番って、黒羽くんが自分のものだって大手を振って公言してまわれるのよ」

2005/07/12 (火)




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