9/20
今日は院生仲間、ヒカルの誕生日である。
「おっす、和谷!ねぇ明日ヒカルの誕生日でしょ。
うちでパーティしようよ」
昨日、ちょうど手合いから帰ろうとした和谷を棋院前で見つけたは言い出した。
「あぁ、そうだったな(やべぇ忘れてた・・・)」
「やっぱケーキいるでしょ。
明日早めにうちに来て、一緒に作ってよ」
「へ?んち?
別にそこらへんで買ってきたケーキでよくない?」
「あのね〜手作りじゃなきゃ、味気ないのよ。
じゃ、11時ぐらいにうち来てね。ヒカルや伊角さんたちには連絡しとくから」
ばいばーい、と手を振りながら帰っていった。
「あいつ・・・料理できたっけ?」
さて、宅。
「いらっしゃい、和谷。
さっそく始めるわよ」
玄関に入ったところで、エプロン姿のが出てきた。
「(かわいい・・・)お、おう!」
キッチンに通された和谷は、目を疑った。
ボールには、卵10個が割られてある(しかも点々とあるのは・・・殻!?)。
テーブルには新聞紙を引いたにも関わらず、
粉振り器からはみ出た小麦粉。
用意されている砂糖は角砂糖(ありえねぇ)。
バターはカチカチに凍っている(冷凍庫で保存していたのかよ)
「・・・一体何するつもりなんだ・・・?」
まさかとは思っていたが、
あまりにもヒドイその料理場に、和谷は逃げ出したい衝動に駆られた。
「えー?だってさ、ケーキとかってマトモに作ったことないんだよね。
せっかくお母さんが手伝ってくれるって言ってたのに今朝用事があるとか言って
出て行っちゃうんだもん」
「で、この有様か?」
「やっぱ素人はでしゃばんないほうが良いってことね、テヘv」
「(テヘじゃねぇ!)
――しゃーねーなぁ。オレがやってやるか」
「待ってました〜!
和谷、料理上手いもんね!一人ぐらしだし。
そう来なくっちゃ、誘った意味がないよ」
「そういう魂胆かよ…まぁいいや。
ほら、も手伝え」
と、そうやって渡されたのは電動泡だて器。
「これでホイップ作って」
スイッチを入れて、暫くじっと見ている。
「とりあえず、ボールにぶつけないようにそれを回しながらやれよ」
言われたとおりに回していく。
「すごいね〜和谷。
ぐるぐるしていってるよ〜」
と、油断したのか、はたまた故意か(笑
ベシャッ
「ぅわっ」
「・・・って、何やってんだよ〜!!」
泡だて器の勢い余ってか、
5分立てホイップが跳ね返り、を直撃した。
「おい、平気かよ!
あ〜あ、生クリームも減っちゃったし・・・」
「うわ〜甘いよー」
そういいながらペロっとついたクリームを舐めている。
「もういいから・・・(げんなり)
はおとなしくしてろって」
「はーい」
順調に作っていく和谷を
はただダイニングテーブルから見ていた。
「(和谷ってほんと上手いな〜。
慣れてるっていうか、手つきからして違うなぁ)」
あれよあれよというまに、和谷はショートケーキを作り上げてしまった。
「うわ〜すごーい!
さすが和谷様サマvv」
「ほらよ、最後の仕上げはお前がやれよ」
と、渡されたのは一本のチョコペン。
「プレートあるからさ、
なんか書いたら?(それならできるし!)」
「おっサンキュー!んじゃ、早速」
『HAPPY BIRTHDAY! HIKARU』
「こんな感じ?」
「いいんじゃない?」
和谷がほとんど作ったケーキだけど、
一応二人で作ったということで。
ヒカル喜んでくれると良いね。
「そういえば和谷の誕生日は過ぎちゃったんだよねぇ。
来年はさんのウルトラスーパーおいしい手作りケーキをご馳走してあげる!」
「――それまでにもっと料理上手くなれよ・・・」
end*
::::::::::::::::あとがき:::::
ヒカルの誕生日にかこつけて
和谷ドリってどうよ?!
っていうかヒカル全然出てないし!!
作者の個人的相乗効果ってコト。(ぇ
和谷料理うまそー。
魚三枚おろしとかパパッとやれそう。
うちにきてご飯作ってー!(コラ
ケーキ故、もっと甘々にしようかなと思ったのですが
ほのぼので。
とりあえずヒロインは友達か彼女ってことで(微妙