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blue memo




 LUCKY FORTUNE おまけ編・11
 

「もうこうなったら!平次を賭けてタイマン勝負――」
「工藤くん!誕生日おめでとう!!」
眦を吊り上げた和葉に、哀がすかさず麻酔銃で狙いを定めるや否や。
中途半端に開いたままだった扉が開かれて、元気一杯の佐藤刑事が飛び込んできた。
「あら?なにやらお取り込み中?」
「佐藤さん、それに…」
「あー!和葉ちゃんじゃない!どうしたの?」
「なになに?!その血まみれのヤツ!」
「これは浮気モノやねん…!」
この場の雰囲気を全く無視した至極明るい声たちに、和葉の握り締められた拳からは力が殺がれる。
(さて、間のいいところに来てくれたのか。それとも…)
構えていた腕を下ろして、哀は傍観する立場に舞い戻る。ちろりと仰ぎ見た新一の表情は、佐藤刑事の背後からひょっこり顔をのぞかせる蘭と園子を認めて、なにやら複雑めいている。
(ホントに不器用なひと。ま、要は彼女たちの認識如何よね)
ふむと哀が頷くのを他所に、蘭と園子が血まみれの物体の当たりをつける。
「浮気モノ…?ってことは服部くん?」
「え?あの大阪の探偵さん?」
「そうや!うちを騙して工藤くんと仲良くしてんねん!せやからお仕置きをしたってん!」
根拠のない言いがかりに、もはや新一は言い返す気力もなかったが、代わりに園子が盛大に笑い飛ばす。
「やだーっ!なに、それ?!この新一くんが男とできてる?!そんなこと絶対にありえないわよ〜!!」
「あ、ありえない?!」
「そうよ!だって新一くんはまるっきり”オトコ"なんだもの!」
「へ?!」
きっぱりと告げられたことに和葉は唖然と口を開き、新一は俄かに目を輝かせた。そして哀は、次に言われるであろう言葉を十二分に予測する。
「だってこやつ、中学高校ともずっと男で通してきてんのよ。制服だって男子のものだし、トイレですら男子トイレに入るようなヤツなのよ!はっきりいって性別間違えて生まれてきてんのよ!誰かと男を取り合うなんて、そんな色っぽいことこの世が破滅しても在り得ないわ!」
(やっぱり)
パンドラの魔力は覿面だ。上手い具合になされている記憶操作に哀は感心し、昨夜からちっとも優しくない現実をつきつけられている新一は呆然と立ち竦むばかり。
そして和葉は掴み上げていた服部を地面に放り出すと、目を丸くして蘭に詰め寄った。
「そ、そうなんか?蘭ちゃん?」
「そうよ。何度言っても聞いてくれないの。いつまでも男で通せるワケないのに、頑固で困りものよ」
「そうそう。それで今回の工藤くんの誕生日を期に、私たちが何とかしようと思ったのよ」
苦笑する蘭に相槌を打った佐藤刑事は、手にしていた紙袋から綺麗にラッピングされた箱を取り出し、ずいっと新一に差し出した。
「はい、バースデープレゼント。工藤くんに似合いそうなものを一式とりそろえてみたわ」
「そうそう!新一くんもこれでばっちり女の子に変身よ。レースやフリルに身を包んだら、絶対に女の子のほうがいいって思うから!」
「え…?な、にを…言って…?」
クエスチョンマークをいっぱいに貼り付けた新一に、佐藤刑事は強引にプレゼントを抱え込ませると。勢いよくリボンをはずして包みを開ける。
「ほら、昨夜も言ったでしょ。もう年頃だからブラジャーをしなさいって。それがこれね。ちゃんと工藤くんのサイズに合わせてるから大丈夫。ショーツと揃いだから、同じ色柄で着けてね」
「えーっ?工藤くん、ブラジャーもしてへんかったんか?!」
「そうよ。ビックリするでしょ和葉ちゃん。下着だって男ものなんだから」
「そ、そうやったんか…!」
先ほど『男なんかと気持ち悪くてつきあえるか』と言ったセリフを俄かに思い出した和葉は、申し訳ない気持ちで新一を振り返った。
だが、そんな視線を受け止めることもできずに、新一はいまだに呆然自失のまま。
園子の言った通りのレースやらフリルやらの下着類から、少女らしさを強調するような普段着を、佐藤刑事と園子に次々と体にあてられて遊ばれている状態だ。
「かわいい!さすが美人さんだから良く似合うわ!」
「やっぱ私の見立ては最高ね!いつまでも男のナリなんてしてないで、思いっきりおしゃれしなさいよ。制服も用意してあげているから連休が明けたらきちんと着てきなさいね」
「おばさまも喜ぶわよ。今朝だって新一の様子を心配して電話をくれてね。そろそろ女の子の名前に改名したほうがいいけど、どんな名前だったら新一が気に入るかしらって言ってたもの」
「工藤くんってホンマ不憫やなぁ」
「全くよね。せっかく女の子に生まれたっていうのに、もったいないったらないわよ」
「急に全部は変えられなくても、せめてブラジャーはしてね。昨日だって目のやり場に困っている男どもがいたんだから」
「新一は女の子なんだからね!」
同情に目を潤ませる和葉と、畳み掛けるように言い募る3人に。人事不省に陥っていた新一も、とうとう我に返る。
ぷつり、と何かが切れる音がして。
「オレは男だッ!女の服なんてッ絶対に着ないッ!わかったらコレをもってとっとと帰れッッ!!」
レースやフリルの諸々の品物を体から引っ剥がすと、盛大に憤懣を爆発させた。


2005/07/11 (月)




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