海の底に、人魚の住むお城がありました。沢山の人魚姫が仲良く暮らしています。
今日は、末の平次姫(爆笑)の16歳の誕生日。人魚の世界では16歳になると海の上の世界を覗き見ることができるのです。
平次姫は、早速海の上を見に行きました。初めて見る海の色とは違う空の青さにすい込まれそうで少し怖くなりました。
ふと見ると、遠くに大きな船があります。
「あれは、なんや?」
好奇心にかられて平次姫は、船に近づきました。


「なんて綺麗な人なんやろ」
船の上にいる、一人の少年に目を奪われた平次姫はお城に帰ることも忘れフラフラとどこまでも船に付いて行きました。
なんだか雲行きが怪しくなり、とうとう大嵐になってしまいます。
少年を乗せた船はあっという間に、沈没してしまいます。
「たいへんや。あの少年助けたらな」
夢中になって少年を捜す平次姫。
ようやく探し出した、名も知らぬ少年を浜辺に寝かし間近で見たその美しい顔にウットリとしてしまいます。
「綺麗や・・・」
もう少しで口付ける瞬間、人の気配がしました。
「なんちゅうとこで、人がくるんや」
舌打ちをしつつも人に見られるのは人魚の世界のタブー。
見られるわけにはいきません。素早く岩場の影に隠れます。
そこに通りかかったのは、一人の少女(?)
「あれ?こんなトコに人が倒れてる・・・・新一王子じゃないか」
どうやら少年の知り合いの様です。
倒れている新一を抱き起こして、呼びかけます。


「新一!新一!」
「あっ・・・快斗姫(笑)・・・」
「もう大丈夫だよ。俺がお城につれて帰ってあげるから」
そう言って、快斗姫は新一王子を抱き上げ連れ帰りました。


「新一王子っていうんや」
平次姫は、そのまま海の魔女のところへ、相談に行きました。
「ねーちゃん!俺を人間にしてくれへんか?」
「何を代わりにくれるの?」
シビアな答えが返ってきます。
海の魔女<哀>は、どんな薬でも作ることのできる恐ろしい魔女です。
でも、平次姫は平気でした。
愛しの新一王子に会えるかどうかの瀬戸際ですから。
「なにが欲しいん?」
「そうね。今、声の研究をしているからあなたの声と引き換えにって言うのはどうかしら?」
「ほな、契約成立や」


こうして手に入れた人間になる薬を飲んで、まんまと新一王子の住む城に、記憶をなくしたしゃべることのできない可憐な(大笑)姫と言う触れこみで進入することができました。



夢見た通り、新一王子との二人の世界を築き上げた平次姫は幸せの絶頂です。
でも・・・・そう上手くいかないのが世のならい。


ある日、新一王子が平次姫に
「結婚する事にした」
と告げました。
平次姫は感激のあまり言葉が出ません(声を盗られてるから出ないんですが・・・)
話せない代わりに態度で表わそうと、新一王子を思いっきり抱きしめ・・・・られません。するっと、新一王子が抜けていき手を差し伸べた先にいるのは・・・・あの浜辺で新一を抱き上げた快斗姫です。
「姫、今度私の妻になる快斗姫を紹介します」
「初めまして。今度、新一王子の花嫁(←思いっきり強調)になる快斗です」
ニッコリ、勝ち誇った笑みで平次姫に挨拶をする快斗姫。
あまりのショックに平次姫は、その場を走り去ってしまいました。
その場に残された新一王子は「どうしたのだろう」と心配しますが、快斗姫は「きっと、俺達に気を使ってくれたんじゃないの」といって話を違う方向に持って行きました。




「なんでや?なんでやねん?なんであいつなんや。俺が助けたのに。あんまりや」
あまりの哀しさに、涙が出てきます。船上では、新一王子と快斗姫の結婚を祝うパーティーがおこなわれています。
2人を見たくない平次姫は、甲板に1人ポツンと立って海を眺めていました。
すると、海の方から姫を呼ぶ声がしました。
そこにいたのは、年が近い2人の姉姫 <蘭姫><和葉姫>。
2人が平次姫に渡したのは、海の魔女からもらった短刀。この刃で新一王子を殺しその血を足に浴びれば元の人魚に戻ることができる。だから戻ってこいと言って2人は海の世界に帰って行きます。
このまま、この世界にいても待っているのは海の泡になることだけです。
それに、自分以外の人といる王子を見ていたくはありません。
ならばいっそうと思い、平次姫は新一王子の部屋に行きました。
なにも知らずに眠る新一王子。
その美しい寝顔を見ていると、押さえきれない情熱が溢れて平次姫は最後の最後で襲ってしまいました。



「なにをする、平次姫!」
抵抗する王子を押さえつけ、着ている寝着を無理やり剥ぎ取ります。
「やめてくれ!」
もう平次姫には、新一王子の声は聞こえません。平次姫の中にあるのは、ただ新一王子をモノにする(・・・オイ)ことだけでした。
顔を背け、平次姫の口付けから新一王子は必死に逃げます。しかし、力の差は歴然としていて、顎に手をかけられ動かすことができなくなり諦めかけたその時
「人の亭主、寝盗ろうなんて良い趣味してるな」
皮肉げにかけられた言葉に振り向くと、快斗姫が仁王立ちして平次姫を睨みつけてました。
「快斗・・・」
快斗姫に駆け寄る新一王子。
「新一は俺のモノだってわかんねぇかな?」
腕の中に逃げ込んできた新一王子をしっかり抱きしめて、平次姫に所有の宣言を言い渡す快斗姫。
新一王子は快斗姫の腕の中で安心したのか、うれしそうに姫の顔を見上げて自ら口付けをしました。
それを見た平次姫は、結婚を教えられた時以上の衝撃をうけ、ふらふらと部屋を出ていってしまいました。
「快斗・・・怖かったよ〜〜」
「だから言ったろ?むやみやたらに人を信じるんじゃないって!新一はこれだから目が離せないんだ」
「うん。これからは、快斗だけ信じる」(←それもヤバイよ王子)
「それでいいんだよ」
もう一度、今度は快斗が新一の唇を奪いました。




そして2人は、新婚初夜を迎えましたとさ。
おしまい!



えっ?平次姫はどうしたかって?
もちろん、海の泡となって消えてしまいました。



めでたし、めでたし。




■thanks



きょうさまのサイト二周年記念お持ち帰り企画にて、厚かましくも二つ目のゲットです(^^)。
だって、これもどうしてもはずせなかったんですもの〜。
悲恋物語だけど、きょうさまの見事な手腕によって、素晴らしいラブストーリー&コメディーになっていて、最高に笑わせてもらいました。
横恋慕姫に襲われる王子様の怯える姿がかわいくってvそして勇ましく最強な姫君に惚れ惚れ〜v
主役が泡となって消えたけれど、大ハッピーエンド! 堪らなく大好きなお話なのです。








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