どんなに形を変えても、
それはとてもとても大切な感情。
‐‐‐The word which can't be
said‐‐‐
好き。
厄介な感情だと思う。
好き。
厄介な言葉だと思う。
好き。
厄介な認識だと思う。
だけど、それは何よりも大切な言葉。
新一。
そう、彼が自分の名前を呼ぶ。
当たり前のように、いつのまにか傍にいた存在。
最初は何事かと思うくらい強引に、でもその顔には穏やかな笑みさえ浮かべて隣にいた人。
そして、当たり前のように自分の名前を呼ぶ人。
当たり前のように、自分に好きだと告げる人。
・・・そう無邪気に言われたら、それは自分と同じ気持ちなのだと思えてしまう。
きっと、君はただ単に「友達」として
好きだと笑ってくれてるに違いないのに。
君の「好き」と俺の「好き」
違うはずで。
確かめる勇気もない、無理矢理押し込めようとしている気持ち。
−好き、だよ。
君のことが、とてもとても好き。
好き。
−抑えきれなくなるくらい。
大好きなんだ。
−君の声、君の顔、君の仕草、君の呼吸、君の心。
全部が。
−その全てを手に入れたいくらいに。
切望してる。
愛してるよ?だから君に「好き」って言ってあげられないんだ。
きっと、俺と君の気持ちは同じ形の違う気持ちだから。
好き。
なんて厄介な感情なんだろう。
好き。
なんて厄介な言葉なんだろう。
好き。
なんて・・・なんて厄介な。
君の笑顔に「好き」と返せば、まるで同じ気持ちを抱いているのだと思えてしまう。
だから、言わない。
それは同じ形をした、きっと違う気持ちだから。
言えない言葉は、日に日に重くなっていく。
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